道端などに多く点在し、庶民の延命招福を願う素朴な信仰の対象ともいうべき道祖神・庚申塔の類は、他の集落にみられるように多くはない。
その一つは字和田一四七番の一、すなわち県道多古・笹本線と南借当・鴻の巣から谷津へ通ずる道路とが交差する地点にある。古くは交差点中心にあったというが、道路事情の変更に伴い現在の所に移されたものであるという。台石の上に「道祖神 慶応二寅年(一八六六)八月大吉日」と刻まれた四〇センチのものである。
もう一基は福現寺入口にあり、北面して県道に向いている。台石はなく二〇センチの小さいもので、「道祖神」の文字があるのみである。