本日、ここに平成五年第四回区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位には何かとご多忙の中にもかかわりませず、ご出席を賜り深く感謝を申し上げる次第でございます。
さて、今回ご提案申し上げます案件のうち、平成四年度一般会計並びに三特別会計歳入歳出決算の認定につきましては、地方自治法の規定に基づきまして、過日監査委員より審査意見書をいただきましたので、法令の定める関係書類を添えまして、ここに提出いたした次第でございます。よろしくご審査のうえ、認定を賜りますようお願いを申し上げます。
この際、平成四年度一般会計決算の概要につきまして申し上げたいと存じます。
まず、決算収支の状況を申し上げますと、歳入決算額は一千百十億二千四百万円であり、一方歳出決算額は一千七十五億八千七百四十四万円となります。その対前年度比は、歳入三・四%、歳出三・七%の伸びとなっておりますが、前年度に比べてのそれぞれの伸び率はともに約一〇ポイント下回り、昭和五十年度以降では、昭和五十九年度に次いで低い伸び率となっております。また、予算現額に対する収入率は九九・一%、執行率は九六・〇%となっており、前年度よりいずれも減少いたしております。
平成四年度における形式収支並びに実質収支につきましては、ともに同額の三十四億三千六百五十六万円の黒字ではございますが、単年度収支では七千六百四十八万円の赤字となっておりまして、また、実質単年度収支では三十五億七千四百六十二万円の赤字でありまして、これは昭和五十年度以降では最大の赤字でございます。
次に、歳入決算額の財源構成を見てみますと、一般財源は六七・二%、特定財源は三二・八%となっており、一般財源の構成比が前年度に比べて二・七ポイントの減となっております。
また、歳出決算額の内容についてでございますが、平成四年度の一般会計予算は、近年にない厳しい財政状況の中で、区民の皆様から寄せられました幾多の切実なご要望を丹念に整理し、財源の計画的かつ重点的な配分に特段の配慮を行いつつ、ごみ・住宅・車の三大都市問題を中心に、福祉対策、文化振興、街づくりに力点をおいて編成したものでございます。これら区政各般にわたって実施してまいりました事務事業の内容につきましては、別途提出してあります平成四年度成果報告書をご高覧いただきたく存じますが、新公共施設整備中期計画に基づき計上いたしました事業の決算状況を申し上げますと、秀山荘の改築をはじめとする三十二事業につきましての執行額は、二百九億三千六百七十一万円となり、予算現額に対する執行率は九六・七%となっております。
次に、財政の健全性を示す財政指標により平成四年度決算を見てみますと、実質収支比率につきましては五・四%、また経常収支比率は七五・五%、公債費比率は五・二%となっておりまして、いずれも適正水準の範囲内にあるということができまして、平成四年度の決算実績は、おおむね適正な執行により所期の成果を挙げ得たものと考えております。
次に、昭和五十八年度から進めてまいりました豊島区の十カ年の基本計画が、平成四年度をもちまして終了いたしましたので、概略総括してご報告を申し上げます。
基本計画は昭和五十七年十一月に、昭和五十八年度からの区政における長期計画として策定いたしたものでございます。基本計画の中では、平成四年度における推定人口を約二十五万人とし、またこの十年間の推計財政規模を五千九百六億円余と見込んでおりましたが、実績値を見てみますと、平成四年度末の人口は約二十六万人であり、またこの十年間の歳出総額は七千百四十九億円余となった次第でございます。推定人口と実績値との差は、外国人の増加分でありまして、人口は比較的適合していたと言うことができます。財政規模につきましては、前半はおおむね予測値の範囲内にあったと言うことができますものの、後半につきましては、経済変動の影響を大きく受けましたため、予測値を三五・五%も上回ることとなりました。また、社会状況等の変化に伴い、平成元年度以降「公共施設整備中期計画」や「高齢社会対策総合計画」などの基本計画を補完する計画を新たに策定いたし、この中で特別養護老人ホームや高齢者住宅などの新規の事業を追加したところでございます。なお、基本計画における計画目標の達成度合を見てみますと、当初の投資的事業として計画されました百二十五件の施設建設等の事業のうち、この十年間で事業を完了したものは百六件、状況の変化から未着手あるいは中止となったものが十三件ございますが、先に述べましたように、平成元年度以降の「公共施設整備中期計画」などにより追加された事業が相当数ございますので、この十年間における投資的事業は相対として基本計画のそれを大幅に上回ることができたと考えております。
現在、この基本計画の目標達成を踏まえまして、次の十年における第二次基本計画の策定に向けて、新たな視点から区政全般について再点検を進めておりますので、平成六年度には改めて審議会を設置いたし、区議会をはじめ広く区民の方々からご意見を承りながら新たな長期計画を策定してまいりたいと考えております。
さて、我が国の経済状況でございますが、昨今の報道によりますと、景気の低迷は一層の深刻さを増しており、一部には雇用調整の危惧が具体化しつつあるようにも見受けられます。このような中で、本区の収入見通しにつきましても、さきの第三回定例会でもご報告申し上げましたように、特別区交付金が当初予算額より約十九億円の減、特別区税も当初予算計上額を約十四億円下回ることが見込まれるなど、昨年度以上に極めて厳しい状況となっております。このため、平成六年度の予算編成にかかる財源見通しにつきましては、残念ながら現段階では甚だ予測困難な状況にございますが、その確保に最大限の努力を傾注いたしますとともに、また切実な区民要望からきます区政の直面する数多くの課題につきましては、その内容を一つ一つ丁寧に精査し、創意と工夫により、その解決に向けて全力で対処してまいりたいと考えております。
最後に、本日ご提案申し上げます案件は、決算認定四件、条例二件、あわせて六件でございますが、各案件につきましては、後刻日程に従いまして、助役及び収入役よりそれぞれ説明をいたさせますので、よろしくご審議のうえ、ご協賛を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。
以上をもちまして、招集のあいさつといたします。