第5号墳は急斜面上の段状部に営まれた直径一二メートル、高さ三メートルの円墳で、石室は南西に向かって開口している。羨道の前半の一部は失われた形跡があるが、全長三・五五メートルで、玄室の長さは三・二メートル、幅は玄室入口で一・三メートル、奥壁側で一・四メートル、高さは現状で一・五メートルである。石室の壁体は花崗岩質の比較的小型の野石を丁寧に積み上げていて、内壁面をよく揃えている。玄室の天井石も四個の塊石を架構して、それほど大きな石材を用いていないので、両側壁の上半部は内方に持ち送りが認められる。角張った積石の間隙に小さな角石を充填するなど、面の調整とあわせて、小規模ながらよく構築された石室といいうる。羨道と玄室との境には、奥壁から向かって左側に袖をもつ片袖式の型式である。この群の中では古い時期に構築されたものであろう(359・360・361)。