本日、昭和六十二年第一回区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位には何かとご多忙の中にもかかわらず、ご出席を賜り、深く感謝申し上げる次第でございます。
この際、昭和六十二年度の予算、その他の案件をご提案申し上げるに当たりまして、一般会計予算案の概略について、ご説明申し上げますとともに、あわせて所信の一端を申し述べたいと存ずる次第でございます。
本年は、地方自治法が施行されて四十周年に当たる記念すべき年であります。この間、豊島区政は、区議会を初め、区民の方々のご指導、ご協力を得ながら、幾多の試練に耐え、区民に最も身近な自治体として、着実に充実し、区民の信頼に応え得るものになったと、確信をしている次第であります。
特に、昭和四十七年に策定いたしました豊島区再開発基本計画、昭和五十六年三月に議決されました豊島区基本構想に基づく豊島区基本計画による計画行政の推進は、区民福祉の向上に大きく寄与していると信じるものでございます。
しかしながら、高齢化社会の到来、情報化社会の進展、住民意識の多様化など、社会情勢の変化に加え、税制の改正、円高の一層の激化など、区政を取り巻く内外の変動は、昨年にも増して厳しいものであると考えております。
まず、政府が昨年十二月に決定した国の予算編成の基礎となる「昭和六十二年度の経済見通し」をみますと、経済成長率は名目で四・六%程度、実質では三・五%程度と、前年度に比べそれぞれ〇・五ポイント低く予測がなされており、国の昭和六十二年度予算案は、財政再建と行政改革を至上課題として、国債費、地方交付税を除いたいわゆる一般歳出は、前年度に比べて八億円減という、五年連続マイナスの超緊縮予算となっているのでございます。
また地方自治体の財政運営の指針である昭和六十二年度の地方財政計画では、昭和六十一年度における国庫補助負担率の引き下げに加え、新たな国庫補助負担率の引き下げによる地方財政への影響額など、約二兆三千七百五十八億円の財源不足が見込まれ、これに対する措置として、地方たばこ消費税の税率引き上げ措置の継続、地方交付税の増額及び建設地方債の増発等によるほか、税制改正に伴う地方税の減収分については、利子課税の見直し、売上譲与税の創設などにより補てんすることとなっておりますが、対前年度比は二・九%の増と、前年度の四・六%に比べ厳しい計画になっているのでございます。
昭和六十二年度の予算編成に当たりましては、このような内外の厳しい財政環境を初め、後ほど申し上げます昭和六十二年度都区財政調整方針を十分に考慮しつつ、予算編成に臨んだのでございます。
本区の区政運営の基本は、「みんなできづく生活文化都市」を目指した豊島区基本構想及び基本計画を着実に推進していくことにあります。その実現に向けて、昭和六十一年二月に策定した第四次実施計画につきまして、その後の社会経済の変化に対応して、事業ごとに緊急性、重要性、実現性等の観点から改めて検討を加えるとともに、目標の設定が可能で計画的に推進する必要がある新たな事業につきましてもあわせて検討し、第五次実施計画を策定をいたしたのでございます。
その内容を申し上げますと、計画期間は昭和六十二年度から六十四年度までの三カ年であり、その総事業数は五十七、総額は、約三百六億四千六百万円となっており、このうち六十二年度の計画事業数は五十一、その額は、百四億六千三百万円となっておるのでございます。
このたびの予算編成に当たりましては、これを完全に予算化し、区民福祉の向上と計画的行政の推進に努めた次第でございます。
次に、昭和六十二年度の予算編成の前提である昭和六十二年度都区財政調整の概要につきまして、主な改正点を中心に申し上げたいと存じます。
基準財政収入額につきましては、前年度と基本的に同一の方針でございますが、現在、国政レベルにおいて議論されている昭和六十二年度税制改正に伴う税目の改廃及び各税目の算定方法に基づいた措置がなされておりますが、売上譲与税及び利子課税交付金は計上されていないのでございます。
また、基準財政需要額につきましては、従来からの懸案事項でありました校舎改築経費の単位費用化を行うことになったほか、特別養護老人ホームの管理運営費、土地取引適正化条例施行経費等、六項目が新たに算入されますとともに、公園事業量の充実、道路改良実施率の改定など、拡充が図られたのでございます。
