[付図1]

 

付図1 昭和初年の土地利用

 

付図1 昭和初年の土地利用(地理編第二章第一節二 642頁参照)

 富田林市域における昭和初年の土地利用を、地形図をもとに着色し示したのが付図1である。図の中央上から左に針葉樹林が広がる羽曳野丘陵を挟み、西側の狭山側の一部と東側の富田林町のある石川谷に水田が広がっている。また羽曳野丘陵には西北から水田として利用される谷が長く延びており、丘陵の分水界が極端に東の富田林側にあることがわかる。つまり大阪側から富田林に向かって丘陵を越えると、長い緩やかな登りの後で急坂を下って石川谷に下りることとなるのである。一方、図の東部には石川谷の水田地帯が広がるが、これが南部ではいくつかの谷に分かれていることもわかる。その斜面部には果樹園が広がる。富田林をはじめとする集落群がこの石川谷に点在していた。