平成4年第4回区議会定例会招集あいさつ

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 本日ここに平成四年第四回区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位には何かとご多忙の中にもかかわりませず、ご出席を賜りまして、深く感謝を申し上げる次第でございます。


 さて、今回ご提案申し上げます案件のうち、平成三年度一般会計並びに三特別会計歳入歳出決算の認定につきましては、地方自治法の規定に基づきまして、過日、監査委員より審査意見書をいただきましたので、法令の定める関係書類を添えまして、ここに提出いたした次第でございます。よろしくご審査の上、認定を賜りますようお願い申し上げます。


 この際、平成三年度一般会計決算の概要につきまして申し上げたいと存じます。


 まず、決算収支の状況を申し上げますと、歳入決算額は千七十三億八千七百万円で、その対前年度比は一三・二%の増となっており、一方、歳出決算額は千三十七億九千四百万円で、前年度に比べ一三・九%といずれも大幅な伸びとなっております。また、予算現額に対する収入率は一〇〇・一%、執行率は九六・七%となっており、とりわけ執行率につきましては、過去最高の実績を示しております。


 形式収支は三十五億九千三百万円でありまして、これから翌年度へ繰り越すべき財源八千万円を差し引いた実質収支は三十五億一千三百万円となっております。


 次に、歳入決算額の財源構成を見てみますと、一般財源は六九・九%でございまして、前年度に比べ七・九ポイントの減となっておりますが、これは利子割交付金の大幅な減に加え、歳入の二四・一%を占める特別区財政調整交付金が、前年度額を五十億六千四百万円下回り、対前年度比一六・四%減となったことなどによるものでございます。


 歳出決算額の内容についてでございますが、平成三年度の一般会計予算は、ご案内のとおり長期的視点に立った財政運営を基本に、全行政分野の効果的な展開に配慮しつつ、高齢社会対策、地域文化の振興、街づくりの推進を三本柱に据えますとともに、緊急に対応すべき課題として、定住化対策、資源リサイクル対策、大店法緩和対策、自動車駐車場対策への取り組みに力点をおいて編成したものでございます。


 これら区政各般にわたって実施してまいりました事務事業の内容につきましては、別途提出しております平成三年度成果報告書をご高覧いただきたく存じますが、平成三年度を初年度とする新公共施設整備中期計画に基づき計上いたしました事業の決算状況を申し上げますと、その執行額は二百四十二億五千三百万円、予算現額に対する執行率は九六・一%となっております。


 次に、性質別内訳を見てみますと、義務的経費すなわち人件費、扶助費及び公債費の総額は、歳出決算額の三五・五%を占め、前年度より二・三ポイント低くなっており、引き続き財政構造の弾力性の確保等、健全な状況にあることを示しております。


 また、投資的経費の構成割合は三二・九%で、前年度より四・九ポイント、八十六億四千七百万円の大幅な伸びとなっておりまして、これは三芳グランドの用地取得等、施設整備計画に基づく諸事業の着実な実施によるものでございまして、平成三年度の決算実績はおおむね適正な執行により所期の成果を上げ得たものと考えております。


 さて、国においては、戦後初めて二年連続で前年度実績を下回る税収不足が明らかになっておりまして、また、都においても都政史上未曾有の減収が見込まれております。


 このような中で、本区の収入見通しにつきましても、既にご案内のように、特別区交付金当初算定額が当初予算額に対し約九億円の減となっておりまして、さらに歳入の大宗を占める特別区税も当初予算計上額を大幅に下回ることが見込まれるなど、予断が許されない極めて厳しい状況となっており、先般庁議において、今後の予算執行に当たり、より一層の経費節減について鋭意努力するよう指示をいたし、限られた財源の効果的な執行に努めているところでございます。


 今日の景気低迷は、資産価格の急激な下落など資産デフレに象徴されますように、従来見られた単純な在庫循環型と異なり、景気が回復軌道に向かうまでには、なお相当程度の期間を要するものと懸念をいたしているところでございまして、このような従来に例をみない深刻な複合不況のもとで、区財政は、来年度も引き続き険しい状況が続くものと考えております。


 したがいまして、税収が高い伸びを示し続けていた時代が終わり、過去の経験則では先の見えない手詰まり状態の中で、平成五年度の予算を編成しなければなりません。このため、施設建設はもとより、新たな事業への着手や在来事業の拡充がほとんど絶望的な財政見通しのもとで、非常に厳しい行政のかじ取りを迫られております。


 このように激変した財政環境の中で、区民の皆様の区政に対する熱い期待にお応えしていくため、累積する区民要求に基づく行政需要を見極めつつ、より一層緊急性など施策を厳選し、区政が直面する諸課題の解決に最大限の努力を傾注してまいる所存でございます。


 次に、新たな局面を迎えました都区制度改革について申し上げます。


 第二十二次地方制度調査会の「都区制度改革に関する答申」を踏まえまして、その推進に向け、平成二年十月に都区間で設置いたしました都区制度改革推進委員会において、このたび、「都区制度改革に関する中間のまとめ」が取りまとめられたところでございます。


 この中間のまとめは、区民の皆様や関係者の方々の理解と協力を得るための素案となるものでありまして、今後関係各方面の論議を踏まえ、平成七年四月を目途に制度の改革を期するものであります。特別区の自治権拡充にとって画期的なこの改革を効果的に推進いたしますとともに、区議会との緊密な連携のもとに区民の皆様と一体となって国等関係機関に対する要望活動などを展開いたし、移管事務事業の受入れについても、全庁を挙げて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。


 最後に、本日ご提案申し上げます案件は、決算認定四件、条例八件、契約三件、その他二件、合わせて十七件でございますが、各案件につきましては、後刻日程に従いまして、助役及び収入役よりそれぞれ説明をいたさせますので、よろしくご審議の上、ご協賛を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。


 以上をもちまして、招集のあいさつといたします。