さらに、先ほど申し上げました国庫補助負担率の削減につきましては、その影響額約三億一千二百万円を事業費に算入いたしましたほか、国民健康保険事業会計への繰出金につきましては、昭和六十一年度の方針で定めましたとおり、六十二年度におきましては、特別区の負担として財源不足額の八分の五から八分の六に引き上げて、算入をいたしたものであります。
また、人件費につきましては、昭和六十一年度のベースアップ率二・二七%の平年度分のほか、六十二年度の給与改善費といたしまして、一%が見込まれているのでございます。
以上、昭和六十二年度の都区財政調整における主要な項目について申し上げましたが、フレーム全体の基準財政収入額は、六千四百五十九億五千七百万円となり、対前年度比では五・九%と前年度の伸びよりも二・八ポイント低くなっているのでございます。
一方、基準財政需要額は、一兆八百三十三億九千万円となり、対前年度比では五・七%と、前年度の伸びに比べ二・四ポイント低くなっております。
その結果、調整交付金は四千六百四億五千六百万円となり、対前年度比では五・二%と、前年度の伸びに比べ二・一ポイント低くなっているのであります。
以上のように、都区財政調整制度につきましては、年々改善に努めてまいりましたが、今後とも社会経済の反映に努めるとともに、現在進められております都区制度改革の動向を踏まえまして、基礎的自治体としての自治権の拡充と財政自治権の確立に向けて、引き続き努力を重ねてまいることが必要であると存じておるのでございます。
次に、昭和六十二年度一般会計予算の概略についてご説明を申し上げます。
予算総額は、約五百八十一億四千五百万円でありまして、前年度当初と比較いたしますと、約二十三億八千三百万円の増で、伸び率では四・三%と、前年度の七・八%より三・五ポイント低い伸びとなっております。
まず、歳入でございますが、財源別構成比を見ますと、一般財源が七一・八%、特定財源が二八・二%となっており、対前年度比では一般財源が六・二%の増、特定財源は〇・二%の減となっております。
一般財源のうち、その大宗を占める特別区税につきましては、先に申し上げましたように、税制改正が国政レベルで論議をされているところであり、地方財政計画、都区財政調整においては、その動向を踏まえ、算定がなされているのでありますが、本区におきましては、住民税の減税が行われる場合、歳入欠陥が生じ、将来の行財政運営に問題を残すことから、これを見込んで計上いたしたわけでございます。
しかし、電気税、ガス税につきましては、今回の売上税の新設に疑問を持ち、世論の動向を踏まえ、従来どおりの方法で積算をいたしますとともに、特別区たばこ消費税につきましては、特例措置等の延長を見込んで計上し、合計約二百三十三億八千七百万円と、対前年度比では四・七%の伸びとなっているのでございます。
次に、構成比の高い財政調整交付金でありますが、先ほどご説明を申し上げました昭和六十二年度の都区財政調整に基づき推計いたしました本区の想定財調に基づき、約百六十億八千七百万円を計上し、対前年度比では九・八%の伸びとなっております。
次に、財政調整基金からの繰入金といたしまして、十億七千万円を計上いたしましたが、その内訳は、教育文化施設分七億九千万円、特別養護老人ホーム分八千万円、コミュニティ施設分二億円となっております。
このほか、主な歳入項目といたしましては、地方譲与税約三億四千万円、自動車取得税交付金約六億八千七百万円、交通安全対策特別交付金約七千二百万円等をそれぞれ国及び都の動向を踏まえて計上をいたした次第でございます。
また、特定財源のうちの特別区債につきましては、十三億一千百万円を計上しておりますが、その内訳は、教育文化施設に充当する額五億三千二百万円、道路新設改良に充当する額二億三千万円、自転車駐車場建設に充当する額二億二千三百万円、特別養護老人ホーム、児童館、老人いこい室等の建設に充当する額三億二千六百万円となっております。
なお、用地の先行取得につきましては、今定例会にご提案を申し上げております土地開発公社の設立に伴い、同公社におきまして葬祭場、児童館、公園、児童遊園用地を取得することにいたしておるのでございます。
このほか、国庫支出金約五十九億八千万円、都支出金約二十億九千四百万円等の各項目につきましては、実績に基づいて計上をいたしたのでございます。
次に、歳出でありますが、経費別内訳を見ますと、構成比では、人件費が二九%と前年度に比べ〇・三ポイント、事業費は六〇・六%と前年度に比べ三・八ポイントそれぞれ高くなっているのに対しまして、投資的経費は一〇・四%と四・一ポイント低くなっております。
