富田林市に位置する錦織公園は、服部緑地、久宝寺緑地、大泉緑地、長野公園、浜寺公園など府営公園一八のうち、一三番目に開設された公園である。平成一五年(二〇〇三)現在、六五・七ヘクタールであるが、計画面積は七二・七ヘクタールの広さを持つ南河内地域を代表する広域公園である。
羽曳野丘陵の面影を残している起伏に富んだ地形、赤松を主体とした樹林地、大小の溜め池などの自然地形を保全し、それらの活用を図り、豊かな緑の中で府民が自然とふれあう場として、親しみ、楽しむ公園としてつくられた。計画決定は昭和五〇年(一九七五)一一月であり、一二年の歳月を要して、六二年四月に二〇ヘクタールの一部開園をした。
その後、平成二年四月に「河内の里」を含め一〇ヘクタールを追加、七年四月に「池畔の径」「石楠花(しゃくなげ)の谷」「どんぐりの森」など二一ヘクタール、九年九月に駐車場の改修により〇・二ヘクタール、一〇年五月に北広場一・一ヘクタール、多目的広場一・四ヘクタール、一一年四月に「水辺の里」の大芝生広場二・〇ヘクタールと児童遊技場〇・八ヘクタール、一二年四月に自然保全区域九・二ヘクタールを追加開設した。
公園・緑地はパブリックな計画と手法によって、都市に自然をもたらし、あるいは自然を保全し、快適で潤いのある空間を創出し、さらには都市と田園の相互尊重による共生を可能にするものと期待される。羽曳野丘陵は、戦後の開発によって、旧態をとどめぬまでに変容した。その羽曳野丘陵に開設された広大な錦織公園は、自然をとりもどす拠点ともいえる。住民の保健、地域の美観の観点からも、錦織公園の役割は大きい。