各種遺物と金象嵌大刀

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出土遺物はアカハゲ古墳に比べると豊富で、金製小コイル状金具七片、金糸残欠四本、金銅金具残欠約三〇片、ガラス玉嵌込み銀製飾金具片二個、ガラス製扁平管玉破片多数、ガラス製丸玉破片五個があった。注目すべき遺物として二口分の鉄刀片があり、そのうち一口には竜文と山岳雲形文が金象嵌で施され、他の一口には外装の鞘の表面に金箔を貼り付けていることが判明した。奥室にはアカハゲ古墳と同様な漆塗籠棺が置かれたらしく、奥室から羨道にかけて大量の棺片が出土した。この古墳の場合には、漆塗籠棺の外棺として一種の陶棺が用いられ、しかもその表面に緑釉を施すというきわめて珍しい手法が認められた。