まず、人件費について申し上げますと、予算人員につきましては、二千八百三十一人と前年度に比べまして三人の増となっておりますが、増減の内訳は、教育文化施設の開設、狭隘道路整備事業、住居表示の実施の準備等、新規、拡充により四十六名の増、行革関連で四十三名の減となっているのでございます。
次に、投資的経費の主な内訳でありますが、第三年次目で近く完成する教育文化施設のほか、特別養護老人ホーム、老人いこい室、デイホーム、児童館二館を建設するとともに、福祉作業所・生活実習所の設計等を実施する予定になっております。
公園・児童遊園の整備は八か所、自転車駐車場二か所、また、道路新設改良といたしまして約十億九千四百万円を計上いたしております。
義務教育関係の施設といたしましては、中学校体育館の増改築一校を予定しているのであります。
用地につきましては、居住環境整備用地一か所、東通り拡幅用地一か所を計上いたしております。
次に、基本計画に定める施設の体系の順序に従いまして、新規・拡充事業を中心にして、主要な事業についてご説明を申し上げます。
第一の柱は「文化をはぐくむまち」文化・教育の振興であります。
まず、昭和六十年度に着工いたしました千登世橋の教育文化施設の建設工事につきましては、昭和六十二年十月の開館に向けて、本区における総合的教育文化のセンターにふさわしい、充実した内容の施設となるよう、四月から開設の準備に入ることになっております。
地域文化に関する事業につきましては、記録映画「豊島の風土を訪ねて」の高田編が本年度完成いたしますので、引き続き、長崎編に着手をすることにいたしております。
また、既に復旧工事の完了した雑司が谷旧宣教師館につきましては、六十二年度は庭園の整備を行い、地域の郷土資料の展示施設としてのあり方について検討を進める考えであります。
学校教育についてでありますが、まず施設整備については、雑司が谷中学校体育館の増改築を図るとともに、校舎及び体育館のアルミサッシ化、体育館の改修、教室内部改修等に重点を置いたところであります。
また、年次計画による全中学校の机、椅子の整備は、昭和六十二年度に第一学年分を実施することにより終了するなど、教育環境の整備に留意をしたところであります。
さらに、私立幼稚園児及び外国人学校児童生徒の保護者助成金につきましても、増額に努めたのであります。
ところで、昭和六十年に設置した婦人問題懇話会の審議も深まり、昭和六十二年秋には婦人の地位向上を図るための基本的なあり方について提言がなされる予定であります。
本区といたしましては、この提言を尊重し、「豊島区婦人行動計画」を策定することになっているのでございます。
また、かねてから要望されておりました区民保養所の拡充につきましては、昭和六十二年四月から、南熱川及び鬼怒川にも借り上げ保養施設を開設することといたしております。
姉妹都市交流事業につきましては、好評の交流事業四件、すなわち「民宿利用助成」、「スポーツ・リクリェーション親善交流」、「秩父の自然と文化を訪ねて」、「秩父市親善学校交流」に加え、新たに吹奏楽団や絵画グループなどによる「姉妹都市文化交流」を事業化いたした次第でございます。
次に、第二の柱である「生活を尊重するまち」すなわち福祉・保健の向上に関する主な施策を申し上げます。
まず、懸案でありました区民葬祭場建設のための用地取得につきましては、昭和六十二年度において、土地開発公社が用地を取得し、六十三年度に建設を行う計画となっております。
老人福祉対策といたしましては、急速な高齢化の進行に対応すべく、新たな重点施策といたしまして、昭和六十四年度の開設を目指して特別養護老人ホームの建設費の初年度分を計上いたしますとともに、先般着工したデイホームにつきましては昭和六十二年度中に完成をさせることにしております。
また、お年寄りの憩いと生きがいの場としての老人いこい室につきましては、教育総合研究室の移転後の用地に、二カ年計画で児童館と合築する計画であります。
その結果、計画目標十六カ所に対しまして十四カ所目になるのでございます。
さらに、高齢者のニーズを的確に把握し、行政施策に反映するため「老人意向調査」を実施いたしますとともに「紙おむつ支給事業」を開始することにいたしたのでございます。
そのほか、「寝たきり老人入浴サービス」、「緊急通報システム」、「老人福祉電話」、「自動消化装置」等の施策につきましても充実に努めた次第であります。また「老人福祉手当」につきましては、本年十月より増額いたしまして、一層の拡充を図るものでございます。
