昭和62年第2回区議会定例会招集あいさつ(昭和62年6月19日)

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 本日、昭和六十二年第二回区議会定例会をご招集申し上げましたところ、議員各位には何かとご多忙中にもかかわらず、ご出席を賜り、深く感謝を申し上げる次第でございます。


 先の臨時会におきましては、区議会の最高人事を含む議会構成が決定され区議会活動が新たなスタートを切られましたことに対しまして、哀心よりお慶びを申し上げます。


 本定例会は、申すまでもなく、私自身、このたびの選挙におきまして、区民の皆様から厳粛なる信託を受け、区長に就任いたしましてから初めてご招集申し上げた定例会であります。


 ここに謹んで区民を代表される区議会の皆様方に深甚なる敬意を表しますと同時に、今後における区政の執行につきまして、手厚いご指導、ご協力を賜りますよう哀心よりお願い申し上げる次第でございます。


 この際、開会にあたりまして、区政運営に対する私の所信の一端を申し述べたいと存じます。


 私は、このたびの区長選挙を通して、区内のすみずみまで東奔西走いたしまして、あらゆる階層の区民の方々に親しく接してまいったのでございますが、区長という職責に対する区民の期待がいかに大きく、また、その要求がいかに強く、かつ幅広いものであるかということを骨身に徹して体得いたし、新鮮な感動と終生忘れ得ない感銘を覚えてまいったのでございます。


 私は選挙の期間を通じ、日比区政の継承、発展を基本姿勢として打ち出してまいりました。


 日比区政とは何か、あえて集約いたしますれば、一に公平な行政、二に安定した行政、三に清潔な行政であると思うのでございます。


 私もこの三つを区政運営の基本的な理念として守りつつ、さらに二十一世紀に向けて、時代を先取りした、より風通しのよい、より区民に開かれた行政を進めてまいりたいと考えております。


 そもそも、自治体の行政はいかにあるべきか、区長は区民のために何をなすべきか、この地方自治の原点に立ち返りまして、このたび私自身、選挙という厳粛な洗礼を受け、私の基本姿勢をより厳しく、より高い次元にまで高めなければならないと強く自覚いたした次第でございます。


 さて、本区には基本構想、基本計画という区政執行の根幹をなす規定の計画があり、私といたしましては、残された課題を的確かつ着実に実施していくことが、私に課せられた最大の責務であると考えております。


 しかしながら、基本計画策定時に比べ、社会経済情勢が大きく変化し、新たな対応を迫られている施策が各行政分野に数多く出てきているのであります。


 また、一方におきましては、都心に始まった地価高騰の波は本区にも著しい影響を与えており、商業地ばかりでなく、住宅地までこの影響が及び、最も区民要望の高い公園、児童遊園用地を初め、各種施設建設用地の取得は、財政上著しく困難の度を強めているのであります。


 このような中で、かねてより本区が要望してまいりました旧国鉄用地の払い下げにつきましては、去る五月二十日、私自身が国鉄清算事業団に赴き、改めて要望書を提出してまいったところでありますが、今後とも、当該用地の土地利用計画を明確化するなど、取得に向けて引き続き格段の努力をしてまいる所存でございます。


 最後に、本日ご提案申し上げます案件は、条例五件、契約二件、合わせて七件でありますが、後刻、日程に従いまして、各案件の所管部長よりそれぞれ説明いたさせますので、よろしくご審議の上、ご協賛賜りますようお願い申し上げる次第でございます。


 以上をもちまして、招集のご挨拶と所信の表明を終わらせていただきます。