■林英子(はやしひでこ)さんインタビュー
令和3(2021)年5月31日、14時30分~16時30分、林英子さんのご自宅にて
【吉田いち子さん(以下、吉田さん)】お生まれは栃木ですよね。
【林英子さん(以下、林さん)】はい。長女なんです。
【根岸豊さん(以下、根岸さん)】栃木のどの辺ですか?
【林さん】栃木市ですね。
【吉田さん】ご実家は農家を営まれてるんですよね。
【林さん】今でも専業農家です。弟がトマトとかお米とか作ってて、妹は近くにお嫁に行ってます。
【吉田さん】お花とか花卉(かき)はもともとお好きで?
【林さん】はい。お花は母も大好きで、もう庭じゅう花でいっぱいでした。バラもありましたし。こちらにお嫁に来てからは、お庭もないわけだから……。でも、こちらで育ててるうちにお父さん(夫の洋さん)のほうが上手になっちゃって、今は菊づくりがすごい上手。それから、お店(林精肉店)の前にはユリが並んでます。
【吉田さん】花屋さんみたいにね。
【林さん】秋になったら菊がたくさん咲くので、天祖神社に持って行ったり、商店街にも持って行ったり。(洋さんは)私よりも花に詳しくなっちゃった。(冊子を見せながら)この比嘉(照夫)先生っていうEM菌を作った先生がバラを見に来てくれて、「ここはバラにパワーがあるよ」って言ってくれたんですよ。
【根岸さん】みなさんにパワーがあるんじゃなくて、花にパワーがあるってことか。
【林さん】みなさんにも多分、おばさんパワーがあるんでしょうね(笑)。花のパワーもあると思いますよ。
【吉田さん】話が飛んじゃってすみません。栃木でお生まれになって、お見合い結婚なんですよね。
【林さん】お見合いなんです。東京に来るとは夢にも思ってなくて。縁って不思議ですね。
【吉田さん】お見合い結婚をして、東京に出て来られたんですね。
【林さん】そうなんです。実家で牛をいっぱい飼ってたんです。それが縁で。
【根岸さん】ああ、お肉屋さん(の縁)で?
【林さん】そう。その間に入ってくれるいいおじさんがいて。
【吉田さん】ご結婚されてから、結婚生活は大塚の地でってこと?
【林さん】そうです。最初にお義父さんが亡くなって、次にひいおばあちゃん、ひいおじいちゃんが亡くなって。この間お義母さんが亡くなりました。
【吉田さん】お嫁に来られたときの大塚のイメージってどんなでした?
【林さん】田舎でしたよ。駅も田舎の駅みたいでね。だから、こんなきれいになるとは思わなかったです。思わなかったっていうか、その頃は想像できなかった。
【吉田さん】都電は走ってたんですね?
【林さん】走ってました。だけど、線路沿いに雑木がいっぱい植わってて、駅前はゴミもいっぱいあって。今は各自、家の近くでゴミを捨てますけど、当時は都電の近くにゴミを出す場所があったんですよね。だから、通勤途中に捨てていく人もいたし、いつもすごく汚かったです。うちに来て、「あそこ汚いから掃除しときなさいよ」って言っていく人もいました。
【吉田さん】ここの商店街はそんなに変わってないですね。路地とか道の形がね。
【林さん】そうです。
【吉田さん】たしか映画館もあったような気が……。
【林さん】映画館ありましたね。お嫁に来たときにね。その頃、寄席はなかったですけど映画館がありましたね。私がお嫁に来て、もう42年ぐらいなるのかな。今は(地価が)だいぶ高くなりましたね。なんでこんなに高いの?っていうぐらいに。
【根岸さん】北口は再開発がだいぶ進んでますもんね。
【林さん】そうですね。きれいになってますよね。
【吉田さん】びっくりするぐらい変わっちゃった。
【林さん】だからこのバラも、いい町になれば生き残れるだろうなと思ってます。
【吉田さん】都電の軌道は変わってないですか?
【林さん】軌道は変わらない。
【吉田さん】変わらないからバラもそのままなんですね。
【林さん】そうです。もっとバラが増えるかもしれない。
【根岸さん】バラが咲いてるところは都道? 区道?
【林さん】区道です。
【根岸さん】じゃあ、活動しやすいね。
【林さん】この前、駅ビルのアトレからバラを頂いたんですよ。大塚駅にお花を飾ってるんですね。駅ビルの社長さんに「(処分する予定の)バラ頂けませんかね」って言ったら、「いいよ」って。それで今日、取りに行ったんです。今度、軌道のところに植えよう。いいバラなんです。今度はアジサイなんだけど、「アジサイいる?」って言われたから、「アジサイもいる」って答えた(笑)。
【根岸さん】処分しちゃうより地元で活かしたほうがいいよね。
【林さん】すごくいいのが入るんですよ。
【根岸さん】でも、(駅ビルも)それを重視してるんですよね。地域との連携をね。
【林さん】そうですね。すごくいいかたなんです。よくお父さんのところへ来てくれて話をしたりとか、寄付してくれたりとか。お父さんの顔でもらってます(笑)。
【スタッフ】(夫の洋さんは)商店街の会長さんをされてるんですよね。
【林さん】そうなんです。そういうので結構、利用してる部分があるかな(笑)。
【スタッフ】あと、お祭りの実行委員会も。
【林さん】ええ、(東京大塚)阿波おどりの。「もう辞めたら」って言ってるんですけどね。
【根岸さん】ご主人が(実行委員を)やってるの?
【林さん】そう。次にやってくれる人がなかなかいないんですよね。もう年なんだから、本当は辞めてもらったほうがいいんですけどね。ずっと元気でいないとだから、体に気をつけるために月曜日も休みにしてます。「とりあえず生き残ろうね。町が変わるのを見届けようね」って言ってます。だから、無理はさせないように。
(資料を見せながら)バラの銅板のエリア表示は娘が切り絵で作ったんです。その頃、お金がなくて発注できなかったの。そしたら、それを見てたお父さんが「できる!」って、切り絵をやりだした。そしたら、お父さんのほうがすごいのを作りだして、切り絵作家みたいになってます。
【吉田さん】器用でいらっしゃるのね。
【林さん】気分転換になるみたいですよ。私もまねしてやったんですけど、全然できない。集中すると目がけいれんしちゃう(笑)。娘は美大での専攻は評論だったから、(切り絵は)全然専門じゃないんです。今でも絵は好きですけどね。
(大塚)バラまつりのときにはお茶会をしたんですね。招待した人たちにお茶を入れてあげたら、すごく喜ばれましたね。お茶の先生が2人、全面協力してくれたんですよ。今は、コロナだからできないしね……。オリンピックがあって、お茶会とかが盛大に行われるはずだったのにね。
【吉田さん】大塚への愛が深いですよね。
【林さんん】大塚が好きだからじゃないですかね。ただ住んでるだけじゃなくて、こういう活動をしてると好きになりますよ、町って。大塚って、イベントなんかも手作りなんですよね。「自分たちで」っていうのがいいんです。
【吉田さん】今日(大塚に)来てびっくりしたのが、昭和のレトロな喫茶店がギョーザ屋かなんかになってません? ギョーザ専門店。昭和のそのものって喫茶店があったんですよ。
【林さん】中国人のかたがやってますね。
【根岸さん】本屋もあったけど、みんななくなっちゃいましたね。
【林さん】大松堂(書店)さんがありますよね。
【根岸さん】2軒ありましたよね。
【林さん】なくなりましたね。変わりますね、町って。
【根岸さん】ここの裏側(天祖神社の付近)、すごい住宅街になってますよね。マンションもいっぱい増えて。駅の乗り降りも結構、多いんじゃないのかな、大塚って。住んでる人が多いですね。ワンルームも増えました。ワンルーム税って税金を取ってるね。
【林さん】ワンルームはすごく増えましたね。
【スタッフ】もなかが売ってるお店とか弓具のお店とか、昔から残ってるお店もありますよね。
【吉田さん】弓具とかもなかのお店は昔から、お嫁に来られたときから?
