羽曳野市大黒四九五に所在する。この大黒の地は、飛鳥川と石川に挾まれ、三角形に突出した丘陵の先端の地にある。もとは現在より南方一〇〇メートルのやはり丘陵上に存在したというが、大差はない。いずれにせよ石川郡の最北端にあたる。丘陵東の飛鳥川を越えると駒ケ谷や飛鳥があり、古代の安宿郡賀美郷にあたり、式内社の杜本(もりもと)神社や飛鳥戸神社がある。丘陵西方石川を越えると古市で、古市郡古市郷にあたり、式内社高屋神社がある。古市郡は石川ぞいにさらに南方の尺度までを含むが、尺度は古市郡尺度(さかと)郷で、式内社利雁(とかり)神社がある。
祭神は高靇神(たかおかみ)で、水神である。本神社の所在する丘陵一帯には古墳もあり、その古墳を形成するような人びとによって信仰された神社であろう。