現地ロケ編全文テキスト

■東長崎駅


【小出さん】武井さん、前の駅の入り口はもうちょっと向こうだったような気がする…
【武井さん】そうですね。今の建物の…11階建ての建物を建ててる際ですね。
【小出さん】平屋の駅舎で南口しかなかったってお聞きしてるんですけど。
【武井さん】ちょうど私も50~60年ぐらい前、南口しかなくて、北口という今の人たちはみんなこちら線路…踏切越えて来たのを思い出しますね。
【小出さん】昔はこっち側だけだったんで出口が、こっちのほうが先に栄えてたっていうか…縁日もありましたものね。
【武井さん】そうですね。多い時は屋台と的屋さんなんですけど、50軒から70軒くらい。あとは映画館が2つあったんですよ。「平和シネマ」という映画館と「長崎東映」という。
【小出さん】「長崎東映」は僕も行った覚えがあるんですけど。まんが祭りっていうのがあったんで。
 
(長崎銀座の通りにて)
【武井さん】この一画が昔映画館で「平和シネマ」という建物の跡を…
【小出さん】ちょうどこのビル全体が映画館だった…
【武井さん】30年くらい前のお店屋さんなんてもう、数えるほどになりましたね。あとは皆さん新しくお店開いたりとかいうところになりましたけど、風景はそんなに変わってないと思います。
【武井さん】(商店街のお店の方に)こんにちは。ちょっと長崎…南長崎を紹介する番組を…
【小出さん】いいんですか?コメントなしでいいんですか?(笑)
【武井さん】えっ、だってもうあれでしょう…?
【小出さん】そんなにたくさん無理ですよ。
 

■南長崎はらっぱ公園


【武井さん】私は生まれて2、3年で…70年ぐらい。
【小出さん】私は還暦なんで60年ですね。
(ずっとこちらに?)
【小出さん】そうですね。じゃないとこの番組に今出てないと思うんですけど(笑)。そういうこと言っちゃ駄目でしょう。もうお待ちかねなんじゃないですか、廣田さん。
 
(南長崎はらっぱ公園の遊具を見ながら)
【小出さん】土管が昔あの、この原っぱに 原っぱっていうか…資材置き場みたいになってた。だからトキワ壮の漫画家のね、あの風景ですよね。それの名残みたいな感じでこれが…
 
【小出さん】こんにちは。
【武井さん】何年くらい前に公園がオープンできたんでしたっけ?
【廣田さん】ここはオープンになって8年目です。だから平成22年ですかね。この公園はもともと豊島プールというので、それは40年以上過ぎまして老朽化したものですから、ここを壊してその跡をどうするかっていうので、この地区の南長崎4丁目5丁目6丁目の方が中心になってですね、考えましょうといって。この広さを利用して広い空間を作るっていうので芝生ではなくて最初はクローバーを植えると。クローバー、芝生、雑草というかたちで計画されてます。
 
(ビオトープを見ながら)
【廣田さん】これは掘ってですね、ここにシートを敷いて、そこの上に粘土質をぺたぺた貼って作ったビオトープです。今、睡蓮…姫睡蓮がありますけども、たとえばここには蝶々とかとんぼとかそういうのも来ますので、まあ楽しみに来て、ここを通ったら確実にここに止まってですね、こう見てると…楽しんでると。
 
(広場を見渡しながら)
【廣田さん】われわれだけではなくていろんな方がここを利用してイベントをやってます。月に2回ポニーが来ます。障害者施設の方がホースセラピーやってたの。こちらのほうでやると、ポニーと触れ合ったりポニーにタダで乗せてもらえたり。豊島区だけじゃなくてですね、いろんな方もここに来て楽しんでいるということはあります。やっぱり8年も経つとですね、あそこの桜の木はこんなの植えたんですね。8年経ったらそこの木だけ、そこの桜だけ大きくなっちゃった。日当たりが良いのか…
【小出さん】桜は成長早いですよね
 

■五郎久保稲荷神社と五若神輿


(五郎久保稲荷神社の近くの通りで)
【武井さん】映画館は戦後10年ぐらい経ってからかなぁ。20年代の終わりにはもうできてたはず。
【小出さん】そうですよね、映画の全盛時代ってそんなもんですよね。ちょうどこの角ぐらいからこっちが映画館じゃなかったですか?「長崎東映」
【武井さん】ここから神社の塀のところまで。
【小出さん】結構広かったんですよね。だからねぇ、まあ映画館だから当たり前ですけど。
【武井さん】もう面影がね、ないですけど。
【小出さん】写真が残ってないんですよ。
【武井さん】一般の人…庶民の人にとっては貴重というか、娯楽だったですよね。楽しみのひとつだったでしょうけど、昔は子どもさんも多かったから、結構費用もかかったんじゃないかと思いますけど。
 