【林さん】ありました。柏屋さんもあったし、桃太郎さんも。アズマヤさんって靴屋さんがあったんですけど、97年に辞めましたね。あと3年で100年だったのに。みんな年でね。だから建物も古いし、人も古くなっちゃったんですよ。本当に今、安全な町に変えないと、地震が来たときに困るから。
【吉田さん】それはありますね。
【林さん】そう。何が怖いって、地震が来たときですね。うちの隣のお茶屋さんの壁が、何年か前に「バーン」って落ちちゃったんです。壁って寒いと膨張するんですね。それで壁が落ちて、慌てて塗ったんですけどね。そんなところ、いっぱいあると思いますよ。
うちの店に入る路地のところでは、千成もなかのお店と小金屋寿司が長いんですね。あそこの通りはみんな仲良しなんです。何かつくったらあげたりとかしてますよ。
【吉田さん】小金屋寿司は店主さんが伊藤栄洪先生の教え子。
【林さん】1人で頑張ってますよ。1人だからいいんですよね。
お嫁に来たときは若かったですからね。無我夢中でやってきて、本当にあっという間に過ぎちゃいましたね。お葬式を何回もやって、その間に子どもができて。思い返すと本当に早かった。
【吉田さん】大切ですよね、大家族ってね。
【林さん】お嫁に来た頃は、ひいおじいちゃんとひいおばあちゃんは江古田にいたから一緒には暮らしてないんですけど、お義母さんがいらして。途中からぼけちゃって、お父さん(夫の洋さん)が一生懸命に面倒見て。施設に3年入って、93歳で亡くなりました。すごくよく面倒見てましたね。近くの施設を探して週に3回ぐらい行ってあげて。でも、そのうちわかんなくなっちゃったんです、お父さん(息子)であることが。
【吉田さん】うちの姑もそうでした。最後は息子の顔もわからない。
【林さん】よく面倒を見たなと思うから、悔いはないんじゃないですかね。すごい一生懸命やってたから。パパはお骨を持って泣いてましたね。ずっと一緒に過ごしてきたから。だから、お父さんが生きがいのある生活をしないとね。今、日曜日はほとんど別に暮らしてますけどね。帰ってくるのは夜8時、9時。屋上で菊を育てたり、それぞれ自分の好きなことしてますね。いいんじゃないですか、別行動で。
【根岸さん】でも、これから若い人は違うから。もう、「嫁ぐ」とかそういう言葉はないから。今は「結婚」だから。
【林さん】いや。でも、「嫁いで」来ましたね。最初はわけがわかんなくてね……。でも、(夫が)いい人だったので、巡り合わせって不思議だなと思って。いろいろ大変だったけど、いい人だったのでよかった。私は義母も大好きだったんですね。
【根岸さん】子どもは娘さんだけなんですか?
【林さん】息子がいます。息子はサラリーマンで、一生懸命働いてます。娘は店の経営とか、宅建(宅地建物取引士)を取って、うちのいろんなことやってくれたりしてます。
【吉田さん】頼もしい。
【林さん】そうなんです。頼もしいんですよ。全部任せてます。彼女はいま全部、把握してるんじゃないのかな。
【吉田さん】素晴らしいですよ、親孝行ですよ。
【林さん】ありがたいですよ。(娘が)バラのお勉強したほうがいいよねっていうんで、「武蔵野バラ会」にも入りました。尾久から大塚に来た人が入会して、いまはそのかたがバラの先生になってます。(娘も)その方と一緒に。でも、お嫁には行ってほしい。
【根岸さん】音楽祭もやりましたよね。
【林さん】ちょうど5月のバラが咲いてる時期に音楽祭を「トランパル(TRAMパル大塚、大塚駅南口駅前広場)」でやってね。素敵ですよ。……今はこんな時期だから何もできてなくてね。今はみなさん、本当に大変。音楽やってる人も大変だし、お店やってる人も大変だし。
【吉田さん】早く戻ってほしいですね。商店街の中でも、コロナで商売をたたむところも出てます?
【林さん】そうですね。
【根岸さん】ライブハウスでも結構あるんですよね。それがきついみたいね、大塚は。
【吉田さん】よくテレビ出てる映画館も。折戸通りあたりの。
【根岸さん】小さい映画館?
【吉田さん】そう。
【林さん】劇場みたいなところ、ありますね。折戸通りをまっすぐ行くと、左側に。文京高校の前あたりかな? ちっちゃいところね。
【吉田さん】最近テレビによく出てるんです。休業宣言されてどうのこうのって。きれいな、小さな映画館です。しょっちゅう通ってるところだからびっくりしましたよ。地下アイドルかなんかのイベントとかやってる、すごい人気の劇場。あと、大塚は外国人に人気のトップだっていいますね。フランスの学校ができたからね。
【根岸さん)】バラの活動の概要をお話しいただければなと。簡単な沿革とか。
【林さん】グリーンフェスタ(「グリーンアートフェスタinすがも・おおつか」)っていうのが最初だったんです。
【根岸さん】何年でした?
【林さん】あれは何年だったんでしょうね……。
【根岸さん】(資料を見ながら)2006年ですね。
【林さん】はい、巣鴨と大塚でやりました。1回目は天祖神社で、菊だったんですね。巣鴨の菊を借りてきて。2回目は駅前に、花壇を。(写真を見せながら)駅前なんです、これ。すごい汚かったんですよ。で、天祖神社はこんな感じだったんです。だから駅前に花壇を入れようっていう話になった。当時はこういう大きな柿の木もあって、頭がぶつかったりとかしてね。柿の実がなると下に落ちちゃって大変だったんです。
【根岸さん】これは駅と都電の間? 線路はどのあたりですか?
【吉田さん】間ですか、それ。そんな柿の木が……。
【林さん】これは駅前です。これが本当に駅前なんです。
【根岸さん】本当に木があるのが(駅の)目の前ですね。
【林さん】そう。誰が植えたかわかんないんですけど、こんな柿の木があったんです。花壇にするにあたって、最初はここの持ち主がわかんなかったんで、調べたら、JRの土地だった。そして、風が強い日に柿の木が倒れたんです。それで、JRが朝、さあーっと片づけてくれたんです。それからみんなで掘り起こして。天地返しっていうんですか、下の土を上に持ってきて、こういう花壇を作ったんです。
【根岸さん】(写真を見ながら)これがグリーンフェスタか。
【林さん】最初はそういう感じ。グリーンフェスタでは、お酒の一升瓶とか障子とかを男の人たちが並べてくれたんです。
【根岸さん】それはある程度、区役所が絡んでたんですか?
【林さん】区は絡んでないです。補助金はおりましたけど。
【根岸さん】基本的には地元の人たちがやった? 商店街とか?
