竹材が地域内で自給されたのは過去のことで、一九七〇年代では鹿児島、熊本、高知、京都(舞鶴)など地域外から厚身(あつみ)と呼ばれる幅一・五ミリ、厚さ二ミリほどの加工竹材が購入されていた。これをヒゴ加工業者がヒゴに加工し、竹すだれ業者がこれを購入してすだれに製織し、別の業者がこれに縁を付けたり、絵を付ける。したがって、大阪府下では、竹ヒゴ作り、製織、加工のおよそ三段階の分業が行われている。
一九七〇年代に対米輸出がほとんどなくなったことに対応して開発されたのが、竹すだれとほとんど変わらない技術で製造される竹ヒゴを織った敷物とカーテンである。カーテンはヒゴを縦に使ったものである。これらの場合、染色あるいは塗装したものを乾燥した後、製織し、縁付けする。
竹すだれの製織は縦糸の間に横糸代わりに竹ヒゴをさしこむことで簡単な機械が使用されていた。一般にはこのすだれ生地を最終加工業者に渡すことになる(大阪府立商工経済研究所編『大阪の地場産業』二)。