市民が健康で文化的な生活を営むためのまちづくりには、医療機関の整備充実が不可欠である。富田林市には、昭和四五年(一九七〇)三月に警察病院富田林分院が廃されて以後、公的病院がなく、地元医師会を中心とした医療機関やPL病院にたよっていた。そこで、市は金剛東土地区画整理事業を進める中で、富田林病院の建設計画を具体化した。
病院建設事業は、昭和五〇年秋から大阪府と共同で進め、公的医療機関として経験豊富な恩賜財団大阪府済生会に運営を委ねて、五二年一〇月一一日から富田林市大字廿山四五九二番地(現向陽台一丁目)の地で診療を開始した。
富田林病院は、平成一五年(二〇〇三)現在、鉄筋コンクリート地下一階地上四階建ての本館のほか、透析センター、検診センターなど延べ一万九三五四平方メートルを有し、病床数三〇〇床、各種診療科(内科・小児科・外科・整形外科・形成外科・脳神経外科・産婦人科・眼科・耳鼻咽喉科・放射線科・泌尿器科・麻酔科・皮膚科)をはじめ、検査・リハビリ部門などの設備を備えた総合病院である。
次いで昭和五三年六月四日の日曜日から、富田林病院北隣に休日診療所が開設された。この診療所は、南河内で初めての事業として、富田林市と太子町、河南町、千早赤阪村の一市二町一村で取り組み、地元の医師会・歯科医師会・薬剤師会の協力を得て、日曜日・祝日・年末年始の診療を行うことになったものである。これまでの在宅輪番制の当直医制度にかわって、休日診療所(内科・小児科)が開設されたのである。その後、平成二年に歯科の休日診療も始まった。