【林さん】そう。商店街です。3つの商店街の若い人たちで。
【根岸さん】昔は毎月、駅前に天祖神社の縁日があったんですよね。7の日だったかな。
【林さん】そうです。でも、その縁日の軍資金はテキヤさんに流れるんですって。それで、警察から「大塚は(縁日を)やめましょう」ってことで、やめたんですね。だから、大塚はそういうのに全然、絡んでないっていうか。
【根岸さん】テキヤさんが絡んでないんですね。
【林さん】そうなんです。だからここは地元と警察とみんな仲良しなんですよ。北口の商栄会とかいろんな商店街がね。いつ頃からでしょうね。駅の通路が変わって(北口と南口が行き来できるようになって)からですよね。みんな仲良しになった。
【吉田さん】昔、通れなかったですもんね。
【林さん】そうです。今はいろんなイベントも一緒にやるし、本当に仲良しなんですよ。
【根岸さん】あと、この辺は花街があったからね。
【吉田さん】三業地だっけ。
【林さん】そうです。北口は今も残ってますけど。(駅前の写真を見せながら)本当にこんな感じだったんですよ。自転車がだーっと並んでて、本当に汚かったんですね。それで、私がその(撤去活動の)後を引き継いで、バラを植えました。
【根岸さん】放置自転車の撤去活動の延長線上に、これ(グリーンアートフェスタ)があった?
【林さん】いえ、そうじゃなくて、グリーンフェスタはグリーンフェスタで、豊島区の補助金が下りて、みんなでやったんです。
【吉田さん】あれは通勤、通学の自転車だったんですか?
【林さん】最初に誰かが置いたら、みんながわーっと置きだしちゃったんです。だから、通勤、通学の人もいたし、買い物の人もいた。誰かが置くと、やっぱりね。ゴミもそうですよね。誰かが捨てるとゴミが集まっちゃう。そういう人間の心理ってありますよね。
それで、(撤去活動の)次にグリーンフェスタをやって。おもに南大塚ネットワークがやったんですけど、終わってから「私がここの花壇の面倒見ますよ」っていう形になったんですね。
【根岸さん】そこがポイントだね。
【林さん】面倒を見るようになったんですね。きれいなお花を入れてみたりとか。
【吉田さん】そのときはまだ、バラではない?
【林さん】バラもありましたけど、もう本当にいろんなお花で。お父さんの育てた菊とかチューリップとか。本当にみなさんが喜んでくれて、写真も撮ってましたし、楽しかったですよ。それから、お父さんが「豊島区の賞を取ったらいいんじゃない?」って言ったんですよ。で、最初に『美しい街並み賞』(『第1回豊島・美しい街並みづくり大賞』)っていうのに応募したんです。そしたら、通りまして。賞を取ったので、次に「日本花の会」(主催の『全国花のまちづくりコンクール』)に応募したんです。(応募の条件に)何か賞を頂いたかどうかっていうのがあったのね。どこかで認めてもらっていないと、大きい賞には出せなかったみたいです。それで、それも賞を頂いた。
それから、みんなでバラを植えようっていうふうになって。ここの婦人部の人たちが屋上にバラを育ててたんですね。尾久ってすごいバラが咲いているところがあって――。
【林さん】荒川区の尾久。あそこから(大塚に)お嫁に来た人がいるんですね。その人が屋上でバラを育てて、いろんな人に育て方を教えてあげてたんです。そしたら、みんなで一緒にバラを栽培しましょう、バラだったらできるねっていうことになった。
【根岸さん】そういう意味では、荒川区は区として都電の沿線に一生懸命、バラを植えてますよね。そことの関係は?
【林さん】そことの関係はまったくないんです。尾久のバラは、1種類をわーっと植えて、またもう一種類をわーっと植えて、という感じに植えてあるんですね。その尾久からお嫁に来た人が、「香りのあるバラを植えましょう」「1株ずつでいいから、いろいろ植えたほうがいいんじゃない?」って提案して。いろんなバラが見られたらうれしいですからね。今年も見たことないバラがたくさん見られて、すごいきれいですよ。
【根岸さん】何種類でしたっけ?
【林さん】700かな。
【根岸さん】すごいな。それぞれに肥料のやり方も違うんじゃない?
【林さん】いやいや。そんなにプロフェッショナルじゃないので(笑)。
【根岸さん】バラの時期は年に2回あるから大変ですよね。
【林さん】尾久のほうはすごいんですよ。区が主導してやってるんですよ。
【根岸さん】そこが今回の(話の)ポイントだね。
【林さん】ここは本当に、肥料代とか持ち出しというか。
【スタッフ】バラには風が大事だっておっしゃってましたね。
【林さん】風は大事。人間もそうです。風。空気が流れないとね。都電が走って風が吹くからいいんです。
都電沿線にまだなにもない頃に、「ここが全部バラになったら素敵だよね」って、風が強い日に城所(信英)さんと話してたら、城所さんが「できるよ」って言ったんですね。それから城所さんが(南大塚都電沿線)協議会をつくってくれた。そういう順番だったんです。私たちにはそういうのはできないので、城所さんがやってくれた。
【吉田さん】城所さんはそういうの得意だからね。
【林さん】そう、得意。それで、協議会をつくってくれて、流れができたんですね。高橋部長さんも全面的に協力してくれて、4年計画でやりましょうって言われたんです。5年計画だったかな? 5年計画だと、「ヨーイドン」ですぐにやらないと立ち消えちゃいますよね。だから一気にやった。バラを植える前に、大きな木を切ったんです。「多分、切ると怒られるよ」っていうことで、みんなが目を覚ます前、朝早くに(木を)切っちゃおうということになった。(事前に知られて)怒られたら切れないから。で、切ったらやっぱり怒られました(笑)。謝りました(笑)。でも、そうしないとできないので。
【根岸さん】それで、全部バラにしたんですか。
【林さん】ええ。ムクゲだったか、酔芙蓉だったか、大きな木があったんです。
【根岸さん】ああ、そのときだったんだ。
【林さん】謝りました(笑)。
【吉田さん】そうなのよ。思いが入っちゃうと怒られちゃうから。
【林さん】でも、しょうがないと思って。怒られてもいいから、とりあえず切っちゃおうって。じゃないと始まんないから。
【根岸さん】そういう決断がたいしたもんだね。
【林さん】そもそも都電はそのかたのものじゃないけど、それを言っちゃうとけんかになっちゃうので、謝るしかない。そういうことも引っくるめて、覚悟決めてやってたんでしょうね。若かったからだろうけど。
【根岸さん】それを役所がやると大変なんだよ。だから、住民がやるっていうのが絶対大事。
【吉田さん】役所だったら大変なことになっちゃうね。
【林さん】とにかくいっぱい怒られました。
【根岸さん】そういう意味では、イニシアチブを取ってやってくれたんだ。
僕の隠れたテーマとしては、女性がどうやって踏ん張って活動していけるか、男に従わずに動いていけるかっていうのがあって。先ほど、城所さんのリーダーシップのお話がありましたが、それをうまく使われてやったのかもしんないけど。
【林さん】「すごいね」って言うのがいいですね。決め文句は「すごいね」。
【吉田さん】「さしすせそ」ですよね。「〈さ〉は〈さすが〉」とかね。
【林さん】よくお父さんにも言います。「お父さんがいないとこれは絶対できないよ」とか(笑)。
【根岸さん】そういうことか。
【林さん】一緒に区役所に行って区長さんにもお願いしたりとかもしてるし、みんなでサンモールの緑のジャンパーを着てお願いに行ったりとかしてます。
【根岸さん】男をうまく使ってるんだな。
【林さん】使ってるんじゃなくて――。
【吉田さん】一緒に。
【林さん】本当にそう思ってるんですよ。
だから、夢って見てるとできるんだなって、そのときに思いましたね。最初は夢だと思ってたけど、何年かたって「できるんだな」と思いましたね。
【スタッフ】バラの水やりのための設備も区に掛け合ったりされたんですよね。
【林さん】最初は近所でお水をもらってましたね。「すみません、お水をください」って言って、ペットボトルに入れて水をあげてたんですけど、こんなことしてちゃダメだなって思ったんですね。だからそれも、賞が大きかったですね。国土交通大臣賞とかもらってるので、全国的にも評価されているということを言って、そしたら「じゃあ水道を引いてあげましょう」「そこの続きもバラにしてあげましょう」ということになった。賞が大きかったと思いますね。全国的に見ても、都会でなかなかこうやって続いてるところはないから、そこを認めてくれた賞だったと思いますね。
【根岸さん】水道は両サイドに引いたんですか?
