■白山通り(国道17号線)
(白山通りを歩きながら)
【尾崎和子さん】この幅が本来完成する幅で…。
【秋山信行さん】17号線、白山通りとしての拡幅された場所で、駅前だけは駅前広場が整備される頃にこの広さになったんですね。明治通りの場所から都電のところまでが1期工事ですね。それが20年前に終わったくらいですかね。
【尾崎さん】そうですね。
【秋山さん】それで2期工事が20年前くらいに始まって、まだ続いていて、終わりかかってるってくらいですか、今。
【スタッフ】会をお作りになったのは何年くらい前なんですか。
【尾崎さん】1期工事が終わりかかって、そして2期の方も大分買収が進んでるねっていうようなところから。新しく道路ができるけども、どういう歩道が欲しいかとか、どういう様なまちづくりにしたいねっていうことを語り合おうっていうことになって、それで始めました。
【秋山さん】歩道の方を考えたいんですよね?
【尾崎さん】ええ。それに、学校に通っていた頃は都電が通っていたのですけれども、その時はもちろん2車線しか無かったのですけれどもね。車道の片側、とっても車道が混んでいたのですけれども、今はかなり車が減っています。だから、車のことをああだこうだ考えないで、やっぱり人間優先でいかないといけない。ね?
【秋山さん】はい。昭和20年代にこの街路樹が植えられたんでしょうから、70年近くは街路樹が立ってるわけでしょ。樹形をきちんと守るように、歩道と自転車道の真ん中にプラタナスの大きいものが残ってくれれば良いなって言って……。
【尾崎さん】(街路樹を指しながら)植わっていたのを移植したんですね。移植したプラタナスと、それからツツジと、トキワマンサク?
【秋山さん】トキワマンサクですね。春、薄紫の花が咲きますね。まだ残ってるのかな? ちょこっと。
【尾崎さん】このへんね。
【秋山さん】これがシラカシですけど、国道の管理として落葉樹ではなく常緑の木を街路樹として植えるように、裁判事で決まったようですね。いつも常緑で、樹木から供給される酸素を……。
【尾崎さん】葉っぱが落ちないのが良いってことで? 落葉しない(常緑樹を)。で、これに今後は変えるんです。もしプラタナスが枯れちゃったら、次はこういうの(シラカシの木)を植えて。
【秋山さん】これ常緑ですね。
(土管の前で)
【秋山さん】これ(土管)でした?
【尾崎さん】これ、こういうので……。
【秋山さん】これ(土管)にセメントのモルタルを塗って、それにタイルを貼って、目地をきちっとやって、あの形(歩道沿いのモニュメント)になったんですね。
【尾崎さん】歩道を考える会でみんなが、なじみのある歩道にしたいってことで、ある方がモニュメントを作ったら良いっておっしゃって。小学校の生徒さんに作ってもらったら良いって声が上がって、小学校の方にお伺いして図工の先生に声をかけたらば、なぜかその先生がうちにいらして、残ってた土管……もうほとんど使ってないのですけれども、これを見て「あ、これ使いたい」と仰ったんですね。朝日小(への道を)指差しをしてて。こっちですって。まあそこから入って行くと朝日通りになるので、朝日小学校への案内になります。
■豊島区立仰高小学校
(校門の前で)
【尾崎さん】すごいですね、創立140周年。
【秋山さん】はい。
【尾崎さん】豊島区で一番古い。
【秋山さん】もうちょっといってるんじゃないかな? 43年とか、45年とか。
【スタッフ】(その時は周年の行事とか何かされたのですか?)
【塚本貞司さん】ええ、一応出席はしました。もう、ちょっと忘れましたけど。
【秋山さん】僕は90周年の時だから50年前に。
【塚本さん】ていうのは昔、1年間だけなんですけどちょっと会長をやらされたもんですから。いまだにお声がかかるんですけども。
【尾崎さん】PTA会長さん?
