本日、平成四年第一回区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位には何かとご多忙の中にもかかわりませず、ご出席を賜りまして深く感謝を申し上げる次第でございます。
この際、平成四年度の予算、その他の案件をご提案申し上げるにあたりまして、所信の一端を申し述べたいと存じます。
さて、世界情勢が歴史的転換期を迎え、先行き不透明な様相を深める中で、日本経済もまた、バブルの崩壊とともに景気の減速化が一段と色濃くなってまいりました。
去る一月二十四日、実質経済成長率三・五%を目標にした「平成四年度の経済見通し」が閣議決定され、続く月例経済報告において「日本経済はこれまでの拡大テンポが減速し、インフレなき持続可能な成長経路に移行する調整過程にある」との判断を示しているのであります。
しかし、国の平成四年度一般会計予算案は、景気停滞に伴う税収の落ち込み等、厳しい財政環境の中で、臨時増税、建設国債の増発、税外収入の拡大などにより財源を補てんし、総額で前年度比二・七%増の緊縮型予算となっております。
また、地方自治体の財政運営の指針である平成四年度の地方財政計画も四・九%の伸びにとどまり、前年度伸び率を〇・七ポイント下回っているのであります。
一方、東京都の一般会計予算案を見ますと、法人二税の大幅な減収などを起債の発行や基金の取り崩しにより賄い、対前年度比二・三%増の予算案となっております。
去る二月十三日、都区協議会において決定を見ました平成四年度都区財政調整につきましては、調整税のうち市町村民税法人分が二年連続して大きくマイナスとなり、この結果、調整三税は一・三%の増にとどまり、普通交付金も前年度に比較しわずか〇・三%の伸びとなったのであります。
このような国、地方を通して、近年にない険しい財政状況の中で、区議会各会派からそれぞれご提出いただいた予算要望書に盛り込まれている一千件を超えるご要望事項はもとより、各種の団体をはじめさまざまな場と機会において、一般区民の皆様から寄せられた切実な要求等を丹念に整理し、また声なき声にも真剣に耳を傾けつつ、全庁を挙げて本区の平成四年度予算の編成に取り組んでまいりました。
したがいまして、今回ご提案申し上げます平成四年度一般会計予算は、これまで培ってきた財政の対応能力を最大限活用して、所要財源の確保に努めますと同時に、長期的視点に立って財源の計画的かつ重点的な配分にも特段意を用いて編成いたしたものであります。
一般会計予算の総額は、一千三十一億九千三百一万八千円でありまして、前年度当初予算と比較いたしますと十二・一%の増でありますが、前年度伸び率より三・七ポイントの減となっております。
次に、一般会計予算に計上いたしました重点施策を中心に主な新規・拡充事業につきまして、概略ご説明申し上げます。
最初に、三大都市問題、すなわちごみ・住宅及び車への対応について申し上げます。
第一にごみ減量・リサイクル対策についてであります。
今日、人類の最重要課題であります地球環境問題は、この解決に向けて何をなすべきかとの模索の段階から実践へと、国際的にも新たな段階を迎えており、とりわけ大都市東京においては、行き場のないごみ処理問題への対応とともに、資源リサイクルの実効性ある施策の展開が強く求められているところであります。
ご案内のとおり、二十三特別区は、昨年十月、「ごみの減量・リサイクル推進宣言」を行い、各区の地域特性に即した諸施策を推進していくこととしたのでありますが、本区におきましては、平成三年度にいち早くこの対策を区政の緊急に対応すべき課題の一つと位置づけ、区内公共施設十三か所に空き缶回収機「空かん鳥」を設置して、スチール、アルミ缶の再資源化をはじめ、牛乳パック回収の強化、各種の啓発活動等に積極的に取り組んできたところでございます。
ことに、空かん鳥につきましては、想定回収量を大幅に上回る実績を上げ、他の自治体からも高い評価を得ているところでございます。
このような成果を踏まえ、平成四年度を本区の「リサイクル推進元年」と位置づけ、新たに区民部に「リサイクル推進課」を設け、リサイクル学校の開設等、教育・啓発活動をはじめ、実践活動の支援・育成を強化するため、ストックヤード用倉庫の設置、家庭用コンポスターの貸与を新たに実施するものであります。
さらに、資源回収実践に当たりましては、乾電池やカレットびんの回収に着手するほか、牛乳パック回収の個人受付、学校単位の空き缶回収を実施するものであります。
