ミカン栽培と農業構造改善事業

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昭和四五年(一九七〇)までのミカン園の拡大に、龍泉地区を中心に行われた昭和三八~四〇年度の東条農協を主体とした第一次農業構造改善事業が土地基盤整備事業を含めて大きな役割を果たした。融資単独事業の形で一三二八メートルの農道が昭和四〇年までの事業として建設され、また五戸を受益者として二・三ヘクタールの新しい樹木畑が開発された(富田林市『龍泉地区農業構造改善事業』)。

 土地基盤整備事業として、嶽山東斜面に延長四二五七メートルの自動車の通行が可能な一般農道が建設され、受益面積=三一ヘクタール、受益農家=六八戸にのぼり、経営の近代化の基礎条件が整備された。そのほかに、経営近代化施設として、龍泉三七ヘクタールを対象に、受益農家五七戸でみかん共同防除施設が設置された。

 東条農協内の全ミカン農家二三九戸が利用するみかん選果所が東条農協に接して建設され、この選果所は一時間に八トンを処理できた。これと並んで、受益農家数は二八戸と必ずしも多くはないが、みかん貯蔵所も併設された。これは南河内地方の温州ミカンが酸度が大きく、貯蔵することで次第に甘味を増すため、和歌山県などとの競合を避けて、遅く出荷するのに必要な設備である。