(グラビア)

小河内貯水池

昭和32年(1957)に完成した小河内ダムは、深い渓谷に作られた日本初の150メートル級ダムで、湖底にはいくつもの村が沈んでいます。ダムのできる前、人々はどのような地形のところに暮らしていたのでしょう。またダムはどのような地質のところに作られたのでしょう。赤色立体地図と旧版地形図、地質図を重ね合わせて考えます。

図1 奥多摩地域の赤色立体地図
笠取山の南が白っぽく見え、花崗岩地帯で浸食が浅いことがよくわかる。国土地理院基盤地図情報5m(標高)を使用して作成。
高精細画像で表示する※現在の地図(国土地理院)と重ねて見ることができます。
図2 旧版地形図と赤色立体地図を重ね合わせて復元した、小河内貯水池に沈んだ地形
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図3 赤色立体地図を背景にしたシームレス地質図
地名と共に記した黒い太線はダム堤体候補地の規模を示す。堤体選定計画地と地形・地質との関係が読み取れる。実際に堤体の作られた水根は小河内層群水根層(千枚岩質頁岩、黄緑色で表示)と小河内層群中山層(砂岩頁岩互層、茶色で表示)の間であることがわかる。
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図4 多摩水力地点一覧図(大正十二年七月 多摩川水力電気株式会社株主募集用紙、裏面)
小河内ダムができる前のこの地域は、東京都市部への電力供給地でもあった。
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(連載)

小河内貯水池

─開発で失われた地形や町と赤色立体地図─

大里重人(株式会社土質リサーチ代表)

PDF『多摩のあゆみ176号』80~85p
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【掲載写真】

(写真)現在の小河内貯水池

赤色立体地図のご利用にあたって