南河内一帯のたいていの地域から、羽曳野丘陵に聳(そび)えるPLの巨大なタワーを望むことができる。昭和四五年(一九七〇)八月一日、PLが世界平和のシンボルタワーとして落成した「超宗派万国戦争犠牲者慰霊大平和祈念塔」である。
大平和祈念塔は世に類例のない彫刻の塔をというイメージで、第二代教祖御木徳近(みきとくちか)が原型をデザインして建立したもので、高さ一八〇メートルの巨大な構造物である。塔の神殿には、民族、国境、宗教、思想などを超越して、有史以来のあらゆる戦争の犠牲になった人たちの霊を奉祀している。毎年八月一日に行われる教祖祭の日には、万国戦争犠牲者の霊を慰めるとともに、恒久平和を祈念して、大平和祈念塔年祭が行われている。
昭和二九年から八月一日の教祖祭が富田林市の大本庁で行われるようになり、その際の「PL花火芸術」はスケールの大きさと華麗さで広く知られている。それは単なる夏の夜の風物としての花火ではなく、世界平和を祈念した初代教祖・第二代教祖に捧げる一大花束であり、世界平和欣求(ごんぐ)の象徴というべきものであり、「人生は芸術である」とのPL理念が意欲的に表現されているとのことである。