【林さん】そうです。
【根岸さん】そこは荒川区と違うところなんだ。(区が)お金でやるんじゃなくてね。地元がやっているっていうことでね。
【林さん】そうですね。それと、自転車を買い替えました。ぼろ自転車じゃもう大変なので、電動にしました。
【根岸さん】坂が結構きついですよね。
【林さん】そうなんです。自転車がいっぱい働いてくれました。
【吉田さん】バラは虫がついたりして大変ですよね。
【林さん】今年は葉っぱにハモグリガっていうのがついちゃったんです。風が吹くと、(ハモグリガが)わーっと広がっちゃうんですよ。無農薬でやってるから、どうしてもしょうがないといえばしょうがないんですけどね。葉っぱが黒くなっちゃうので、ついた葉っぱをみんな取ったの。バラが満開になる前に葉っぱを取ったから、今年は結構きれいだったと思います。
【吉田さん】本当にきれいですよ。
【根岸さん】有機肥料の作り方も結構、大変なんでしょ?
【林さん】石井さんが持ってきてくれたのでね。それほど大変でもないというか。切ったバラをもとにして肥料にしてわけてくれるんですね。
【根岸さん】石井さんって?
【林さん】公園課の石井課長さん。
【吉田さん】区もゴミを放置しちゃってたわけですね。
【林さん】前はね。バラは本当に手がかかるので。だから石井さんも今はうれしいんじゃないのかな。最初は(石井さんに)「バラは大変だよ」って反対されたんですよ。
【根岸さん】よくわかってるんだね。
【林さん】そう。よく知ってるから。だから、今ではいろんなイベントにも来てくれたりしますね。多分うれしいんだろうなと思います。石井さんが植えたタチャーナ(バラ)も生きてるから。真っ赤で立派なバラが、花束みたく咲きますよ。
【吉田さん】皇室シリーズとか有名人シリーズとか、そういうバラもある?
【林さん】皇室シリーズはあります。「ミチコ」とか「モナコ」とかいろいろありますね。最初、そういう付加価値がないといけないんじゃないのっていうことで、植えたんです。
【根岸さん】そういうものもあるんだ。(「モナコ」は)グレース・ケリー?
【林さん】グレース・ケリーもある。あとは、オールドローズみたいな、香りのバラとか。駅前のバラは本当にいいバラばかり入ってますね。あれがずっと生き残ってくれたらね。
【根岸さん】バラは、切って移植したりできるんですか?
【林さん】できますね。
【吉田さん】接ぎ木。
【林さん】接ぎ木もできるけど、結構、難しいですよね。挿し芽、挿し穂は。
【根岸さん】挿し木みたいな?
【林さん】そういうのもできますね。
【根岸さん】そういうの、退職した課長さんなんかが講座なんかでやってますよね。
【吉田さん】桜守でなく、バラ守でね。
【根岸さん】僕の『いけぶくろねっと』で3、4回、取り上げたことはあるんだ。私がやってる小さなサイトです。そこで(大塚のバラを)何回か取り上げさせてもらったんだ。
【林さん】それと、ツルバラっていうのは、ツルを切っちゃったらもう咲かないんです。だから、ツルを大事にしてぐるぐる巻いていくと咲くんですよ。それを切られちゃった。
【根岸さん】元がダメになっちゃうんですか?
【林さん】元はダメにならないけど、そのぐるぐる巻いたところにバラが咲くんです。ツルバラは、ツルを巻けないと咲かない。ボランティアの人はわからないから「このバラは切らないでください」って頼むんです。
【根岸さん】それだけ知識が蓄積されてるんだな。
【林さん】普通のバラは違うんですね。5枚葉の上で切らないと47日目に咲かない。
【根岸さん】仲間で旅行したりとか、そういう交流は結構あるんですかね?
【林さん】(山形県)村山(市)に一度みんなでバラの研修に行きましたね。
【根岸さん】何人ぐらいで行かれたんですか。
【林さん】8人ぐらいで行ったのかな。
【根岸さん】今の担い手の人ですね?
【林さん】担い手はおばさんばかりです。(資料を見せながら)ここに行って。
【吉田さん】素晴らしいですね。700種類か。
【林さん】すごいバラ園なんですよね。いろんな種類があって。
【吉田さん】林さんもお好きなのが黄色の――。
【林さん】「ピース」ね。素敵ですよ。大きく咲くんです。戦争があって、ピースが出せなかったんですけどって書いてありましたね。「平和(ピース)」という意味です。
【根岸さん】そうなんですか。紫色はサントリーが作ったとかって(資料に)書いてあるじゃない。
【林さん】そうですね。青いバラも作りたいんでしょうけど、なかなか難しいですよね。
【根岸さん】それと、今の時期は雑草がすごいでしょ。
【林さん】そうなんです。抜いても抜いてもね。下草にセダムを植えてるんですけど、全部セダムにしちゃうと草が生えないんですよ。梅雨になる前にセダムを入れようと思ってるんです。セダムもいろんな種類で実験したんですけど、虫がついちゃったり、夏に群れちゃって。ここに合ったセダムだけが生き残ってますね。
【根岸さん】セダムって雑草?
【林さん】雑草じゃないんですよ。
【吉田さん】下草。
【林さん】肥料が流れないようにする草。あとは、夏に乾燥、暑さから守ったり、冬は暖かいんです。コケのような草で、雨が大好きなので、梅雨のときにすごく増えるんですよね。
【根岸さん】他の雑草が生えるのを抑える?
【林さん】そう。だから今、セダムを増やしてるんです。買うと高いんですけど、すぐ増えるんで優れものですね。
【根岸さん】水を通して、ちゃんと下に栄養も行くんですね?
【林さん】そうです。そんなに根っこが張らないので。バラの周りにセダムを寄せておく。バラの周りは太陽の光をあてないといけないので。
【吉田さん】あと、風ね。
【根岸さん】セダムは大きくなるんですか?
