堂谷集落の北側台地上で、字下巣越(しもすごえ)二九二六番にあり、欅造りの小社殿が雨屋の中に建てられている。
同集落内の一六戸によって祭祀が行われているが、明治の『社寺明細帳』には次のように記されている。
千葉県管下下総国香取郡東條村船越字下巣越
無格社 皇産霊大神
一、祭神 高皇産霊命
一、由緒 寛文十二年(一六七二)創立ノ由古老ノ口碑ニ存ス
一、社殿 本殿 拝殿
一、境内 三百四坪
一、氏子 弐拾戸
この社については、島集落文書の一節に「島村には鎮守が四社あって、うち一社は船越村地内にある」ことの旨が記されていることから、島と何らかの関係があったと思われるが、いまは伝承も残されていない。
奉納物には次のように刻まれている。
石燈籠一対「奉納 神戸東氏 大正五年旧十一月吉日」と左右同文。石燈籠一基「御宝前」。石の手洗い「奉納 川島ツユ 明治四十一年十一月十五日」。二三段ある石段に「寛政十一未歳(一七九九)二月吉良日 氏子中金一両弥左衛門 願主惣氏子中 同神主 同伝兵衛」。