本日、昭和六十三年第二回区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位には、何かとご多忙の中にもかかわらず、ご出席を賜り、深く感謝申し上げる次第でございます。
さきの臨時会におきましては、区議会の最高人事を含む議会構成が決定されまして、新しい議会運営の礎が築かれましたことに対し、衷心よりお喜びを申し上げる次第でございます。
この際、国政レベルの問題ではありますけれども、昨今報ぜられております税制改革について、若干申し述べさせていただきます。今回の改革は昭和二十五年のシャウプ税制以来の抜本改革と言われ、地方財政の将来にも多大の影響を及ぼすものと考えられておるにもかかわらず、現時点におきましては、国のレベルのやりとりを新聞紙上で知るのみで、大変いらだつ思いがいたす昨今でございます。
財政の諸機能のうち、税制を含め、所得再配分と経済の安定化を図る機能は、国家財政の機能とされてはおりますが、地方財政の機能である資源の再配分、すなわち公共サービスの給付なしには、地域住民の福祉の向上はあり得ないのでございまして、国家財政の機能は地方財政の充実の観点に立って考えるべきであろうと思うのでございます。
こうした立場から、区長会におきまして国に対し、税制改革の検討に当たっては、第一に、「住民税の減税等に伴う地方税等の減収に対しては、恒久的かつ完全な補てん措置を講じられたい。なお、その際、地方交付税の不交付団体の財源補てんについても十分配慮されたい。」第二に、「国・地方間の財源配分については、地方固有税源を十分に保障する見地から検討されたい。」の以上二点を要請することとし、六月二十日、区長会会長名により、大蔵大臣及び自治大臣に対し、要望書を提出したところでございます。私といたしましては、今後の国会の動きに注目をし、時期を逸することなく、区長会を通じ、必要な対応を図ってまいる所存でございます。
次に、都区制度改革につきまして、最近の状況をご報告申し上げます。
昨年六月十一日開催されました第二十一次地方制度調査会第七回総会におきまして、都区制度を含む大都市制度のあり方が審議項目として取り上げられ、小委員会を設置して十六回にわたり会議が開かれ、鋭意審議が行われてまいりました。
しかしながら、都区制度につきましては、同じく大都市制度である指定都市制度とも関連があり、これらと合わせ、我が国における大都市制度のあり方として検討せざるを得ないこと、また、大都市行政の一体性の確保と地域における自治との調和をどう考えるか等、論点が多岐にわたったため、結論が出ないまま調査会は任期満了を迎えたのでございます。
去る五月十八日の最後の総会におきまして、「次期調査会において、引き続き検討し、適切な結論が得られることを期待する。」という小委員会報告が了承され、ここに正式に都区制度等大都市制度のあり方は、第二十二次地方制度調査会に申し送られたのでございます。
このような状況を踏まえまして、去る五月の区長会総会におきまして、今後とも区議会議長会と相互に密接な連携を図りながら、より多くの区民の深いご理解と支持を得るために、あらゆる機会をとらえ働きかけるとともに、できる限り早期に地方制度調査会の答申を得るために、国等関係方面への働きかけを強化することを決定したところでございます。
また、六月の区長会総会におきまして、九月二日に日比谷公会堂を会場に、制度改革の早期実現を求める共同大会を実施するなどの、二十三区共同PR実施計画を了承したところでございます。
さて、文化の時代、国際化時代の到来と言われて久しいのでございますが、今夏、池袋を中心に繰り広げられます「東京国際演劇祭'88池袋」につきまして若干ご報告を申し上げたく存じます。
昭和五十八年の暮れに、池袋を中心に活動している演劇関係者の集まりの席上、東京都芸術文化会館の建設を期に、池袋で国際演劇祭を実施しようという話が持ち上がり、地元の団体・企業の賛同を得て、都及び区も加わり、実行委員会を結成して準備を進めてきたところでございます。
今回の演劇祭を新宿の国際音楽祭、渋谷の国際映画祭と並んで、日本を代表する三大イベントとして位置づけ、国際交流の新しい場として、街の活性化と文化都市池袋にふさわしいイメージづくりの跳躍台として今後発展させてまいりたいと考えております。
豊島区といたしましても、この演劇祭の後援者として、また、地元自治体の立場から、演劇祭に積極的に参加することを目的といたしまして、サンシャインシティに隣接する東池袋中央公園に仮設舞台を設け、日本古来の伝統芸能を「としま薪能」として、八月十三・十四日の二日間、主催公演いたします。この「としま薪能」を含む国際演劇祭が、今後、区民の共有財産として定着し、地域文化として発展していくことを念願いたしております。
最後に、本日、ご提案申し上げます案件は、条例五件、契約一件、合わせて六件でありますが、後刻、日程に従いまして助役より説明いたさせますので、よろしくご審議の上、ご協賛を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。
以上をもちまして、招集のご挨拶といたします。