次に、児童福祉対策について申し上げますと、昭和六十二年度には高田児童館の移転改築が完成いたしますが、さらに、教育総合研究室跡地の児童館建設に着手をいたしますとともに、長崎小学校区域に用地を取得する予定になっているのでございます。
その結果、計画目標二十九館に対しまして、二十三館が具体化することになるのでございます。
また、区立保育園二十四園におきまして、段階的に保育月齢を引き下げる「零歳児保育の充実」を実施しておりますが、昭和六十二年度は、そのうちの四園において、産休明け保育を実施するとともに、さらに昭和六十三年度に四園の産休明け保育実施に向けての施設整備を行うことにしておるのでございます。
次に、障害者の福祉向上を目指す施策でございますが、既存の施設が定員超過となり、強く要望されている福祉作業所・生活実習所につきましては、本年度、駒込四丁目の林野庁宿舎用地を取得することといたしており、昭和六十二年度には設計委託を行い、昭和六十三年度着工を目指しているのであります。
この間、超過する対象者につきましては、千川こどもの家廃止後の施設に手を加え、暫定的に活用することといたしておるのでございます。
また、障害者に最新の福祉情報を提供し、生活の利便と社会参加の増大を図るため「福祉テレホンサービス」を開始するほか「手話通訳者派遣」、「心身障害者福祉電話」、「身体障害者機能回復助成」などについても拡充を図り、「心身障害者福祉手当」、「難病患者福祉手当」等の諸手当につきましても増額に努めた次第であります。
次に、保健対策でございますが、従来、自己検診講習会で対応していた乳がん対策に加え、新たに「乳がん検診」を実施いたしますとともに、「結核・感染症サーベイランス事業」を開始することにいたしております。
また、「機能訓練」、「訪問看護指導」につきましては、それぞれ拡充を図るとともに、「民間精神障害者施設運営助成」には、対象施設を新たに加えるなど、それぞれ拡充に努めるものでございます。
続いて、第三の柱「活力のあるまち」すなわち地域経済の振興にかかる施策について申し上げます。昭和六十年度に巣鴨地区で行った「大型店の影響と商店街振興調査」を長崎地区において行うことにより「商業活動調整事業の充実」を図ることにしておるのでございます。
また、魅力ある商店街づくりのため実施しております「モデル商店街づくり」の事業といたしましては、昭和六十一年度中に近代化整備事業の完成する染井銀座商店街及び補助七十八号駅街路四号につきましてコミュニティ活動事業補助を行うとともに、先般、モデルとして指定いたしました平和通りの基本計画作成補助等を行うことにしておるのでございます。
さらに、「商店街協同施設整備事業」として、池袋駅西口の谷原通り及び池袋駅東口美観商店街のカラー舗装等につきまして助成することとしておるのでございます。
次に、消費者対策でありますが、昭和六十二年度は、本区で消費生活展を開始して十五回目に当たるのでございます。これを記念いたしまして、会場はデパートを借用し、開催期間も通常の三日間を六日間とした消費生活展を開催いたします。この会場におきましては、区内消費者グループの活動成果等を公開するとともに、広く区民の消費者意識の喚起を、図ることにいたしたいと考えておるのでございます。
第四の柱は、「災害につよいまち」すなわち防災対策であります。都市における「災害に強いまちづくり」の課題は、都市構造そのものの防災性を高め、地震に強い燃えない都市につくりかえることにあり、市街地の不燃化や地域特性に応じたまちづくりを進める必要がございます。
このため、広域避難場所周辺における「都市防災不燃化促進事業」の推進に努めてまいったところであります。
昭和六十二年度におきましては、雑司が谷墓地周辺地区に加えまして、地元と協議、調整を行ってまいりました立教大学周辺地区に対する事業助成を開始をいたしますとともに、建て替え助成基本額を、従来の二百二十万円から二百五十万円に引き上げ、事業の促進を図ることといたしたのでございます。
また、雑司が谷墓地への避難の流動をより高めるため、「主要防災活動路」といたしまして、買収方式による拡幅整備を行う「東通り」につきましては、昭和六十二年度から漸次、用地買収を行うことになっているのでございます。
次に、本区で指定をしております地域防災センター二十九校に標識を設置し、その位置づけと役割について、一層の周知を図ろうとするものでございます。