また、現在基本計画を策定中の(仮称)商工・消費・リサイクルセンターの設置について、基本設計・実施設計を進め、建設工事に着手したいと考えております。
この施設は、商工振興、消費者行政、リサイクル対策の各機能を統合し、地域生活を生産から販売、消費、リサイクルのトータルとしてとらえ、それぞれの情報を共有化し発信する「情報収集・発信・活用機能」を取り入れ、事業者と消費者の交流並びにネットワーク機能を備えた施設として、平成七年度の開設を目指すものであります。
次に、東京都の清掃工場建設計画に伴う調査についてであります。
昨年十月、東京都は激増するごみの適正処理を図るため、十工場の建設を内容とする清掃工場建設計画を公表いたしましたが、その中で本区内の清掃工場について、平成六年度着工、九年度竣工、十年度稼働と定めているのであります。
したがいまして、本区における清掃工場建設候補地の立地条件を生かしつつ、街づくりの視点から、清掃工場の配置や形態等、アクセス道路、周辺環境整備、施設の有効活用、さらには隣接区有地に計画している福祉保健総合施設との共存の可能性も含め、慎重かつ十分な調査を実施するものであります。
あわせてこの調査の過程において、区議会のご指導はもとより、地域の方々のご意見やご要望を踏まえつつ、東京都に対して都市型清掃工場の模範的施設として整備されるよう強く要望してまいりたいと考えております。
第二に住宅対策についてであります。
住宅は区民の健康的で文化的な生活を支える最も重要な基盤であり、街づくりやコミュニティを形成する上での基本的な要素であります。
このような視点のもとに、年々深刻化する住宅及び住環境問題に対応するための組織として、昨年四月、都市整備部に住宅対策担当課を設置する一方、学識経験者を中心とする「豊島区住宅問題検討委員会」を設け、総合的な住宅施策のあり方等について、目下幅広い見地から検討を進めているところでございます。
今後、引き続き検討を深め、本年中に住宅及び住環境の現状を明らかにする住宅白書を作成し、民間事業者を含め、広く区民の方々の住宅問題等に対する理解と協力を得てまいりたいと考えております。
さらに、長期的視点に立って住宅施策を効果的に展開するため、先の白書等を踏まえた具体的な施策を体系化する住宅マスタープランを策定し、街づくりと連動させつつ総合的かつ計画的な推進に努めてまいるものであります。
当面、平成四年度の住宅緊急対策として、引き続き高齢者住宅百戸の完成をはじめ、各種高齢者住宅施策を補充するほか、障害者世帯、ひとり親家庭の住み替え家賃等助成制度を創設いたしますとともに、住宅修築資金の融資斡旋限度額の引き上げ、償還期間の延長等の改善を図るものであります。
さらに、良質な賃貸住宅のストックと入居者の家賃負担の軽減を図ることを目的とする地域特別賃貸住宅制度を活用するための供給計画を策定し、新たな住宅供給方策を実施してまいりたいと考えております。
また、小規模都営住宅につきましては、本年度の一次分に続き二団地八十五戸を平成四年度中の移管に向けて、東京都と協議を進めているところでございます。
第三に駐車場対策についてであります。
進展するモータリゼーションのもと、今や飽和状態となった路上駐車は、都市機能を著しく低下させ、区民の日常生活にも多大な影響を及ぼすなど緊急に解決すべき極めて重要な課題となっております。
こうした事態に適切に対処するため、とりわけ緊急性の高い池袋駅周辺地域についての駐車実態調査、グリーン大通り等の道路形態、支障物件等、駐車場設置の可能性について基礎調査を進めておるところでございます。
平成四年度におきましては、この調査結果等を踏まえ、関係機関等で構成する「駐車場整備連絡協議会」を設置し、本区における駐車場整備に関するマスタープランとあわせ、池袋駅周辺地域における駐車場整備の基本方針、整備の目標年次及び目標量、設置主体等を内容とする駐車場整備計画を策定するものであります。
次に、駐車場施設をはじめ、地下空間の高度利用を図る地下利用計画についてでありますが、東京都においては、昨年十月、区部における地下空間の利用を効果的、計画的に進めていくため、地下における都市基盤施設などの公共的な施設のあり方等のガイドプランを定めたところであります。
