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妙印山妙暹寺

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 字染谷三五八番地にあり、一塔両尊四士式本尊を安置する日蓮宗の寺院である。寺伝に弘安中(一二七八~八七)常在院日朝の開基とある。

妙印山妙暹寺

 本尊の周囲に、釈迦の二脇士といわれる獅子に乗った文珠、白象にまたがる普賢両菩薩と、不動・愛染明王。持国・広目・多聞・増長の四天王を配し、また本尊左壇に清正公、右壇に鬼子母神と十羅刹女が祀られている。
 また二体の祖師像があるが、別壇の像には「開祖朝公御作 冠鍋親師随身仏 御胎籠高祖大菩薩」の銘がある。祖師像のわきに開祖日朝、冠鍋日親の像がある。これは文化十四年(一八一七)祖師像納堂改修の際に刻んだものである。
 なお、同寺の山号「妙印山」は多古妙光寺と同号であり、特殊な関係があるように思われる。多古妙光寺も日朝の開山であり、日朝が隠居寺として創建したところから、同一山号を称したとの説がある。
 門前に天明元年(一七八一)九月建立の宗祖五百遠忌碑、寺内墓地に明和九年(一七七二)五月建立の開山日朝の四百遠忌碑がある。境内北側上に鬼子母神祠がある。
 明治の『社寺明細帳』によると
 
     千葉県管下下総国香取郡多古町染井字染谷
                                   誕生寺末
                                     日蓮宗 妙暹寺
  一、本尊   釈迦仏
  一、由緒   不詳
  一、堂宇間数 間口六間三尺 奥行五間
  一、境内坪数 弐百参拾四坪 民有地第壱種
  一、住職   霧生玄尚
  一、檀徒人員 弐百九拾八人
 
 このようになっている。