西板持遺跡は佐備川西方の、現在西板持の地域を含んでさらに西に広がる広大な遺跡で、古代においては石川と佐備川との合流点に位置して、両河川にはさまれた半島状の低い台地であったと考えられる。現在の石川の河床面の標高は五五メートル程度あり、西板持の中央付近では六〇メートルあるから、その比高差はわずか五メートル内外にすぎぬ微高地であったといえる。遺物の散布する範囲は南北一一〇〇メートル、東西は四五〇メートルあり、南端は楠風台の河岸段丘下縁に達していて、地形的に石川と佐備川とにはさまれた細長い半島状の沖積台地とした推測とよく一致している(409)。