【塚本さん】はい。いやもう、商店街でたらい回しで。
【秋山さん】3年前に建築家協会で空間ワークショプってのをやって。1m80cmとか90cm、それから45cmくらいの桟木といいますか、棒で。輪ゴムで留めてフレームを作ってお家を作るという空間ワークショップをここでやりました。自分たちの秘密基地とかですね、そういうのを。それから建物のフレームをどう組み上げていけば屋根の形ができるかとか、そういうようなことを勉強する会ですね。
【塚本さん】昔の遊び場っていうと、みんな近所の友達の家へ上がり込んで遊ぶ。お互いにね。そういうことをやっていまして。今の子どもたちの遊び方とだいぶ違う。
【秋山さん】(小学生の頃に描いた絵を見せながら)仰高小学校の1年1組のこういう者で、秋の写生の会で。ここのちょっと先に、こういう緑があって紅葉してる一軒家があったんですね。洋館が。ここも巣鴨として本当に珍しい、緑がきちっと残されていて、仰高小学校にとっては楽しい空間でした。
■中山道
(アーケードを歩きながら)
【尾崎さん】あそこに「すがも駅前太陽光発電所」って書いてある。あの部分は、アーケードじゃなくても取り付けても良いって許可が出て繋がったって。
【秋山さん】四本足で区道へ入っていくところでしょ。そこにも屋根が架けられるようになって。
【尾崎さん】で、繋がったってことね。
【秋山さん】それまではアーケードがあったんですけど、ソーラーパネルを設置して良いよというのが許可されて、そのすぐ1年後くらいに地球温暖化を考える会か何かで表彰されてますからね。平成20年かな。出看板があるけど、あれも電気供給してるでしょ。
【尾崎さん】ああ……なんかマークがついてる。
【秋山さん】鰻屋さん、それと昭美堂さん。それからPARISさん。太陽から得たエネルギーを預けておいて夜、使うんだと思います。
【塚本さん】(ソーラーアーケードの表示を見ながら)「アーケード上のソーラーパネルで発電しています」。ただいまの……10キロくらいですかね。刻々と変わってるんですね。
【秋山さん】1541。今月、もっと雲がなくなるとこれ(数値)が大きくなるんでしょうね。あ、9に上がった。10にはいくと思いますよ。
(巣鴨地蔵通商店街を歩きながら)
【秋山さん】おばあちゃんの原宿って名づけられて以来、何年経っているんでしょうね。川添登さんっていう建築評論家の方がいらっしゃって、この街の造り方がどうなっているかっていうと、こういう衣料品屋さん、赤パンツとか。それから、お年寄り向きのお店が多いので、おばあちゃんの原宿。
【尾崎さん】若い人には原宿の竹下通りが人気だけども、ここはお年寄りの原宿、竹下通りみたいなもの。
【塚本さん】本当をいうと、もうちょっとこう……お年寄りが休めるね、ベンチだとかいろいろ本当は置きたいんでしょうけども。なかなか道路に置くのは難しいので……。
【秋山さん】車の通行止めになった時間帯だけ、置かせていただいているようなことがありますね。
■巣鴨地域文化創造館
【尾崎さん】こんにちは。
【片倉恵美子さん】こんにちは。どうしても巣鴨っていうと千石あたりの菊が有名なんですけれど、巣鴨庚申塚はさくらそうで。「まだ起きぬ 巣鴨を通る 桜草」。江戸時代の句なんですけれども、朝早く、まだ寝静まっている巣鴨の街を通り抜けてこの中山道を通って、この江戸の市中へさくらそう売りが通っていったっていう句なんですけれども。で、あそこにある半胴甕(はんどうがめ)っていう甕がそうなんですけれども、さくらそうの鉢なんですね。この辺の通りを掘ると鉢がたくさん出てきて、それで郷土資料館なんかにも保存しているんですけどね。味噌とか梅干しの鉢をくりぬいて、さくらそうの鉢に使ってたらしいんですけど、それが半胴甕として遺跡から出てきているんですね。
【尾崎さん】なんかこの地域でも、さくらそうをお家でいっぱい育てている方がいらして。