本区における地下利用計画につきましては、このガイドプランに沿って、池袋駅を中心とする主として道路地下について、先の駐車場整備計画との整合を図りながら、駐車場、道路、鉄道、各種供給施設及び通信系施設等を対象として、これらの需要を総合的に調整し、計画的な地下空間の利用に資するため、長期的な観点に立って策定するものでありまして、この計画は東京都で策定する地下利用計画の原案となるものであります。
また、ご案内のように、緊急駐車場対策の一つとして、昨年十一月に発足した駐車場整備助成制度でありますが、この事業は東京都と特別区が共同して駐車場整備基金を創設し、民間や第三セクターの駐車場整備費についての融資斡旋、利子補助、建設費補助を内容とするものであります。
この制度により本区内におきましては、既に四か所約二百台の駐車場整備についての受付がなされているところでありまして、引き続きPR活動を強化し、事業者がこの制度を積極的に活用されるよう取り組んでまいりたいと考えております。
次に、福祉施策について申し上げます。
昨年策定いたしました高齢社会対策総合計画は二年次目を迎え、計画の着実な実現に向け各種の事業の充実に取り組んでいるところであります。
まず、高齢者住宅につきましては、要町つつじ苑十六戸に続き、アゼリア東池袋十一戸が本年四月、千川つつじ苑三十戸が本年五月に開設するのをはじめ、十月には巣鴨四丁目地区の十三戸が、年度末には長崎六丁目地区の三十戸が相次いで竣工の予定となっております。さらに、南長崎一丁目地区に用地を確保するなど、引き続き高齢者の方々に住みなれた地域で安心して暮らしていただけるよう努力をしてまいる所存でございます。
次に、第二の特別養護老人ホームを長崎四丁目地区に高齢者在宅サービスセンターと併設する八十名定員の施設として、平成六年度の開設を目途に整備してまいります。
また、高齢者在宅サービスセンターにつきましては、この計画のほか、高齢者住宅千川つつじ苑に併設の千川豊寿園が六月にオープンするのに加え、長崎六丁目地区高齢者住宅に併設するセンターも平成五年三月に竣工の予定となっておりまして、この両施設につきましては、リフトによる入浴サービスを実施することといたしております。
次に、介護サービスに従事するマンパワーの確保でございますが、現行の区民介護教室を拡充し、新たにホームヘルパー等養成講習会としてスタートさせるほか、平成三年度より他区に先駆けて実施しております介護福祉士修学奨励制度につきまして、住所要件の撤廃、貸付額のアップ、理学療法士と作業療法士を対象として加える等、本制度の拡充に努めますとともに、豊島区医師会立の看護高等専修学校に在学する看護学生を対象として、新たに授業料及び実習費の一部を助成するものであります。
次に社会福祉事業団の設立についてでありますが、この事業団は区立の入所型福祉施設を中心に受託し、施設の効果的な運営のもとに、施設機能を有機的に活用し、福祉サービスと保健サービスを総合的に提供することを目的とする社会福祉法人でありまして、平成四年度には設立準備会を設置いたしますとともに、要員の確保も含め、認可申請手続きに着手し、平成五年度の設立を目指すものであります。
また、財産保全サービス制度の創設でありますが、この制度につきましては、現在、学識経験者を中心に検討を進めておりまして、今後この検討結果をもとに、ひとりぐらし高齢者等の財産管理とともに所有する土地・建物等の資産を担保に、生活費や在宅福祉サービスの利用料等の資金を融資する制度として、本年十月実施を目途に準備を進めてまいりたいと考えております。
次に、現在、策定を進めております障害者福祉計画についてでありますが、昨年九月に実施いたしました障害者の方々の実態・意向調査を踏まえ、先般、中間報告としてまとめたところでありまして、今後、素案ができました段階で広く区民の方々に周知し、ご意見・ご要望をお聞きしますとともに、より実効性のある計画といたすべく、学識経験者等による調査研究委員会を設け、専門的視野からの補強・補完をしていただき、平成四年度中に策定する予定でございます。
次に、親なき後対策として関係者の方々の熱い期待のもとに、西池袋三丁目に建設を進めてまいりました福祉ホーム「さくらんぼ」についてでありますが、福祉作業所や生活実習所等へ通所している方々に親なき後、引き続き地域社会で自立できますよう生活の場として援護・指導を行い、あわせて緊急一時保護及び短期の自立訓練を行うものでありまして、本年四月の開設に向けて準備を進めているところであります。
次に、文化の振興について申し上げます。
