石段を登った境内の左手に大師堂が二棟あって、それぞれに高さ三〇センチほどの石像が納められている。香取・山武大師講の札所で、一棟は上郷にあった東光寺から移したものであるという。軒には御詠歌を記した次の額が掲げられている。
いたわしや おさなきものゝ こえこえに
さいのかわらの なむぢぞうそん
しゅごのため とてもあがむる こくぶんじ
いよいよめぐむ やくしなりけり
なお、ここでもう一宇の大師堂についてふれておきたい。それは字宮下二三七番の白幡神社へ登る右側水田の端にあるもので、半坪ほどの小堂の中に四五センチ余の石像が納められている。
ここも札所の一つなのであろう、軒下の額に次の御詠歌が記されている。
みやはしの ここはみしまの かみならで
むぶつのしゅぜう すくうものなし