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六角観音と六地蔵

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 本堂へ登る石段の両わきに、高さ二メートルあまりの六角観音と六角地蔵が建立されている。右側が寛延四年三月に建てられた六角地蔵で、正面に地蔵像が浮き彫りにされ、その上段に横書きで「開眼供養地蔵本願経一千部 六地蔵菩薩尊像」とあり、その下に「先祖為前亡後滅法界万霊祓吉与楽也 弥勒院現住法界万霊法印果歳」「施主友右衛門 法印果雄 同平兵衛 当時代々先師 不動院先先師 法印果長 華蔵院先師」とある。
 左側は六角観音で、宝暦元年十二月に建てられた。上段に横書きで「造立六観音尊像六躰施主等代々」とあり、六面に観音尊像が浮き彫りにされている。そして「光明真言」「三十一万遍」の文字が二面に刻まれ、下に「願主弥勒院現住法印果歳 朝日(比)奈百助 真性院殿 覚本院殿 同万之助 施主萩原長兵衛 菅澤伝左衛門」とある。
 朝比奈父子の死後間もなく、その供養のために建立されたものであろう。
 右側石塔の施主友衛門は当時の名主で、平兵衛は村一番の分限者である。左側の朝比奈父子の法号の次に施主として刻まれている萩原、菅澤両人の名は宝暦二年に作られた「畑方反別帳」の中に見当たらず、あるいは朝比奈家譜代の家臣ではないかとも思われる。