富田林市西板持九七一に所在し、板持氏の氏神かもしれない。板持氏は既に述べたように、真釣(第二章第四節「東大寺大仏と板持真釣」)、三依(第二章第四節「板持連三依」)、鎌束(第二章第四節「板持鎌束」)らが知られ、『類聚国史』によれば、延暦一二年(七九三)板茂連に外従五位下が授けられた。
神社の祭神は素盞鳴命・応神天皇・大己貴命・安閑天皇で、祭日は五月二〇日である。明治四〇年(一九〇七)一一月一三日建水分神社に合祀されたが、氏子間の争いによってもとの地に鎮座した(『大阪府神社名鑑』)。なお神社東方の丘陵上の板持古墳は、板持氏あるいは本神社と関係するものかもしれない。