本日、ここに平成七年第四回区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては、何かとご多用の中にもかかわりませず、ご出席を賜りまして深く感謝申し上げる次第でございます。
さて、今回ご提案申し上げます案件のうち、平成六年度一般会計並びに三特別会計歳入歳出決算の認定につきましては、地方自治法の規定に基づきまして、過日、監査委員より審査意見書をいただきましたので、法令の定める関係書類を添えまして、ここに提出いたした次第でございます。よろしくご審査の上、ご認定を賜りますようお願い申し上げます。
この際、平成六年度一般会計決算の概要について申し上げます。
まず、決算収支の状況を申し上げますと、歳入決算額は九百二十二億七千七百万円であり、一方、歳出決算額は九百十二億七千八百万円となっております。その対前年度に対する伸び率は、歳入がマイナス一四・六%、歳出が同じくマイナス一三・一%と大幅な減でございまして、昨年度に続きましての二年連続のマイナス決算となっております。予算現額に対する収入率は九六・八%で、前年度より一・九ポイント下回っており、執行率は九五・七%と、ほぼ前年度並みとなっているのでございます。平成六年度における形式収支並びに実質収支につきましては、ともに同額の九億九千九百万円の黒字ではございますが、単年度収支では二十億八千五百万円の赤字となっております。
次に歳入の決算額を見ますと、特別区税は特別減税等の影響もありまして、収入済額は二百五十二億二千万円、対前年度比一二・三%の減となり、また、特別区交付金につきましても、収入済額は二百十七億三千七百万円、対前年度比二六・七%の減となっております。一般財源の伸び率につきましてはマイナス一三・八%で、歳入全体に占める割合は六七・三%となっておりまして、ほぼ予算規模が同じ五年前の平成元年度と比較いたしますと、一三・二ポイントも低下いたしております。なお、財源対策としての緊急避難的な措置であります庁舎等建設基金からの運用金につきましては、予算現額三十億円のうち二十三億円を執行いたしました。
次に、歳出決算額でございますが、平成六年度の一般会計予算は、厳しい財政環境のもと、区民福祉の総量を後退させることなく現行行政水準の維持向上を図る観点から、第一に住宅供給の充実、第二にリサイクルの推進、第三に中小商工業者への支援、第四に保健・福祉の充実に重点を置いて編成したものでございます。
これら区政各般にわたる事務事業の執行内容につきましては、別途提出いたしました成果報告書をご高覧いただきたく存じますが、新公共施設整備中期計画に基づき計上いたしました施設建設事業の決算状況を申し上げますと、長崎三丁目地区公園の用地取得、猪苗代青少年センターの改築工事等、六十二施設の執行額は百十六億六千六百万円でございまして、執行率は九二・七%となっております。
次に、歳出の性質別内訳を見ますと、義務的経費すなわち人件費、扶助費及び公債費の総額は四百二十三億二千七百万円でございまして、歳出決算額の四六・四%を占め、前年度より七・七ポイントの増となっており、投資的経費は百五十三億七千三百万円で、その割合は一六・八%、前年度を八・五ポイントも下回っております。
次に、財政状況の健全性を計る財政指標により平成六年度決算を見ますと、経常収支比率は八三・八%、公債費比率は七・二%となっておりまして、とりわけ実質収支額九億九千九百万円は、前年度三十億八千四百万円の約三分の一で、実質収支比率も五・一%から一・九%へと大きく落ち込み、財政状況は残念ながら窮迫していると判断せざるを得ません。
以上申し上げました平成六年度の決算状況は、打ち続く景気低迷の影響を受け、大変に厳しいものとなりましたが、平成七年度に入りましても、本区の財政は、依然として先行き不透明な経済情勢の中で、一段と深刻化の一途をたどっているのでございます。
ご案内のとおり、このような危機的な財政状況を克服するため、本年四月以来、全庁的な視野に立って調査検討を進めてまいりました臨時行財政調査会から近く報告される成案につきまして、区議会にご説明申し上げますとともに、その完全実施に向けて真剣に努力してまいりたいと考えております。
さらに、過日ご説明申し上げました緊急災害対策点検調査委員会の最終報告並びに耐震診断調査結果に基づく財政需要などなど、山積する重要課題にらきましても、たじろぐことなく、区議会のご指導をいただきつつ取り組んでまいる覚悟でございます。
最後に、本日ご提案申し上げます案件は、決算認定四件、条例八件、契約一件、合わせて十三件でございますが、各案件につきましては、後刻、日程に従いまして助役及び収入役よりそれぞれご説明申し上げますので、よろしくご審議の上、ご協賛を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。
以上をもちまして招集のあいさつといたします。