【林さん】これがまたおもしろくて、条件で変わるんですね。栄養がいっぱいだとわーっと伸びすぎちゃうんですよ。栄養がないとほんのちょっとしか伸びない。
【根岸さん】バラにも栄養が必要ですよね。バランスが難しい。
【林さん】そうですね。おもしろい植物ですよ。
【根岸さん】うちも小さな庭だけど、雑草がすごいから。どうしようかなと思って。
【林さん】セダムを入れておとくと本当にいいですよ。下草って大事ですね。除草剤とか農薬を使わずに虫がつかないようにするには、ほかにはティータティータ(ティタティタ)がある。ティータティータってちっちゃいスイセンなんです。小山内(健)先生ってNHKにも出てるバラの先生が教えてくれたんですけど、ネキリムシはティータティータが嫌いなんですって。2月にはこれをいっぱい植えるので、2月の大塚はきれいなんですよ。黄色いスイセンがわーっと咲いて。
【根岸さん】バラのストリートのところ?
【林さん】そう。大変なんですよ、バラは。アブラムシもつく。アブラムシはいつもチェックしてて、見つけたらこうやって(指先で)すりつぶすんです。
【吉田さん】つぶすの?
【林さん】そう。最初につぶしちゃうと広がらないから、いつも見てないと。ちょっと出たらすぐつぶす。いつも通りがかりに見てますね。だから地元の人じゃないと無理なんですね。それから、花殻を取ったりね。取らないとまた咲かない。おもしろい植物ですよね。
【吉田さん】トゲはあるしね。
【林さん】そうなの。こないだ指が真っ赤になっちゃった。結構、痛いんですよ。お友だちは顔に刺さって腫れちゃって。痛いからバラが嫌いな人もいますよね。
【スタッフ】さきほど、エリアごとに担当者を決めて育ててらっしゃるって――。
【林さん】エリアで決めて責任を持たないと、どうしようもない。そんなに広い範囲はできないし、そのワンブースだけ責任を持ってくだされば、いつもきれいにできる。ボランティアで来てるかたは、月に1回来るだけなので。もしエリアが増えたら、また別の担当者を決めるんです。この間、入ったかたはすごく一生懸命やってくれて「今年はきれいに咲いたし、楽しかったわよ。生きがいになってる」って言ってくれたので、よかったなって思います。
【吉田さん】植物って応えてくれるからうれしいですよね。
【根岸さん】自分で担当する範囲の責任者がいて、それとボランティアとは別なんですね?
【林さん】そうです。
【根岸さん】2段階になってるってこと?
【林さん】そうです。ボランティアのかたは月1回で、来ないこともあるから。
【根岸さん】責任分野っていうのは、絶えず自分で見に行く?
【林さん】そう。花殻取ったり、アブラムシをつぶしたり。
【根岸さん】2段構えなのね。自分の区分を持ってるのは何人ぐらいいらっしゃる?
【林さん】11人ぐらいいますね。
【根岸さん】その人が自分のエリアの責任を持って。ボランティアの人は月に1回来て、それを手伝うの?
【林さん】そう。助けてくれる。
【根岸さん】そういうことか。
【スタッフ】責任者のかたもボランティアですもんね。
【根岸さん】基本はそうですよね。お金をもらってるわけじゃないですもんね。月1回のボランティアの人と、責任にずれがあるということか。
【林さん】いずれ、お金っていうか、ちょっと払いたいなっていうのもありますよね。近くでコーヒー飲めるようにしたりとか、うまい仕組みを考えて。なにかしたいなと思うんですけどね。
【根岸さん】この(南大塚バラロードの)チラシも広告をいっぱいもらって出したのかと思ったんですけど。
【林さん】広告も入ってますかね。
【吉田さん】このチラシはどこで作られたんですか?
【林さん】私たちはお金を頂いてるんです。
【根岸さん】賛助会員みたいなので?
【林さん】ボランティアっていうことで認めてもらって。
【根岸さん】どこから? (チラシに載っている)それぞれの店から?
【林さん】店じゃなくて、豊島区のボランティア何とか……。
【根岸さん】半額補助っていうやつか。
【林さん】そうです。だけど、私たち肉体労働してるのになんで半額出さなきゃいけないのっていうことで、交渉していただいて。来年からは半額出さずに、全額補助金という形になります。
【吉田さん】そうですよね……。
【林さん】そうですよ。涙が出ますよ。みんな草むしりしてるしね。
【吉田さん】下草だって取ったりするわけでしょ。
【林さん】そうなんです。膝が痛くなっちゃったりね。
【根岸さん】このチラシに名前が出てる商店からは全然もらってないんですか。
【林さん】前は頂いてたんですけど、今は(補助金を半額)もらえてるから、もらってないです。
【根岸さん】チラシに出てるお店が、いわゆるこの会のメンバーって意味?
【林さん】そうじゃないんです。バラを見たら、そこで食べていってくださいねっていう感じで載せてます。
どうして「(大塚)バラまつり」をやるかっていうと、商店にバラを置きたいんですね。そうすると、都電の線路沿いもバラがあって、店にもバラがある。小山(健)先生が一生懸命、そうやって考えてますね。
【根岸さん】小山先生って誰?
【林さん】バラの会長さん。普段は接骨院の先生なんです。最初はバラの会にいなかったんですけど、男の人がいなかったので、引き受けてくれる人を探してたら引き受けてくれて。最初はおばさんばかりで。当時はまだおねえさんだったかな。
【吉田さん】今は何名ぐらい?
【林さん】今は65名ぐらい。でも、つねに65名が出てくるわけじゃなくて――。
【根岸さん】出られる人が出るっていう感じ?
【林さん】そうです。強制力はないので。40人いたらいいぐらいですね。でもまあ、ブースごとに担当者が決まってるので、そこは責任持ってという感じです。
【根岸さん】アラトさんだったかな? 彼女、インスタグラムにばんばん写真あげてるよね。
【林さん】そういうことができるといいですよね。私にもそういう能力があるともっと違うんだろうなと思って。
【根岸さん】先ほどの話に戻っちゃうんだけど、男手がいなくたって、女性だけでやったっていいんじゃないですか?
【林さん】いやいや。肥料を持つのが大変なんですよ。あと、ゴミ出し。90リットルの(ゴミ箱)に草とかバラを入れるんですね。もう、それを持つっていうのはね……。
【吉田さん】重いですよね。
【根岸さん】そういう意味で男手が必要なんですね。
【林さん】草をむしるだけでも精いっぱいなのにね。……だけど、思いますよね。ボランティアできる人っていうのは本当に、限られてます。
【根岸さん】そういった人たちをどうやって仲間に引き入れたんですか。
【林さん】バラを育ててる人も来るし、勉強したいから来る人もいるし。あとは、大塚が好きだから。十何年も活動してて思うんですけど、育ててると町が好きになります。そこが一番、大きかったかな。
【吉田さん】なるほど。いい言葉です。
【根岸さん】僕は群馬の田舎の電気屋の息子なんですけど、店の人間が店の前の道路の半分は掃除するんです。そうやって町をきれいにするっていうのが、了解事項だった。それと似たようなことですよね、ある意味ではね。
【林さん】そうですね。それに、うれしいじゃないですか。
【根岸さん】地元の町がきれいになってね。
【林さん】5月にバラがうわーっと咲いて。夢のようですね。
【吉田さん】ほぼ1年間、咲くんですよね?
【林さん】春は爆発するんですよね。
【吉田さん】爆発?
