昭和四五年(一九七〇)一一月三日、広く市民の意見を求めて制定された富田林市民憲章は次のとおりであった。開発の波が押し寄せる中で、自然と歴史を守ろうとの市民憲章が生まれたのであった。
富田林市民憲章
わたしたちの富田林市は、美しい石川のほとりに、古い歴史と伝統を育ててきました。
この伝統の上に、ひとりひとりの知識と創造をつみあげ、自然にめぐまれた近代的な都市に発展するため、みんなで市民憲章を守りましょう。
○自然を守り、緑と太陽にめぐまれた住みよいまちをつくりましょう。
富田林市のもつ緑と太陽に恵まれた、よき自然環境のもとで、この自然を守ることにより、公害を追放し、生活環境をととのえ、みんなが住みよいまちにしましょう。
○よい歴史と伝統をはぐくみ、文化財を守りましょう。
富田林市の歴史は古く、多くの文化財や史跡が貴重な遺産として残されています。
これらを大切に守り、さらに、時代の進歩に歩調をあわせ、よき歴史と伝統を育てていきましょう。
そしてこれまでの伝統を築いてきたお年寄りを大切にしましょう。
○健康と知識を養い、働く喜びを知りましょう。
富田林市は教育文化都市としての発展を目指しています。その目的は、心身ともに健康にめぐまれた人づくりにあります。
人づくりの基礎は、健康な身体、高い教養と人格、そして社会性を養うことです。こうした基礎の上に、それぞれの職業・職場で働くことの喜びをわかることが、まず第一の幸福だといえましょう。
○みんな一つの輪になって、自由で平等な都市を育てましょう。
富田林市は、〝差別を許さない明るいまちづくり運動〟を行政の主要施策として推進しています。
人権を尊重する人づくりの基本として、みんな互に手をとりあい、一つの輪になって、自由で平等な都市を育てていきましょう。
○若い力をのばし、希望と平和の未来を築きましょう。
いつの時代でも、新しい世代をになう若い力は大切です。
その若い力、それは、子どものときから明るく強い子どもをそだてることが大切です。
富田林市も発展的な、常に若さあふれる都市であり、その都市で、みんなが希望のもてる平和なまちづくりをしていきましょう。
次いで昭和五〇年六月一日、市制二五周年・市民会館落成記念式典が行われるに際し、市の木・市の花が制定された。市の木は「くすのき」、市の花は「つつじ」が選定された。