石川谷の場合、羽曳野市東部の、いわゆる「河内飛鳥」と称する寺山周辺に、観音塚古墳、オーコ8号墳、雨乞山古墳、観音塚上古墳、駒ケ谷藤池上古墳などの一グループがある。西方の羽曳野丘陵東縁にも小口山古墳、羽曳山古墳、徳楽山古墳が分布している。河内飛鳥に続く南には通法寺の御嶺山古墳があり、太子町の磯長谷に入ると松井塚古墳、仏陀寺古墳をあげることができる。さらに河南町では平石のアカハゲ古墳、塚廻古墳をはじめ一須賀古墳群の南縁に沿ってなお数基が存在し、芹生谷西方の水田中にある一石棺までその数は少なくない。
富田林市域の古墳分布はちょうどこれらと石川をはさんで相対する西側の羽曳野丘陵東縁に位置を占めるもので、お亀石古墳、その北方に谷一つ隔てて宮町の旭ケ丘住宅地内にあった宮前山古墳、錦織西方の南坪池古墳などがある。