(五郎久保稲荷神社にて)
【武井さん】のぞいてみましょう。
【小出さん】ちゃんと鳥居を通って行きます。
 
【武井さん】今年の9月の8日9日が長崎神社の祭礼で、こちらも末社的な感じなんで一緒にお祭りしますね。(神輿のある倉を指して)「五若」って書いてありますこれ、お神輿が納まっているところなんですけど。五若という名前はこの辺がまだ「五郎窪」といわれた地名の時代でして それの頭文字の「五」それから町内の若い人たちの…
【小出さん】若衆の「若」。
【武井さん】これが昭和9年から戦後も出てたんですが、いざこざが2年3年と続いたために、氏子総代の方がしばらくお神輿を安置しておこうと。昭和50年のはじまりにお神輿ブーム的なのがあったんです。ここの町内の若い人たちも五若が安置されてるってのを知ってたんで、みんなでちょっと何とか地元のお神輿を担ぎたいという運動を起こしましたね。日夜いろんな知ってる若い人たち…それから町内のお祭りの好きな人たちにお話をみんな個々にして…最終的には600人近い会員さんを募って 賛同いただいた人もいればあんまり祭りは関係ないやというような…
【小出さん】当時でもそうだったんですね。
【武井さん】そうですね、だいぶへこたれた覚えはありましたけど、もう45年?40年?
【小出さん】そうですね、だから42年くらい前の話ですよ。
 
(子どもたちによる五若囃子の稽古)
 
【西條さん】もちろんこの五若囃子も先ほど武井さんのほうからお話しあったように、いちばん最初に習ったのはプロの方から教わるっていうのがあれだったんですけど、今この五若囃子を教えているのは第1期生の坂野先生が教えてます。子どもたちが一生懸命やる姿 大人が叩くのではない姿。下手です。実際にやっぱり聴いてもらってもわかるんですけど下手なのは下手です。でも一生懸命やってる姿がすごいそういうところが好きで、あの五若という大きなお神輿の前で賑やかしというか、それができるっていう…子どもたちも結構終わったあと必ず誇りに思うというか。
【武井さん】周りで見てるね、子どもさんたちもうらやましく見てるっていう顔がわかりますよね。
 

■南長崎スポーツ公園


【小出さん】スポーツ公園、長中(長崎中)の正門のほうから入っていったほうがいいですよね。ここがあの長中の正門があったところですよね、武井さんね。
【武井さん】そうですね。
【小出さん】今すっかり変わってスポーツ公園。
【武井さん】平成18年…閉校になった。
【小出さん】59年の歴史。あと1年で60年だったんだ。
【武井さん】最後は生徒さんが10人ぐらいになって、少子化のやっぱり影響だと思いますね。この地域もだんだん高齢者の地域社会に変わってきてますね。
 
(じゃぶじゃぶ池で遊ぶ子どもたちを見て)
【武井さん】ちょうどあのじゃぶじゃぶ池で…子どもさんが…
【小出さん】これは喜ぶわ子どもは。昔こういう感じのがさっきのはらっぱ公園にありましたよね。
【武井さん】あそこのはもうちょっとなんか…
【小出さん】もっと大規模でしたけど。
 
【小出さん】(公園内の遊具を見ながら)あとこれが忍者の…横山光輝先生の赤影のイメージなんじゃないかな。僕は思っているんですけどひそかに。トキワ荘なのに横山先生かってちょっと…
【武井さん】それは小出さんの思い入れすぎ…(笑)
 

■南長崎花咲公園


【小出さん】ちょっと葉っぱだらけになっちゃってるなぁ。まずいなぁ。
【武井さん】これがあれですね。トキワ荘のモニュメント。
【小出さん】もう今さら遅いわ。掃除しておけばよかった(笑)。2009年にトキワ荘の活動のはじめとしてこちらの記念碑ができたんですけど、ここは跡地からいちばん近い公園ということで。実はうちの従業員がトキワ荘に住んでた頃がありまして。僕がたぶん中学生ぐらいだったと思うんですけど、その時に夜呼び出し電話でトキワ荘まで行って、そこに呼び出し電話で迎えに行ったりしたことはあります。
【武井さん】まだ他の何人かの先生はあの…
【小出さん】いやいやもうその時は、もう昭和37年までしかトキワ荘の先生方は住んでなかったんで、最初旗印的なものを作ろうということで。
【武井さん】「トキワ荘があった街」というので街を活性化していこうというふうに伺ってますけど。
【小出さん】解体されてもう30年近く経ってたんですよ。もうトキワ荘がここにあったっていう事実すら知らない人のほうがだんだん増えてきちゃって。これだけマンガが世界的なものになった原点がここにあるということを知ってもらいたいじゃないですか。それで街が活性化すれば少しでも。昔のにぎわいまでは戻らなくても…少しはね良くなるんじゃないかという気持ちももちろんあったんですけど。
 
【武井さん】でもこの先生たちがまだ下積みでトキワ荘で頑張っている頃っていうのは、この商店会も結構にぎわいがあったっていう。
【小出さん】この表の今トキワ荘通りって勝手につけちゃってますけど、この道が両方通行だったんです、昭和46年まで。で両方通行でしかもバスも両方通行で。そのバスがすれ違ってそんな危険な通りなのに、もうすごいにぎわいで。
【武井さん】夕方はお買い物のお客さんでごった返したという。車が通るのが通りづらいという。
【小出さん】まあだからそういう土地柄だったんでトキワ荘もあったっていうふうに僕は考えたいんですけど。
 
(写真撮影にて)
【小出さん】口角上げないと。自然に上がらないんですよ。
【武井さん】あんなに撮るんですか…?
【小出さん】使うのは1枚ですから(笑)