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薬師堂

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 薬師堂は字宮下五九九番地にある。史料は皆無であるが、口伝に、三〇〇年ほど前に萩原宇太右衛門という分限者が独力でここに堂宇を建立し、薬師如来像を祀った。やがて宝暦(一七五一~六三)ごろから同家も衰微して昔日の面影を失ってしまったことから、以後は椎ノ木の各廓(くるわ)から当番が出て管理をするようになったという。
 いまは飯笹全体の老人たちによって「お薬師講」が開かれ、清掃・読経などが行われている。
 鰐口には「正徳六稔丙甲(一七一六)二月日 飯笹村施主萩原伊兵衛内儀為二世安楽」の文字が見られる。