工程と経営

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グラスボールの製造工程を①素玉製造、②銀引き、③磨き、④ラッカー塗装、⑤乾燥、⑥環付け、⑦箱詰め、梱包に要約できる。素玉製造はメーカーから購入したガラス生地を溶融したものをいわゆるガラス吹きで所定の直径のガラス玉にするもので、熟練した職人は、標準三〇ミリの直径のものを一分間に二~三個を作ったという(『富田林市誌』)。その後の工程も当初はすべて手作業で行われたが、昭和三〇年(一九五五)ごろより、各工程で①重油炉、自動製球機、②真空蒸着装置、③磨き機、④自動塗装乾燥機、⑤乾燥炉などが導入され、機械化が進んだ。

 経営の形態としては、素玉の生産と仕上げ加工の一貫メーカーと、素玉を外注し、仕上げ加工のみを行う業者に分かれていた。一般に外注依存度が高く、素玉製造を行う業者は零細な家族経営が多かった。

 メーカーは各工程について多くの下請け、内職従事者を抱え、メーカーの周辺には兼業として従事する家族が多かった。