また、「地域防災組織の育成」につきましては、引き続き防災の集い、各種の訓練等を実施するほか、地域から要望されておりました防災訓練指導員の増員を図った次第でございます。
さらに、「消防水利の整備」といたしましては、移設後の高田三丁目児童遊園に四十トン槽を設置するとともに、小型貯水槽につきましても引き続き新設児童遊園内に設置することとしておるのでございます。
そのほか、「備蓄物資の整備」等につきましても、年々その充実に努めてきているところであります。
第五の柱は、「うるおいのあるまち」すなわち、都市整備の分野であります。まちづくり事業の推進にあたりましては、本区の地域特性である池袋を中心とした副都心地域と、その周辺の高密居住地域という異なった二つの都市機能を踏まえ、それぞれの地域が抱えている都市整備上の課題について、地域住民のまちづくりへの自発的な参加を促進しつつ、多様な手法により、長期的展望に立って、総合的に地域の整備を進めてきているところであります。
まず、都市整備事業でありますが、東池袋四・五丁目地区で進めております「居住環境総合整備事業」につきましては、昭和六十二年度から建て替え除却費助成要件を緩和し、三世帯住宅助成を適用するとともに、新たに不燃化促進事業をも対象とする「まちづくり推進建築資金あっせん制度」を導入し、建て替えの促進を図ることといたしたのでございます。
また、区といたしましては、地元住民で構成する「地区まちづくり協議会」から提言された「まちづくり計画案」を尊重し、引き続きまちづくり用地の取得、「辻広場」の計画的な設置など、今後の地区のまちづくりに活かしていくべきであると考えておるのでございます。
次に、土地区画整理事業の行われております池袋北地区内の二十五の二街区において協議が進められてまいりました「優良再開発建築物整備促進事業」について、地権者の意向がまとまり、昭和六十二年度から二カ年で建設されることになりましたので、本区の実施要綱に基づき助成をしてまいるのでございます。
また、本区内に数多く分布し、環境・防災・交通等に問題を持つ、四メートル未満の狭隘道路の整備を、段階的かつ着実に進めるため、昭和六十二年度にその準備を行うこととなっておるのでございます。
次に、公園・緑化事業についてでありますが、昭和六十二年度では、公園・児童遊園の新設四か所、拡張二か所、移設二か所について整備を行うとともに、用地取得につきましては、土地開発公社が対応することといたしておるのでございます。
緑化対策につきましては、引き続き「谷端川緑道整備」を事業化するとともに、「植樹帯の新設」、「公共・民間施設の緑化」、「保護樹木等の指定・補助」等多様な方策により、引き続きその充実に努めることにいたしておるのでございます。
また、強い要望に応え、区民農園を一か所四十区画の増設を行った次第であります。
次に、「放置自転車対策」でありますが、池袋西口地区における著しい自転車放置の状況に対する抜本的対策の一環として、西池袋公園地下と現西山児童遊園に自転車駐車場を建設いたしますとともに、これにあわせ、自転車条例を制定し、P・Rに努め、万全を期してまいることにしておるのでございます。
さらに、用地取得を弾力的かつ効率的に行うため、財団法人豊島区開発公社を解散し、新たに「公有地の拡大の推進に関する法律」に基づく土地開発公社を設立しようとするものであります。
また、広報事業といたしましては、「豊島区史(戦後編)」の発行に着手するほか、「わたしの便利帳」及び本区としては初めての「豊島区総合紹介誌」を発行いたしますとともに、四年ごとの「世論調査」を実施いたすことにしておるのでございます。
以上をもちまして、昭和六十二年度一般会計予算の概略について、ご説明を終わらせていただきたいと思う次第でございます。
この一般会計に国民健康保険事業及び老人保健医療の二特別会計を加えますと、本区の昭和六十二年度の予算総額は、約八百四十五億一千九百万円となり、前年度当初に比べ五・二%の増となったのであります。
最後に、本日ご提案を申し上げます案件は、条例二十三件、予算六件、その他二件の合わせて三十一件でありますが、各案件につきましては、後刻助役より説明をいたさせますので、よろしくご審議の上、ご協賛を賜りますよう衷心よりお願いを申し上げる次第でございます。
これをもちまして、私の招集挨拶及び所信表明を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。