(グラビア)

赤色立体地図で空中写真を立体的にみる

空中写真の立体視と判読は「職人芸」でした。しかし赤色立体地図と重ねることで、空中写真から地形を容易にダイナミックに感じることができます。スケールによって構造物の規模を知り、史料と対照することで、新しい事実が見えてきます。

赤色立体地図調製、提供:アジア航測株式会社

図1 現在の神代植物公園や深大寺の付近。
神代植物公園は防空緑地で、付近には高射砲陣地などが設けられていた。黄色の枠は図2の範囲。国土地理院所蔵の昭和19年12月23日、日本陸軍撮影の空中写真に赤色立体地図画像を重ね合わせ、地形の高低を表現。
高精細画像で表示する※現在の地図(国土地理院)と重ねて見ることができます。
図2 陸軍が撮影した昭和19年10月16日の空中写真。
図2 陸軍が撮影した昭和19年12月23日の空中写真。
陸軍が撮影した昭和19年10月16日と同年12月23日の空中写真の比較。2か月で高射砲陣地やレーダ基地(電波標定機)が急速に構築されたことがわかる。
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図3 10月16日陸軍撮影の調布飛行場とその周辺地区。
飛行場の西側には、すでに多くの有蓋・無蓋の掩体(えんたい)が構築されている。
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図4 10月16日陸軍撮影の調布飛行場管制塔付近。
今も残る飛行場北の水路にかかる、昭和15年製の無筋コンクリート橋梁の位置を示した。
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図5 調布飛行場、深大寺、神代植物公園、国立天文台付近の地形を、赤色立体地図でみる。
地形をみることは、自然や人為による改変の歴史を知ることにつながる。
高精細画像で表示する※現在の地図(国土地理院)と重ねて見ることができます。

(連載)

戦争末期の調布飛行場、深大寺界隈

─赤色立体地図で空中写真を立体的にみる─

大里重人(株式会社土質リサーチ代表)

PDF『多摩のあゆみ177号』86~91p
※PDF内をクリックすると、高精細画像(カラー)を表示します。

【掲載写真】

(写真)明治44年開設当初の所沢飛行場と航空機

(写真)現存する高射砲台座

(写真)府中市白糸台の掩体

(写真)昭和15年製の無筋コンクリート橋梁

赤色立体地図のご利用にあたって