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薬師堂

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 密蔵寺域大師堂そばに小宇があり、薬師堂と呼ばれている。高さ三〇センチの本尊は木造朱塗りで、背部に次のように墨書されている。「奉造立供養薬師如来 享禄二年己丑九月二十七日  禄五  七月八朔旦那牛尾 六逆修二親成仏」
 この像は牛尾氏寄進のものと思われ、享禄二年(一五二九)中世期末ごろの牛尾氏の存在を証するものであるが、現在の牛尾氏関係史料からこの寄進者が誰であるかを知ることはできない。他の石造物などに刻まれたまま詳細のわからない牛尾姓の人物とともに、今後の研究にまちたい。