植木園は大都市近郊に立地する場合が多いが、特定の地域名と強く結びついて産地と市場の関係が成立するため、必ずしも野菜のように普遍的に分布するものではない。大阪近郊では、北摂の池田市あるいは兵庫県の宝塚市とともに八尾市などが知られていた。植木の植栽は並木や公園あるいは集合住宅内などの緑地と個人の庭木など、指向する市場によって景観も労働の内容も異なる。
美原町、富田林市五軒家、河南町中、馬谷などに集中して見られる植木園は個人住宅の庭木のよく手入れされたマツやマキが中心である。これらは一つには労働集約的であると同時に、その経営は庭木の植栽以上に造園業である場合が多く、経営実態や労働時間の配分もやや農業から離れたものとなっている。
南河内地方では、美原町の菅生地区が比較的早期に植木園の広がりを見せ、当市域では、これに隣接する五軒家に拡散し、その後、河南町の旧石川村、中村などに立地した。