本年は昭和七年十月一日、豊島区制が施行されましてから六十周年という区政史上大きな節目の年であります。
十年前の昭和五十七年に実施された五十周年記念事業先例にならい、区制施行六十周年を二十一世紀に向けて、区政の新たな展望を切り開く礎の年として、名実ともに豊島区を区民により身近な基礎的地方公共団体として強くアピールするとともに、後世に引き継ぐ各種の記念事業を実施してまいりたいと考えております。
まず、文化芸術を集大成する「としま芸術フェスティバル」でございますが、年々充実し好評を博しております「としま区民芸術祭」、池袋演劇人による「池袋演劇祭」、区内各大学をはじめ小中学生を含めた「キャンパス音楽祭」に加え、新たに目白庭園「赤鳥庵」の利用者を中心とする「目白庭園古典芸術祭」を企画し、現代文化と伝統文化が相互に広がりを持ち、連携を深めた芸術文化事業として、総合的に挙行するものであります。
また、コミュニティ振興公社の助成事業として、区民の文化交流、文化創造の拠点として多くの区民の方々に愛され親しまれてきた戦後の公会堂では都内最古の歴史を誇る豊島公会堂の建設四十周年を記念し、公会堂の四十年史を発行いたしますとともに、特別企画として、公会堂を舞台に、名優による「としま歌舞伎」のほか、「日本民族舞踊団」による日本の代表的な民俗芸能の公演を予定いたしております。
次に、本区唯一の民俗芸能であります「長崎獅子舞」につきましては、三年間にわたる詳細な学術調査が完了し、本年度末には、民俗文化財として登録を予定するものでありますが、区民共有の文化遺産として、次代にしっかりと継承していくために、小学生を対象とした獅子舞体験教室の開催やパンフレットの作成などを行ってまいりたいと考えております。
次に、「世界の昆虫館」の準備調査についてでありますが、このたび区内在住の世界的昆虫採集家より、国内はもとより主として南米アマゾン川流域等で採集した五万点にのぼる昆虫標本等を本区に提供するとの申出をいただいたところでありまして、この貴重な資料を保存し、展示する昆虫館の設置を展望し、その準備の一歩として、現況把握等基礎調査を実施するものであります。
次に、区民健康村計画についてでありますが、自由時間の増大や幅広い生涯学習活動の広がりの中で、区民が恵まれた自然に接しながら「ふるさと感」を味わい、総合的な心身の健康づくりの場として構想するものであります。
このような観点のもとに、侯補地の調査を進めてまいりましたが、五大自然を擁し、日本の原風景をとどめる山形県遊佐町を現段階における最有力候補地として、数次にわたり視察を行ってまいりましたが、平成四年度におきましてはこのような経過を踏まえ、長期的展望に立って都市と農村との結びつきを基調にした区民健康村の基本構想、基本計画を策定する一方、区民の方々に地元町民の方々との交流を深めながら、自然を肌で感じていただくため、プレ事業として小中学生の「自然体験教室」、その他の交流事業を実施するものでございます。
次に、秀山荘の改築につきましては、平成五年四月からご利用いただけるよう、着実に工事を進めているところであります。また、隣接地の用地取得が完了いたしました猪苗代青少年センターにつきましても、平成六年度の供用開始を目指し、改築に着手するものでありまして、両施設とも豊かな自然環境を十分に生かし、区民の方々の健康増進や余暇活動等、多様なニーズにお応えするものであります。
次に、図書園構想を具現化する上池袋地区図書館の建設についてでありますが、平成四年度中の竣工を目途に工事を進めており、一体的に建設を進めております公園につきましても、平成六年度の供用開始を目指すものであります。
次に、男女平等推進センターについてでありますが、昨年、公募によりまして愛称名「エポック10」とともに、シンボルマークも決定いたしまして、女性に関する諸問題の解決と男女共同社会実現を目指す情報・相談・学習・交流の拠点として、本年六月に池袋駅西口のメトロポリタンプラザビル十階に開設いたすものであります。
次に街づくりについて申し上げます。
まず、本区の街づくりのマスタープランであります地区別整備方針にもとづき、順次策定を進めております七つの課題別基本計画でありますが、昨年五月策定いたしました「副都心整備基本計画」に引き続き、現在「道路網形成」・「みどりと広場」・「アメニティの形成」の三つの基本計画の策定を進めているところでありまして、平成四年度には土地利用の適正化を図り、良好な居住環境の形成を目指す「土地利用」・「市街地更新の秩序化」の二つの基本計画の策定に着手するものであります。
