二 市内の産業分布

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 図28は富田林市内における町丁字別の産業分類ごとの事業所数(工場や商店など)を示している。分類ごとにその特徴を述べる。

図28 町丁字別の産業分布(昭和61年)

 製造業事業所数が多いのは、上でも触れた石川西岸の富田林中小企業団地の地区であり、隣接地域にも多い。また石川を渡った右岸にも製造業事業所が多く立地していることがわかる。小売業の事業所が多いのは、近鉄富田林駅前の本町であり、寺内町地区の富田林町や隣接の若松町などにもたくさんの商店がある。現在の商業は大型小売店が重要となっているが、商業集積という点ではやはりこの旧市街地が富田林の圧倒的中心である。小売商店は、その他、鉄道駅や団地の商業施設のある地区で多くの立地が見られる。金融・保険・サービス業については、先の小売業の事業所が多い旧市街から若松町にかけて多く立地している。中心地の機能を構成するとともに、後で見るように、製造業への対事業所サービス機能としても重要なものである。その他の小売業の多い地区にもこの機能が中心機能として立地している。卸売業は、富田林町およびその周辺から中小企業団地で多く、後者には流通機能などが立地していることがわかる。同じ商業でも小売業と違い、あまりこの機能は拡散しておらず、他の地区では錦織にも多く、甲田、それに伝統的な商業中心の寺内町地区などに見られる。