西岡潔市長への期待

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既述のとおり、昭和四二年(一九六七)八月二七日、市長死去にともなう選挙が行われ、西岡実の子息の西岡潔が当選した。昭和ひとけた生まれの三八歳、大阪府内でいちばん若い市長であった。古い町に青年市長が誕生したといわれた。八月二九日の『朝日新聞』は「富田林新市長 若さにかかる期待 行手には多くの難問 思い切った施策が必要」との見出しで、「むかしから開けながら、新しい開発におくれをとった富田林を、若さと情熱をぶっつけて躍進させる」と、力強く約束した西岡市長の前途に横たわる重要課題を次のように列挙した。

前市長が手がけた事業や取組もうとした計画だけでも、住宅公団金剛団地の学校や水道など施設の整備、中小企業団地の用地あっせん、コロニー建設に伴う関連事業決定などが待っている。

これらをどう推進し、その財源をどう確保するか。一方では府下でただ一カ所という財政再建団体の指定を返上するため、七千余万円にのぼる赤字を、四十四年度には解消すると公約しているだけに、各種の事業もかなりの制約は避けられないだろう。

身近な問題では国保料がある。今年度末には千―二千万円の赤字が見込まれているが、値上げとなれば、市民の批判が強いし、かといって、苦しい一般財源からの穴埋めもむずかしい。さらに水道も。施設拡充がせまられているうえに、古くなった管の取替えもしなければならないなかで、料金問題をどう処理するかなどがある。

「若い人たちの魅力ある町づくり」もスローガンにかかげ「サークル活動を育てる施設をつくる」と誓った。とりあえず市民会館、総合運動場を希望する声が強い。

写真148 初登庁の西岡潔市長 (『富田林市市政だより』 昭和42年9月29日付から転載)