【片倉さん】そうですね。今こんな花ですけど、まだ葉っぱになってしまっていますけど、この5月の連休にはたくさん飾ってます。やっぱりさくらそうは育てるのが難しくて、それで園芸のお店でも売ってないですからね。やっぱり篤志家の方が育てて、生きながらえているという感じなんで…。もう綺麗なんですけどね。
【尾崎さん】ですね。花の形も違うし、色も違うし。とても素敵な名前もついているし。
【片倉さん】そうなんですよ。もう江戸時代には鉢としてさかんだったみたいで、浮世絵にもずいぶん残ったりしてるんですけどね。
【秋山さん】「巣鴨庚申塚左右 この辺り植木屋…」。
【片倉さん】「植木屋多し」っていうんですよね。「または農家にても作れるなり こは生業(なりわい)となすゆえなり」。だから、ちょっと園芸用とね。どうしても北区は浮間が有名ですけどね。巣鴨はなかなか有名じゃないんですけど、この中山道を通っていったっていうのが、我々にとっては面白いなと思って。
■朝日ほのぼのランド
【尾崎さん】こんにちは。ほのぼのランドを見せていただきに参りました。
【管理人さん】はいどうぞ。
【尾崎さん】今ホタルが飛んでますかね? 夜になったら。
【管理人さん】ええ。今は何にもないんですけれど。
【尾崎さん】ええ、日中はですね。
【管理人さん】これからですね、夜になるとホタルが出るんですよ。はいどうぞ、見て行ってください。
【秋山さん】お邪魔します。
【尾崎さん】(池の前で)鳥がいっぱいいるみたい。子どもたちが稲を育てるってことがあったんですけれども、バケツに植えて。稲が育つ風景を見せてあげたいっていうこの地域の方の考えでもって、こういう農園を作ったんですね。
【秋山さん】それと、カワニナがいるという。あ、いそうだな。井戸水でホタルの幼虫を育てて、夜になるとホタルが、今は出てくるわけですね。5、6年前に一度、「歩道を考える会」の会議が終わった後にここにきて……。
【尾崎さん】ホタル見ましたね。
【秋山さん】うん。夜、ホタル見ましたね。
【尾崎さん】やっぱり感激でしたろうね。この街中で……。
【秋山さん】街中でホタルが飛ぶっていうのはね。そういう自然があるほのぼのランド。名前もいいですね。
【尾崎さん】いい名前ですね。
■旧谷戸川
(染井霊園の周囲を歩きながら)
【秋山さん】ここで通りがこう下がって行って、一番低くなっているところに川が流れていたんです。それが谷戸川。それが谷田川に。谷田橋がありますから。そこらへんは谷田川だし。その先は藍染川っていう名前です。
【尾崎さん】でもすごい太い木ですもんね、桜もね。
【秋山さん】この……谷田川の川沿いなんです。その土手の桜です。
【尾崎さん】ああ、これが土手になるわけですね。
【秋山さん】谷田川っていうのが湧き水としてあったわけですので、やっぱり高台だったわけですよね。
豊島区も高台の街だから、川筋に沿って発展しているのではなくて、尾根筋の街道に沿って発展していった街だなと。今、自転車が来ているあたりに長池っていう湧き水の池があって、明治時代の地図ですと湿地になってる。円になってるんですね。この先に芥川龍之介さんのお墓、それから谷崎潤一郎さんのお墓。
【尾崎さん】(案内地図を指しながら)ここに慈眼寺って。この方たちが眠ってらっしゃいますって。
【秋山さん】そうですね、ええ。実際にもう駒込に入っちゃうんですけど。その辺りは、お庭があって木が植わってお家があるっていう、そういうような、いまだにこの雰囲気を残した街並みが続いています。
(あれが)本妙寺で…慈眼寺の鬼瓦が見えますね。あの慈眼寺までが巣鴨です。巣鴨五丁目。やっぱり大きな街で、いまだに(昔ながらの街並みが)残ってます。それと西巣鴨っていうところはまた明治通りまで続いてますんで。巣鴨というところは…私の故郷ですけれども。故郷っていうか、育ったところですけれども……ありがたいところです。
【スタッフ】ありがとうございました。
【尾崎さん】どうもありがとうございました。お世話様でした。