現地ロケ編全文テキスト

■狭い道


【直井さん】こういう道路があるんですよね。むこうの幅とこちらの幅が全然違う。
 
【關さん】ここからが細い道。ここまではね、車も入る。だから遠慮してね、ここで車を降りちゃいますよ。私なんかはそこに行くのに。
 
【直井さん】十分…細いでしょうね。こんなところに車で入ってきたくないですよね。
 
【關さん】やっぱり一番困るのは車ですよね。車を考えて作られた道ではないということですね。昔は農道だったので、大きな地主さん達が車というものを想定しない道を作ってしまったということですかね。だから、道が狭いから自転車はともかく、車はね、スピードを出しては来ないんですよ。だから、そういう点で事故は少ないかもしれない。必ず速度を緩めて入ってきますからね。ただ、道が狭いとね、車がスピード出して入って来れないという良い点はあるんですけれども、慣れない人はなかなか運転が難しくてね。車の修理をして、戻ってきた車が修理の方が運転してきて、そこの車庫に入れるのにまたぶつけて、また傷ついたとかね。本当にそういう話もあるんですよ。それにきちんと区画整理されてないから、頭の中で描いた道で行くと、とんでもないところに出たりするのね。
 
 

■長崎富士塚


【關さん】ここが神社で、祝詞をあげたりね、それからお獅子が舞ったりして。富士山に登れない人のために、富士からこの岩を運んで、それで作った“富士塚”というもので、それこそ 大江戸八百八町に808あったと言われています。その中で、最も原型を留めているということで、国の重要無形文化財に指定されているものです。“お富士山”と呼んでいました。ここはこういうふうにきちっと囲ってしまったけど、これは国の(重要無形文化財に)指定されたのか、あるいは危ないから…。だけど、昔はそういう考えはなかったから、私たちなんかはここを直下降の逆ね、斜めに上がって、誰が一番先に頂上に辿り着くか、そういう競争をしましたよ。これ、ちゃんと道はあるんですけどね、その道は通らないで、直線で誰が登るか、みたいな。
 
【直井さん】あれだけでも、高いところに上がると良い気分ですよね。
 
【關さん】この辺は(当時から)もう家がありましたから。
 
【直井さん】昔は周りが畑だったんでしょうけど。見晴らしもよくて。ひょっとすると富士山くらいは見えたかもしれない。
 
【關さん】でも格好の遊び場所ではありました。昔はこんな遊園地なんかないからね。子供遊園なんかないので、こういう天然の遊び場。でもやっぱり“焼けなかった”ということが大きいですよね。
 
【直井さん】それは大きいですよね。爆弾が一発当たったらアウトでしたでしょうからね。
 
【關さん】焼け残った地域ですからね。
 
 
(稲荷神社にて)
【關さん】“ちゃん”づけで、小学校からの友達もまだ一緒に暮らしてる…というか、近くで暮らしているので、そういう点では、まあだいたい、いろんな家庭の事情も全部わかるという感じですかね。
 
【關さん】大変よね、ここね、落ち葉がね。ここが私達のメインの遊び場ですね。お稲荷さんと言うんです。全部今は駐車場になっているけど、ここ全部お稲荷さんの境内でした。
 
【直井さん】木も、だいぶ上を切っちゃってますけど、もっと鬱蒼としてたんですよね。
 
【關さん】この辺りの地主さんたちが、自分たちのために建てた神社で。だから、個人ではないけれど、その団体が持ち主で、一般的な神社ではないんですね。こういうところも登ったりして遊びましたよ。屋根も。
 
【直井さん】屋根?
 
【關さん】そう。ずっと要町の方から帰ってくると、ここら辺はもっと木が影になっていたので、雨が降っても安心して入って来れたんですけどね、今はもうそれは駄目ですね。
 
 

■地区計画(高松二丁目桐葉通り)


【關さん】だんだん見慣れてきちゃいますね。最初はちょっと”え?”と思ったけど。
 
【直井さん】まあ、あんまり通らないですからね。そもそも、その地区計画につながるきっかけになった最初の建物。この地域は中高層住宅専用地域なんですよ。中高層だから高さ制限がないんですよ。だから容積率、建ぺい率を守れば建てられると。これはそれに対しては違反していないんですよ。“いくらなんでも目の前にこんなのが建っちゃうのは…”っていう話でね。“もうちょっと環境にマッチした建物にしてくれよ”ということで申し入れをしたんですけど、“それはなんにも違反していない”ということで。唯一それに対抗できるのは、地区計画でこの地域を都市計画の第一種住居専用とか、そういう範囲に変えると。それしかもう方法がないと。そのためには地域住民の5割以上、半分以上の賛成がないと駄目ですと。
 
(道路のセットバックを見ながら)
【直井さん】道路がみんなでこぼこでこぼこしていますよね。狭いところを広げようということで。道路を広げてもね、電柱は動かさないんですよね。
 
【關さん】だからね、区なんかもそういう運動をしてくれたらと思いますよ。じゃなかったらね、広がっても電柱が出ていたら同じなんですもの。
 
 

■区民ひろば高松


【直井さん】ここは誰でも使える施設ですね。“地域の施設”ということです。高齢者から幼児、お母さん方、どんな人でも使っていい。
 
【關さん】ヨーロッパでは教会ができて、広場ができて、それを街の中心にするというふうに、街作りをするらしいから、そのイメージですよね、広場っていうものはね。
 
【直井さん】地域の拠点にしようというのが目的ですよ。ここは草ボーボーではもったいないから、花にしようと。
 
【直井さん】(区民ひろば高松のボランティアの方に向けて)おはようございます。こっちはハーブなんです。ボランティアをしていただている方が早速やってくださっています。
運営はNPO法人がやっているのですが、ボランティアの方はそのNPO法人の会員、所属されているわけです。ここは運営協議会は(豊島区で)一番最初に作って、広場自体は(豊島区で)最初に4箇所立ち上げたところの一つというところですね。その運営協議会がNPO法人に発展したというふうに思っていただければ良いかなと。唯一の施設なんですよね、公共的な施設としては、学校を除いてここしかないので、ここをこの地域で皆さんが使いやすいように、あるいは、大いに活用していただけるようにということで、自分達で地域に合った運営の仕方をしたほうがいいんじゃないかというのが発端ですね。