また、「アメニティ形成基本計画」のもとに、公共施設、民間建物、アメニティ形成重点地区等の具体的な整備方針を内容とするガイドプランを策定いたすものでありまして、このガイドプランに沿って事業者等の理解と協力を得ながら、景観豊かなアメニティの形成を基本において、地区レベルの基盤整備状況や地区特性を踏まえた、きめ細かい街づくりを推進してまいりたいと考えております。
次に、街の魅力を高める総合サイン整備事業についてでありますが、歩行者、来訪者の案内と、街並み景観の形成の観点も含め、駅を中心とした地域の案内や重要施設の誘導サイン、史跡等の説明サイン等の総合的なサインの整備を図るものでありまして、その事業化の初年度として案内、誘導サインについては池袋駅東西を、史跡等の説明サインについては史跡ポイント百四十四か所のうち当面七か所を選定し、パイロット事業として設置するものであります。
次に、公園・児童遊園の整備でございますが、まず、歴史的文化遺産でもあります千川上水につきまして、千川児童遊園内の清流復活とあわせ千川上水公園沈澱池の復元に着手し、貴重な親水空間の創出に努めてまいるものであります。
また、千早三丁目に建設予定の公園につきましては、小鳥が訪れるような水浴び場や樹木を配し、みどりあふれるさわやかな「小鳥がさえずる公園」として整備に着手するものであります。
なお、以上の総合サイン整備事業、千川上水清流復活事業、小鳥がさえずる公園建設の三事業につきましては、区制施行六十周年記念事業に位置づけるものであります。
次に、朝夕のラッシュ時を中心に踏切遮断時間が長く、都内ワーストツーとしてその対策が急がれております西武池袋線東長崎三号踏切道でありますが、かねてより歩行者の安全確保を最優先に、改善に必要とする用地の確保に努めてまいりましたが、その見通しが立ちましたので、今後、西武鉄道と協議を行いつつ実施設計に着手し、早期に立体横断施設を設置してまいりたいと考えております。
次に、新公共施設整備中期計画の平成四年度事業について申し上げます。
ご案内のとおり計画では、平成四年度に四十四施設の建設事業を計上しておりますが、計画策定後における用地の取得状況、その他の諸条件を勘案して、計画を見直し、新規に十三施設の計画化を図り、既定十二施設を次年度以降に繰り延べ、差し引き四十五施設の建設事業に取り組むことといたしたのでございます。
新規に計画化した事業を申し上げますと、先に申し上げました長崎四丁目地区特別養護老人ホームの建設、(仮称)商工・消費・リサイクルセンターの建設、千川立体横断施設の建設、その他十施設でございます。
また、繰り延べた事業は、清掃工場建設予定地の隣接区有地に建設を予定しております福祉保健総合施設を含む十二施設でございます。
最後に、新たな基本構想及び基本計画の策定についてであります。
本区におきましては、区政を総合的、計画的に運営するための指針として、昭和五十六年三月、将来像を「みんなできずく生活文化都市としま」とする基本構想を定めますとともに、基本構想の実現に向けて、昭和五十八年度を初年度とする計画期間十か年の基本計画を策定し、計画を的確かつ着実に推進してまいったところであります。
しかし、基本構想策定後十年余を経過した今日、本区を取り巻く社会経済環境は、人口の高齢化の進展とともに、高度情報化や国際化の波が急速に地域社会に浸透し、大きく変貌してきております。
このような状況を踏まえ、来たるべき新世紀を展望し、その扉を開く新たな「基本構想」及びその構想を具現化する「基本計画」を策定するための調査に着手してまいりたいと考えております。
以上をもちまして平成四年度一般会計予算の概略につきましての説明を終わらせていただきます。
この一般会計に、国民健康保険事業会計、老人保健医療会計及び従前居住者対策会計の三特別会計を加えますと、本区の平成四年度の予算総額は、対前年度比十・〇%増の千三百三十七億二千九百四十七万九千円となったのでございます。
本日ご提案申し上げます案件は、条例二十九件、契約一件、予算七件のあわせて三十七件でございますが、各案件につきましては、後刻、助役より説明をいたさせますので、よろしくご審議の上ご協賛を賜りますようお願い申し上げる次第であります。
これをもちまして私の招集挨拶並びに所信表明を終わらせていただきます。