【林さん】バラが(笑)。わーっと咲いて。本当にすごいですよね。
いろんなことを考えながらやってきましたね。ただ育ててるだけじゃなくて、賞に応募したり。入院してたときに、ただ植えてるだけだと豊島区も認めてくれないだろうし、全国の花の会なのでどうなんだろう、って考えてたんです。そのときに見てた雑誌に賞のことが書いてあって、退院したら出そうと思ったんです。
【吉田さん】積極的なんですね。
【林さん】積極的っていうか……ちょっと引く癖があるんですね。引いて見る。
【吉田さん】冷静になるという感じですか?
【林さん】どうやったらここは認められて、伸びてくんだろうなって考えたんです。それで、賞をもらったほうがいいんだって思った。だから、ちょっと引いて全体的に見るところはありますね。長女なので、ものごとを全体的に見るというか、結構いろんなこと考えますよね。
【スタッフ】前に、バラの見守り隊をつくられたんですよね。お1人暮らしの高齢者のかたがたで。先ほど、認知症予防とかおっしゃってましたけど――。
【林さん】ええ、ジャンパーを着て見守り隊が歩いたんですよ。大きなバラを取る人が結構いるんで。
【吉田さん】バラを? 抜いて取ってっちゃうの?
【林さん】最初は抜いたかたもいましたね。
【根岸さん】切って持ってっちゃうんですね?
【林さん】切って、大きな袋に入れて。バラを取られないように、見守り隊っていうのがあったんですね。(資料を見せながら)これですね。
【根岸さん】今はもうやってないんですか?
【林さん】1人を除いてみなさん亡くなっちゃって。「草むしりはできないけど、歩くのはできるから」って
やってくれてましたね。結構、楽しそうでしたよ。
【スタッフ】商店街の婦人部も関わってますか?
【林さん】6人ぐらい婦人部から来てくれてますね。
【吉田さん】いいですよね。各商店街で交流ができるっていうのは。
【林さん】そうですね。今は本当にみんなが仲良し。お父さんたちもみんな仲良しだから。今はないけど、飲み会とかすごく楽しそうですよ。そういう交流は大事ですね。ここの地元で生きていくっていうことでは。
【根岸さん】大塚は飲み屋もいっぱいあるしね。
【林さん】そう。うちのお父さんもいっぱい飲んでましたよ。今は全然、飲んでない。家で酔っ払ってますけどね。1人で飲んで、1人で酔っ払ってます(笑)。
【吉田さん】今、活動してるみなさんは割と高齢化してるんですか?
【林さん】高齢化してますね。
【吉田さん】バトンタッチしていかないと。
【林さん】バトンタッチしたいですね。ただ、なかなかボランティアできる人はね……。やっぱり肉体労働だから。
【吉田さん】肉体労働ですもんね。「きれいね」って言ってる場合じゃないぐらい大変ですよね。
【林さん】そうです。家に帰ってきたら、マッサージチェアに座ったまま3時間ぐらい動けないときがあります(笑)。
【根岸さん】それでマッサージ機があるんですね。
【林さん】いつも私が座る席です。
【吉田さん】大変ですよ、本当に。見るだけだとわからないけど。
【根岸さん】中腰になるから疲れるんだよね。どんどん勧誘していかないと。引き入れていかなきゃいけないですよね。
【林さん】そう。発信が上手にできるといいんですけどね。今度は発信ですね。
【吉田さん】SNSでね。広報の担当とか決めて。
【根岸さん】(月1度のボランティアは)何曜日でしたっけ?
【林さん】第3日曜日の9時から2時間ぐらいかな。いつ帰ってもいいんですよ。だけど、なかなかね……。
【根岸さん】今のメンバーの構成は? 年齢とか男女比とか。
【林さん】男の人が10人ぐらい、女の人が20人ちょっとかな。商店街の人とか。そういえば、前に小池(百合子)さんの秘書さんが来てくれましたね。女の人で、かっこいいかたでした。肥料なんか、さっと持つんですよ。かっこよかったですよ。
【根岸さん】いま、池袋の西口で毎週火曜日に花壇の手入れしてるグループがあるんですよね。(NPO法人)ゼファー(池袋まちづくり)っていうグループで。そこも男性が2、3名で、あとは女性が多いかな。そういうふうに月1でもコンスタントにできるといいよね。
【林さん】(参加の)付加価値として認知症になりませんよ、とかね。土をいじると認知症になりにくいとか。そういうメッセージ出すといいのかな。
【根岸さん】大塚の文化創造館(南大塚地域文化創造館)に少し引っ掛けて何かやられたらいいんじゃないですか。文化創造館でバラの育て方講座みたいなのをやっていただいて、その受講者を連れて来るとか。そういうのはどうですかね?
【林さん】いいですね。40人来れば本当に2時間で(バラの手入れが)終わりますからね。だから、みんなでやるってすごいですよね。ここのバラを大事に見守ってくれる人を探すっていうのは、本当に課題ですね。
【根岸さん】旧古河庭園も結構バラがすごいですよね。
【吉田さん】あそこはすごいですね。
【林さん】ここのバラのいいところは、触れるんですね。取っちゃいけないんですけど、触って香りを楽しめる。古河庭園は触れないですよね。大塚はいくらでも触っていいんですよ。
【根岸さん】監視員がいるわけじゃないですもんね。
【吉田さん】「バラと健康」とか「バラと認知症の予防」とかね。だって、アロマセラピーもあるし、香りって結構いいもんね。
【林さん】いいことなんですよね。付加価値としていいのかもしれない。
【根岸さん】このインタビューは、スタッフも女性ばかりなんですよ。男は僕ひとりだしね。今は、女性も支えてるばっかりなんじゃないし、そういう意味では若い女性をリクルートする方法みたいなの、どう? (林さんの)娘さんもお手伝いされてる?
【林さん】娘も手伝ってくれてるんですよ。
【根岸さん】仲間を連れて来てもらうとか……。
【林さん】若い人はなかなかね。
【吉田さん】もうちょっと若い、例えば小中学生とか何か活動できないですかね。
【林さん】いつだったかJTBが来て手伝ってくれたんですけど、切り方がわからなくて、短く切られちゃって大変なことがあった。切ればいいってもんじゃないんですよ。5枚葉の上で切らないと次の花が咲かないんです。
【吉田さん】ばしばし切っちゃったんだ。
【林さん】大変だったんです。でも生き残れましたね。結構、強いんですね。だから、ある程度バラに興味があって、ちょっとお勉強してるっていう感じの人じゃないと。
【吉田さん】今、おまつりはコロナ禍で大変で。活動を中止しなきゃいけないとか結構あるとか――。
【林さん】阿波おどりは去年も中止だったし、多分、今年も中止になるんでしょうね。無理ですよね。
【根岸さん】バラの活動のほうは大丈夫なんですか?
【林さん】みんなマスクつけて頑張ってます。
【根岸さん】密にならないから大丈夫だ。
【林さん】そう。密にならないから。草むしりとかね。
【根岸さん】相手(バラ)も生きてますもんね。
【林さん】そう。コロナの間もずっとやってましたね。
【根岸さん】大変でしょうけど、健康維持にもいいんじゃないですか。
【林さん】だいぶ年取ってきちゃったからね……。17年前は若かったんですけどね。あっという間に年って取るんですね。
【根岸さん】でも、まだまだ。僕だってもう75ですから。
【林さん】お若いです、75。あっという間ですよね。
【吉田さん】本当にびっくりするくらいあっという間です。時々、自分の年齢を忘れちゃいますよね。
【根岸さん】だけど、続けることで年を忘れるんじゃないですか?
