文化景観

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人間活動の舞台には、人間が自然環境に働きかけ、作り上げた景観が蓄積されている。景観はそれぞれの時点で集積、残存する自然と人間の活動結果のすべてを含み、その地域の文化、社会、経済のあり方を表現しており、文化景観あるいは人文景観と呼べる。水田の形ひとつをとっても段丘地域と丘陵地域では異なっているし、村の形態も自然環境だけではなく、人間の働きによって異なる。同じ段丘上の農村でも、旧新堂村中心部(現若松町二~五丁目)の集落形態は、富田林寺内町に似た方形の区画をなすが、段丘面上の集落は条里地割に規制されている。東条地区の各集落は谷に沿って不規則な形が地形図にも示され、それぞれが異なる環境と経済活動の結果を示す。

 同じ都市的な景観でも、寺内町の町割りや商業活動の配置は、金剛団地のそれとは大きく異なっているし、近年開通した新しい道路に沿って立地した商業活動が作り出す景観も、従来の新旧の市街地とは異なる。