蛇祭り
これは多古町の無形文化財に指定されていて、内容について町教育委員会発刊の『多古の民俗』は次のように載せている。
前日を宵祭といい、当日をおびしゃという。のぼりをたて、注連(しめ)は氏子当番の人達で作り、拝殿に飾る。祭りの費用は、神社の共同耕作地、宮田とよばれるものがあり、その収入でまかなう。
蛇(じゃ)祭りと称し、わらで作った長さ七メートル位の大じゃを、九~十一人位でかついでゆく。この行列には、役者として、女形、荒形、童化が、若衆のはやし連と共にねり歩く。女形は女性の服装、荒形は勇者の服装、童化は智者の服装をし、はやし連は、大太鼓、小太鼓、つつみ、かね、笛の楽器を車に積んで子ども達に引かせる。
大じゃは、やまたのおろちで、当番の家から神社までねり歩く。氏子全員が集まり、神官が儀式を行ない、ムラ人全員で五穀豊じょう、家内安全を祈願し、直会(なおらい)(酒宴)を行なう。この時、蛇(じゃ)が入って来る。神の飯を参加者一般にあげ、じゃは鳥井に巻く。
神供は、白米一升、塩、大根人参二本づつ、こんぶ、いか各一、腹合せの魚二尾、酒一升である。