この宮前山第1号墳は高室石の切石による石材を組合わせた特異な型式の石室として、外形的に比較できる資料に乏しい。ただし羨道を欠く特徴からみて、お亀石古墳、河南町アカハゲ・塚廻古墳などのグループより型式的には新しく、むしろ羽曳野市小口山古墳、太子町御嶺山古墳などの石棺式石室をもつグループに近い。扉石の前方から出土した須恵質の長頸壺も、あまり年代を細分する上での関連資料に乏しいので、七世紀後半に考えておきたい。他の2・3・4号の三基の古墳は内容的に見るべきものを持たないが、第2号墳が上述の第1号墳よりも若干古い可能性をもち、他は時期を下げるのが妥当であろう。