【林さん】次を夢見てるんですね。「次って何だろう」って。この町が変わって、公園ができて、そこにきれいな――また憩えるような場所が……。それを見届けたらもういいかな。
【吉田さん】そこの広場(大塚駅南口のTRAMパル大塚)はバラを楽しむ人とか、語らいとかで利用されてて。
【林さん】そこの広場すごいですよ。朝からずっと年配のかたたちが座ってますね。おうちにいられないのか、よくわかんないですけど(笑)。ラジオ体操もしてますね。いいことですよね。
【吉田さん】そういう人たちの憩いの場でもいいですよね。行く場所がない人のね。
【林さん】そう、憩いの場ですよね。あの場所はいい場所だと思います。そこでコミュニケーションとれる人もいるし。私なんかは座ったことないですけどね、いつも作業ばっかりで(笑)。だから、年取ったらいい場所ですよね。
【根岸さん】バラの話に戻って。今後はどうですか。どういうふうに続けようかとか。若い人をどうやってリクルートするか。
【林さん】そこですね。このあともずっときれいに咲かせたいから。どうやったらバトンタッチできるかですね。本当に、いつまでもできるわけじゃないので。
【吉田さん】観光のために来られる方もいるんですか? 観光というか、バラを見に来る人。
【林さん】来ますよ、お花の好きな人。ご夫婦とか、若い人たちとか。年配のかたはすごくいいカメラ持って来ますね。いい写真撮るんだろうなと思って見ています。
【根岸さん】こういうパンフを取りやすいところに置いとくのはどう?
【林さん】できたばかりでまだ置いてないですね。
【根岸さん】バラの手入れするときはこういう服(揃いのジャンパー)を着てやってらっしゃるんですか。
【林さん】そうです。背中のところに都電のマークがついている。バラの手入れのときは、これを着てないとまずいですね。冬のジャンパーもあるんです。
【根岸さん】そうすると、一体感ありますもんね。
【林さん】着ないで切ってると、まずいので。
【根岸さん】そういうことか。泥棒になっちゃうと。
【林さん】そうなんです。
【根岸さん】自分たちでお作りになったんですか。
【林さん】そうです。最初はジャンパーもなくて。あそこに申し込んだんですよね。何だっけな……。
【根岸さん】補助金をもらうときに?
【林さん】補助金もらうときじゃなくて、何だっけな……。申し込んだらジャンパーをくれるっていうのがあったんですよね。それで90枚くれたのかな。最初はその緑のジャンパーを。(資料を見ながら)あ、ここだ。ここがジャンパーをくださった。
【根岸さん】道路整備公社。東京都の?
【林さん】そう。前は東京都が少しあの道路に関係してたんですね。それで申し込んで。今はまったく関係ないですけど。
【根岸さん】今は区道だから。
【林さん】はい。今でも機関誌を送ってきたりはしますけどね。
【根岸さん】イチョウのマークがあるところは都道で、区道はそういうのはないんだよね。
オリンピックのときにスポンサーつけるような感じで、スポンサーを募るのはどう? 「名前つけるから、いい服を作りませんか」っていうの、どうですか。若い人たちも着てると楽しくなるような。
【吉田さん】写真コンテストとかもおもしろいですよね。
【林さん】フォトコンテストはやってる。いい写真がいっぱい出ますよ。
【根岸さん】どこで飾ってる?
【林さん】南大塚ホールです。あとは区役所に持って行きますね。
【根岸さん】JRの施設の中には?
【林さん】ああ、駅ビルはいいですよね。
【根岸さん】駅ビルにもう少し協力してくれって言ったらどうですかね。
【林さん】今度、言ってみます。
【根岸さん】改札を出たところの正面に貼ればね。
【林さん】都電側に行くところがありますね、昔から。今のじゃなくて、古いほう。あそこに都電のヒストリーが書いてあるんですよ。
【根岸さん】ああいうところに貼るとかね。昔のまつりのポスターも貼ってましたよね?
【林さん】阿波おどり。
【根岸さん】ああいうところにコンスタントに貼ってくれればね。地図があって、ここにはどういうバラがあるとかわかれば。
【林さん】いずれそういうのも作っていきたいなと思います。
【根岸さん】そうすれば、ちょっと歩いていただいてサンシャインにも行けますよって、歩いてもらえる。ちょうどいい距離なんだよね、サンシャイン。南池袋公園もできたし。
【林さん】いい公園ができましたよね。
【吉田さん】始めてから17年たちました?
【林さん】私が50歳からやりだしたので、16年ですね。今年で17年。家族も総動員ですからね。それは商店会長っていうのもあるからなのかもしれないけど。本当に、商売してるんだか何してるんだかわかんないです(笑)。いろんな相談が来たりとか、警察が来たりとか、役所が来たりとか。認知症の人も来ますしね。いろんな人が来るんですよ。それをわーって片づけていかないと。だからいつも忙しいですね。商売だけしてたら楽なんですけどね。
【根岸さん】町のお肉屋さんなんだよね。昔はいっぱいあったけど、いまはなくなってるからね。
【林さん】コロッケは星野リゾートさんが宣伝してくれてね。今度、大塚に『アド街ック』(『出没!アド街ック天国』)が来るんです。コロナでみんな遠くに行けないし、近場でやってるんじゃないんですか。
【吉田さん】城所さん、出るんじゃない?
【林さん】どうでしょう、わからないです。
【根岸さん】僕なんかは、さっきも言ったコロッケを買って食べながら帰るとか、そういうのが記憶としてあるから。そういう風景が変わってほしくないっていうか……。
【林さん】私も、いまでもコロッケ食べておいしいって思うときがありますけど、変わるんですよ。すべてのことは変わる。
【根岸さん】ノスタルジーはダメか(笑)。
【林さん】ノスタルジーはダメです。「この路地がいいんだよね」とか「この商店街がいいんだよ」とかって言うけど、変わるんですよ。変わっていって、いいふうに変わっていけばいいと思います。
【根岸さん】この前たまたま西武園の特集をテレビで見たんです。新しくなった西武園の。昭和のレトロな商店街が新しくできてね。古い昭和の町なんですよね。いいなと思った。そういうのがなくなっちゃうのは寂しいなと。
【林さん】寂しいけど、変わるものなんですよ。すべては変わってく。安全、安心が大事。ビルが、外壁が落ちないのが大事。本当、怖いですよ、大塚って。雨漏りもしてるし。
【根岸さん】バラの通りはこれからも変わらない?
【林さん】そう。そのためにも頑張りたいなと思う。
【吉田さん】都電は絶対なくしてほしくないし。
【林さん】ここの財産になってますよね。
【根岸さん】地域の財産ですね。そこを手伝う人をどうやって確保するか。先ほど言った、いろんなアイデアでぜひ続けてほしいなと思いますけどね。
【林さん】考えていかないと。課題ですね。
【根岸さん】ちょっといいですか。バラまつりでバラを頒布してますよね。それは誰がされてるんですか?
【林さん】茨城にあるバラの農場に朝、買いに行くんですよ、先生が。ワゴン車を借りてね。そのバラを持ってきてTRAMパルで頒布するんです。最後にやったときはあっという間に売れちゃいましたね。
【根岸さん】どのぐらい?
