本日、昭和六十二年第四回区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位には何かとご多忙の中にもかかわらず、ご出席を賜りまして、深く感謝申し上げる次第でございます。
さて、今回ご提案申し上げます案件のうち、認定第一号、第二号及び第三号の昭和六十一年度の一般会計並びに二特別会計歳入歳出決算につきましては、地方自治法の規定に基づきまして、過日、監査委員より審査意見書をいただきましたので、法令の定める関係書類を添えまして、ここに提出をいたした次第でございます。よろしくご審査の上、認定を賜りますようお願い申し上げます。
この際、三会計のうち、一般会計につきまして、その概要を申し上げたいと存じます。
まず、決算収支の状況を申し上げますと、歳入決算額は約六百二十五億四千四百七十四万一千円であり、その対前年度比は一四・一%の増と、昭和六十年度の対前年度伸び率を六・五ポイント上回る伸びとなっております。また、予算現額に対する収入率は、一〇一・二%となっております。
一方、歳出決算額は、約五百九十四億千五百九十四万九千円で、前年度に比べて十二・九%の伸びとなっており、昭和六十年度対前年度比七・七%に比べ五・二ポイント上回っておりまして、執行率は、九六・一%となっております。
昭和六十一年度におきましては、形式収支・実質収支とも約三十一億二千八百七十九万二千円でありまして、これから前年度実質収支約二十一億四千七百二十二万七千円を差し引いた単年度収支は、約九億八千百五十六万四千円となっております。
次に、歳入決算額の財源構成を見てみますと、一般財源が七一・〇%、特定財源二九・〇%となっており、一般財源の構成比が前年度に比べ〇・九ポイントの増となり、前年度に引き続きそのウェートを高めております。
一方、歳出決算額の内容でございますが、ご案内のとおり、昭和六十一年度の一般会計予算は、国における財政再建と行政改革を至上課題とした厳しい対応を初め、区の行財政を取り巻く依然として厳しい状況を踏まえ、経常的経費の節減合理化を前提とし、豊島区基本計画の実現に向けて第四次実施計画を策定いたし、計画事業を初めとする新規事業の創設、拡充を図りまして、区民福祉の向上と健全な財政運営に努めてまいったところでございます。
これら、区政各般にわたり実施いたしました事務事業は、別途提出しております昭和六十一年度成果報告書をご高覧いただきたく存じますが、第四次実施計画に当初計上いたしました四十九事業に補正二事業を加えた計五十一事業の決算状況について申し上げますと、第二年次目の教育文化施設の建設など施設建設事業は十五事業で、その予算現額は約九十億九千六百四万千円であり、執行率は九二・二%となっております。
また、非施設事業は、東通り拡幅事業を初め三十六事業でございまして、その予算現額は約十八億八千三万三千円、執行率九六・七%となっておりまして、その合計額では、予算現額約百九億七千六百七万四千円、執行率九二・九%となっております。
以上のように、昭和六十一年度の決算実績は、おおむね所期の成果を挙げ得たものと考えているところでございます。
次に、財政構造の弾力性を図る指標である性質別内訳を見てみますと、義務的経費即ち人件費、扶助費及び公債費の総額は、歳出決算額の四九・三%を占め、前年度より四・五ポイント低くなり。また、投資的経費は一八・三%と前年度より四・九ポイント高くなっております。これらの数値は、本区の財政構造がより健全な方向へ進んでいることを示していると思うのでございます。
また、昨今の経済動向につきましては、景気回復基調にあるとはいいながら、一層激化しております円高と雇用不安を背景として、さらには、地価の異常高騰など、依然として厳しい状況が続くものと考えられるのでございます。
従いまして、今後の経済動向を的確にとらえますとともに、低成長経済の定着、高齢化・情報化・国際化の進展、住民の価値観の多様化など、社会経済の流動化に対応した行政需要に十分留意しつつ、計画的かつ効率的な区政の推進のため、引き続き健全な財政運営を堅持し、区民の負託に積極的にこたえてまいりたいと考えております。
最後に、本日ご提案を申し上げます案件は、決算認定三件、条例三件、契約二件のあわせて八件でございますが、各案件につきましては後刻日程に従いまして、助役及び収入役より説明をいたさせますので、よろしくご審議の上、ご協賛を賜りますよう、お願いを申し上げる次第でございます。
以上をもちまして、招集の挨拶といたします。