昭和63年第4回区議会定例会招集あいさつ(昭和63年11月15日)

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 本日、昭和六十三年第四回区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位には何かとご多忙の中にもかかわらずご出席を賜りまして、深く感謝申し上げる次第でございます。


 さて、今回ご提案申し上げます案件のうち、認定第一号、第二号及び第三号の昭和六十二年度の一般会計並びに二特別会計歳入歳出決算につきましては、地方自治法の規定に基づきまして、過日、監査委員より審査意見書をいただきましたので、法令の定める関係書類を添えまして、ここに提出をいたした次第でございます。よろしくご審査のうえ、認定を賜りますようお願い申し上げます。


 この際、三会計のうち、一般会計につきまして、その概要を申し上げたいと存じます。


 まず、決算収支の状況を申し上げますと、歳入決算額は、約六百九十億八千三百万円であり、その対前年度比は十・五%の増となっており、予算現額に対する収入率は、百二・三%となっております。


 一方、歳出決算額は、約六百四十五億六千七百万円で、前年度に比べて八・七%の伸びとなっており、執行率は、九十五・六%でございます。


 昭和六十二年度におきましては、形式収支・実質収支とも約四十五億一千六百万円でありまして、これから前年度実質収支約三十一億二千八百万円を差し引いた単年度収支は、約十三億八千八百万円となっております。


 次に、歳入決算額の財源構成を見てみますと、一般財源は七十五・三%、特定財源は二十四・七%となっており、一般財源の構成比が前年度に比べ四・三ポイントの増となり、前年度に引き続きそのウェートを高めております。


 歳出決算額の内容についてでございますが、昭和六十二年度の一般会計予算は、区の行財政を取り巻く依然として厳しい状況を踏まえ、経常的経費の節減合理化を前提として、豊島区基本計画の実現に向け、第五次実施計画を策定いたしまして、計画事業をはじめ、新規事業の創設や拡充をはかり、区民福祉の向上と健全な財政運営に努めてまいったところでございます。


 これら、区政各般にわたって実施してまいりました事務事業の内容につきましては、別途提出しております昭和六十二年度成果報告書をご高覧いただきたく存じますが、第五次実施計画に計上いたしました五十一事業の決算状況を申し上げますと、第三年次目の教育文化施設の建設など施設建設事業は十九事業で、その予算現額は約五十億五千万円であり、執行率は九十六・一%となっております。


 また、非施設事業は、雑司が谷墓地及び立教大学周辺の都市防災不燃化促進事業をはじめ三十二事業でございまして、その予算現額は約二十三億六千六百万円、執行率は九十五・七%となっております。


 次に、財政構造の弾力性をはかる指標である性質別内訳を見てみますと、義務的経費即ち人件費、扶助費及び公債費の総額は、歳出決算額の四十六・五%を占め、前年度より二・八ポイント低くなっております。


 投資的経費は十二・三%と前年度より六・〇ポイント低くなっておりますが、この構成比の減少は、土地開発公社の設立に伴い、用地先行取得の起債が不用になったため等によるものでございます。


 以上のように、昭和六十二年度の決算実績は、おおむね所期の成果を挙げ得たものと考えております。


 昨今の経済動向は、国内需要が堅調に推移し、企業収益は増加を続け、また雇用情勢も一段と改善が進むなど、景気拡大局面がみられます反面、この動向がいつまで持続するかは、世界経済の進展ともからみ、予測しにくい現状にございます。


 従いまして、起こり得る経済変動に備え、長期的視点に立脚して、財政基盤の強化を図りつつ、社会の進展に対応した行政需要を見極め、計画的、効率的な区政を推進して、区民の負託に積極的に応えてまいりたいと考えております。


 最後に、本日ご提案を申し上げます案件は、決算認定三件、条例二件、その他一件の合わせて六件でありますが、各案件につきましては後刻日程に従いまして助役及び収入役より説明をいたさせますので、よろしくご審議のうえ、ご協賛を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。


 以上をもちまして、招集のご挨拶といたします。