前期古墳の遺物

208 ~ 209

主要な古墳について出土遺物をあげると、第5号墳の竪穴式石室から鍬形石・管玉・巴形銅器・銅鏃・鉄鏃・鉄製工具、後円部の粘土槨から鉄製の斧・鉇・鎌、前方部北槨から紡錘車・直刀・鉄製工具、南槨から石釧(いしくしろ)・鉄鉇が出土した。第6号墳は東石室から内行花文鏡・勾玉・管玉・直刀・鉄鏃・鉄斧、中央石室から画文帯神獣鏡・管玉・鉄刀剣・鉄鏃・鉄小札などが出土した。第13号墳の竪穴式石室からは、勾玉・管玉・ガラス小玉・石釧・鉄剣、前方部の1号槨から内行花文鏡・鉄刀剣・鉄斧、2号槨から三角縁三神三獣鏡・直刀がそれぞれ出土している(162)。

162 羽曳野市駒ケ谷宮山古墳の前方部粘土槨から出土した三角縁神獣鏡

 これらの副葬品について個々に検討すべき点は少なくないが、ここでは全体を通観してみると品目と数量において比較的簡素な内容からなることが指摘できる。もっとも調査した古墳の多くが、過去に盗掘を蒙っていた事実もあわせて考慮しなければならないとしても、外形に比べて内容は見るべきものが乏しい傾向が明らかであろう。