【林さん】そんなにいっぱいじゃない。100ぐらいかな。200ぐらいかな。
【根岸さん】買って行くのはどういう人が多いですか?
【林さん】地元の人ですね。
【根岸さん】そういう人が手伝いませんかね?
【林さん】ダメ。ボランティアっていうのは本当に、なかなかできないですね。
【根岸さん】そういうのがきっかけで、「おたくで育てて寄付してくれませんか」っていうのは――?
【林さん】いやいや。本当にびっくりしますよ。
【吉田さん】本当にボランティアではね……。
【林さん】そうなんですよ。時々、自分の世界と世の中が違いすぎてびっくりするときがあります。
【根岸さん】あと、今はやりのクラウドファンディングでね。
【吉田さん】私もそれ思った。バラの製品を作るとか、グッズとかでしょ。
【林さん】この間、北海道から来てる私より2つ年上のかたが、「一緒にやらせてください」って言って来てくれて。すごく丁寧に草むしりしてましたね。びっくりした。そういう人もいるんだなと思って。
【吉田さん】それは素晴らしい。でも、歩きながら香りを楽しんで認知症予防とかできそうだし、いいですよね。
【林さん】みなさんにバラの香りをかいでいただきたいっていうのはあります。本当にいろんな香りがあるので、自分の好きな香りを探してね。匂わないのもありますけど。
【根岸さん】あるんですか。
【林さん】いい香りだ、あなたはかわいいわねって言ってます(笑)。
【根岸さん】香りコンテストもあったっていいんじゃない。
先ほど言った池袋西口の人たち――ゼファーはある程度、券を配るんですよ。そのグループの人が東松山で百姓をやってて、余ったじゃがいもとか大根とかをそのチケットで交換するんです。
【林さん】いいですよね。そういうのができるとまた楽しいですよね。
【根岸さん】ある意味で地域通貨みたいなもんですよね。誰かそういう人がいて協力してもらえればいいんだけどな。ゼファーでもじゃがいもや大根が余っちゃうんだって。
【林さん】そういうのができたらいいなと考えてますけど。
【吉田さん】(野菜の)形が悪くたっていいよね。破棄しちゃうのはもったいないわよね。
【根岸さん】1回(ボランティアに)来るとチケットを1枚くれるようなんですよ。秋と、大根の季節に配る。地域通貨ね。
【林さん】いいですね。そうするとまた違うかもしれない。
【吉田さん】ローズマネーとかいって。
【根岸さん】香水とか作ればいいんじゃないですか?
【林さん】若いかたが、バラで起業をしたんですって。無農薬で、食べられるバラ。何億って稼いでるみたいですよ。バラでフランス料理とか、お料理がつくれる。
【吉田さん】イランだっけ。あの辺はバラのジャムとか多いですよね。ポプリをつくってお風呂に入れたり。
【林さん】そうやって何か考えなきゃいけませんね。
【根岸さん】ぜひ。勝手に適当なことを言いましてすみません。
【吉田さん】そういうの考えるの楽しいですよね。
【林さん】ボケないように考えたいです。お父さんといろんな話をしてるんだけど、町がいいように変わって、バラが残れば一番だねって。
【根岸さん】大塚台に機関車があるんだっけ? それとバラと関連づけてイベントとかね。
【林さん】山形の村山市から来たピンクのバラがそこにあったんですけど、元気なくなっちゃって。今、掘り起こしてもらって面倒を見てもらってます。今度、向こう側の下りたところのハーブのそばに植えましょうって言ってて。大塚商人まつりにバラが縁になって村山市が来るんです。姉妹都市だということで前に視察に行ったんですよ。
【吉田さん】イケ・サンパークのほうにも今度、植えてくんですかね?
【林さん】それはわかりません。私たちの管轄ではないし、もうこれ以上、私たちは増やせないし。
【根岸さん】パンクしちゃうね、増え過ぎちゃうとね。
【林さん】もう、本当に精いっぱいですね。(写真を見せながら)これが村山のピンクのバラ。村山はこれでジャム作ったりとかしてる。
【吉田さん】きれい。プリントでこんなきれいだったら。
【根岸さん】本当だ。
【スタッフ】一重なんですね。花びらが重なってないですね。
【林さん】そうなんです。
【吉田さん】うちで咲いているカクテルに似てます。今年は狂ったように咲いてるんですよ。発色がダメな年もあるんですけど、今年はきれいなんですよ。
【林さん】今年は花がいいですよね。花は元気。
【スタッフ】秋は10月に咲くんですよね? 同じような感じですか?
【林さん】秋バラが咲きますね。ちょっと数が少なくなるけど、色がちょっと濃くなるんです。春だけ咲くのと四季咲きとあるので数が少し減るんです。オールドローズは一季咲きが多いのかな。私の担当分です。
【吉田さん】林さんがお好きなバラはいつ咲く?
【林さん】ピースというバラ。四季咲きなんで、ずっと咲きます。冬も咲くんですよ。担当はオールドローズと、今、咲き伸びたところもやってます。お店から通るところなので。だからよくアブラムシを見てます。最初にやっつけると大丈夫(笑)。本当ですよ。
【根岸さん】ほかに昆虫はつく?
【林さん】花を食べちゃう虫とか、いろんなのがいますよ。でもしょうがないですよね。バラ園じゃないから。そこを勘違いしちゃうとね。バラ園だと、入場料を払って商売にしてますからね。だから、私たちのできる精いっぱいのことをやって、あとはごめんなさいっていう。
【根岸さん】虫も共存ですよね。
【林さん】そうです。だから結構、多様性になってるみたいですよ。ウシガエルもいたりとかね。草取ってたらおっきなカエルがいました。
【根岸さん】電車に乗って来るのかな(笑)。
【林さん】おっきなトンボもいたんです。何とかトンボ。
【根岸さん】オニヤンマ?
【林さん】そう、オニヤンマもいたんですよ。
【根岸さん】どこかに池がありましたっけ?
【林さん】池はないんですけどね。大きかったですよ。
【吉田さん】今どき、いないもん。オニヤンマなんて。本当にすごいことですよ。
【林さん】自然が結構あるみたい。
【根岸さん】学校のプールがあるからトンボが来るのかな。生物多様性か。
【吉田さん】そうよ、本当に。
バラのソムリエとか、そういう資格みたいなのはある?
【林さん】あります。試験があるんですよね。小山内(健)さんは最初わかんなかったんですよ、あのバラがドイツのタチャーナっていうことが。(わかるようになってから)切って持って行って、「これは何ていうバラですか?」って聞いたらちゃんと教えてくれて。葉っぱとお花でわかるみたいですね。何十年も前に植えた真っ赤なバラが何のバラかわからないってことがあったんですけど。
【吉田さん】すごいですよね。ごみとか捨てられてたところで生き残ってたっていうのが。真っ赤に咲いてね。
【根岸さん】たいしたもんだね。
【林さん】タチャーナも喜んでるんじゃないのかな(笑)。本当に、花束みたいに咲くんですよ。
【スタッフ】放置自転車でワーストワン、ツーを誇ってた大塚が(笑)。
【根岸さん】大塚はそうだったからね。
【吉田さん】昔の大塚駅はびっくりするぐらいの放置自転車でね。
【林さん】きれいになりましたよね。これからも、もっときれいになりますよ。
(了)