本日、平成二年第二回区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位には、何かとご多忙の中にもかかわらず、ご出席を賜り、深く感謝を申し上げる次第でございます。
また、先の臨時会におきましては、区議会の最高人事を含む議会構成が円満の内に決定され、新たな議会活動がスタートいたしましたことに対し、改めて、敬意を表する次第でございます。
さて、平成二年度も、早や二箇月余り経過いたしましたが、ご案内のとおり、本年度の一般会計予算は、各行政分野のバランスと後年度負担に配慮しつつ、高齢者集合住宅の建設など高齢化対策の充実、区民芸術祭の開催など地域文化の振興及び池袋東西連絡デッキの建設など街づくりの推進を重点施策に据えて編成いたし、現在、事務事業の執行に全力を挙げて取り組んでいるところでございます。この際、それらの主な事業の一端についてその進捗状況を概略ご報告申し上げたいと存じます。まず、高齢者集合住宅の建設について申し上げます。二十一世紀の高齢社会にむけて、福祉施策の総合化・体系化を図るため、平成三年度を初年度とする十ヶ年の「豊島区高齢社会対策総合計画」を策定するため、昨年五月、設置いたしました豊島区高齢社会対策審議会で慎重にご審議をいただいておりますが、その中でも、高齢者の住宅対策は、ひとりぐらし高齢者や高齢者のみ世帯の増加、地価高騰による家賃の上昇、老朽アパートの建替え等により、高齢者の住宅確保が一層困難になるなかで、緊急かつ重要な問題となっております。
このため、総合計画の策定に先行して、本年三月、「豊島区地域高齢者住宅計画」を策定し、平成十二年度までの高齢者住宅の供給目標を定めまして、本年度を「高齢者住宅元年」と位置づけ、区内五ヶ所に、合わせて百戸の高齢者集合住宅の建設を予算化したところでございます。
区立高齢者住宅の建設は、千川二丁目地区は高齢者在宅サービスセンター及び区民集会室を、巣鴨四丁目地区は社会教育会館をそれぞれ併設し、東池袋五丁目地区は居住環境整備事業の従前居住者用住宅として建設するものでございまして、既にそれぞれ設計に入っております。
巣鴨四丁目地区と東池袋五丁目地区につきましては本年第三回定例会に、千川二丁目地区につきましては同第四回定例会にそれぞれ契約案件を提出いたすべく、作業を進めているところでございます。
長崎六丁目地区に計画しております高齢者住宅は、高齢者在宅サービスセンター及び区民集会室を併設する方針で、現在基本プランを計画中でございまして、本年度内は設計委託を、来年度に着工を予定しているところでございます。
また、民間施設借上げによる自転車駐車場と併設する要町三丁目地区の高齢者住宅は、既に本年五月に着工しており、平成三年度はじめには第一号区立住宅として入居の運びとなる予定でございます。
次に、福祉のまちづくり整備事業でございますが、昨年四月に施行いたしました福祉のまちづくり整備要綱に基づく民間施設の事前協議につきましては、既に三十五件の協議を受け、福祉環境整備に大きな効果を挙げているところでございます。
また、本年度発足いたしました福祉環境整備事業助成につきましては、多数の照会が来ておりますが、今後更に制度のPRに努めてまいりたいと考えております。
次に、回復途上にある精神障害者が、地域社会の中で社会生活に適応できるよう、日常生活の集団的な指導訓練を行うための「精神保健デイケア事業」につきましては、平成元年度実施の池袋保健所に引き続き、本年四月十一日から長崎保健所においてもスタートし、定員十五名のところ、現在の利用者は五名でございますが、さらに二・三名の方の利用が見込まれております。
次に、本年三月から利用を開始した「南池袋斉場」の利用状況でございますが、大変利用者が多く五月末までの三ヶ月間で、四十二件の実績となっております。また、施設利用者の利便に資するために斉場周辺に十四基の案内版を、入口通路の夜間の安全を図るために照明灯八基をそれぞれ近く設置する予定でございます。
次に、平成二年三月末に八十七億二千万円で買収いたしました、上池袋地区の旧国鉄用地に建設する合築施設につきましては、現在基本計画を策定中でございますが、既にご案内の第二特別養護老人ホームと高齢者在宅サービスセンターのほかに、福祉保健施設として高齢者ケアハウスや健康管理センター等を併設いたしたいと考えております
次に、池袋電車区の用地買収につきましては、国鉄清算事業団と積極的に交渉を進めてまいりましたが、去る五月二十九日に清算事業団の資産処分審議会において、豊島区に随意契約で売却することが決定いたしましたので、公園及び図書館の建設用地として、引き続き契約締結に向けて交渉してまいる所存でございます。条例をご提案いたし、本年十月初旬の供用開始を目途に工事を進めてまいる所存でございます。
次に、区民長年の待望であります、東京芸術劇場がいよいよ本年十月三十日に開設する運びとなりました。これに合わせて整備を進めてまいりました池袋西口公園の一角に建立する「平和の像」でございますが、制作が順調に進んでおりますので、八月十五日に除幕式を挙行いたしたいと考えております。なお、これに先立ち、非核都市宣言の記念日である七月二日に、「非核平和のつどい」を区民センター文化ホールで開催する予定でございます。
次に、このたび学校法人川村学園の格別なるご好意により、借用することになりました、埼玉県入間郡三芳町の同学園のグランドにつきましては、「豊島区三芳グランド」として野球場一面とテニスコート三面を、本年八月末頃から区民のご利用に供すべく整備を進めているところでございます。
次に、池袋副都心整備の重要課題であります池袋駅線路上空東西連絡デッキの整備計画に関する調査について申し上げます。庁内に検討委員会を設置して検討を進めておりますが、本年度の国の予算の成立が大変遅れましたため、本事業に係る国庫補助金の交付申請手続きができませんでした。
先般漸く国の予算が成立いたしましたので、早速申請の手続きに入ったところでございまして、この交付決定をまって、直ちに調査に着手出来ますよう諸準備を進めているところでございます。
次に、目白三丁目地区に造成を進めております日本庭園でございますが、今回、その名称を「目白庭園」として条例をご提案いたすものでございます。現在、庭園内に建設する和室は、既に内装工事に入り、庭園は池の築造と滝の石組みを行っているところでございまして、十一月初旬の供用開始を予定しております。
また、長年の懸案でございました、都市計画「千早公園」は、現在係争中の都営住宅三戸分を除く用地について、東京都建設局より無償使用許可を得られましたので、名称を「千早フラワー公園」として条例をご提案いたし、本年十月初旬の供用開始を目途に工事を進めてまいる所存でございます。
以上のとおり、主な新規事業の一端について、その進捗状況を概略ご報告申し上げましたが、今後とも、総ての事務事業について、その執行に万全を期してまいりたいと考えております。
最後に、本日ご提案申し上げます案件は、報告一件、条例六件、合わせて七件でございますが、後刻、日程に従いまして、助役より説明いたさせますので、よろしくご審議のうえ、ご協賛賜りますようお願い申し上げる次第でございます。
以上をもちまして、招集のご挨拶といたします。