平成8年第2回区議会定例会招集あいさつ

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 本日、ここに平成八年第二回区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位には何かとご多忙の中にもかかわりませず、ご出席を賜りまして深く感謝申し上げる次第でございます。


 ただいま、区議会の議決に基づきまして、栄えある永年在職議員として表彰を受けられました本橋博議員、俵山俊一議員、富樫庄吾議員には、私からも、ここにその栄誉をたたえ、二十五年間にわたります区政への大きなご貢献に対しまして心から敬意を表し、感謝を申し上げる次第でございます。


 また、さきの臨時会におきましては、区議会の最高人事を含む議会構成が決定され、豊島区政の一層の発展を目指して、議会活動が鋭意展開されておりますことに対しまして、衷心より敬意を表する次第でございます。


 さて、昨今の経済情勢でございますが、一昨年の平成六年十一月、経済企画庁は、平成三年五月に始まった平成不況は五年十月で底を打ったと、いわゆる景気回復宣言を行いましたが、その後の景気動向の推移は、平成七年三月以降の急激な円高などの影響もあって、足踏み状態に陥っておりました。


 しかしながら、ことしに入ってからの月例経済報告では、雇用の面では完全失業率が高い水準で推移しているなど不安材料はあるものの、景気は緩やかながら再び回復の動きが見られ、その後も総じてその動きが続いていることとなり、ようやくにして足踏み状態からの脱却がかいま見られていたのでございます。


 さらに、今月十八日に発表されました国民所得統計速報によりますと、本年一月から三月までの四半期の国内総生産GDPは、実質で前期比三・〇%増、年率換算では一二・七%の成長率で、四半期ベースでは二十三年ぶりの高い成長となり、経済企画庁は、日本経済は民間需要が主導する自律回復への入口をくぐったと、前向きの景気認識を示しております。一方、今後の景気見通しでは、個人消費の反動や設備投資伸び率の鈍化などの不安材料を抱え、先行きの不透明感も合わせて報道されております。


 このように、わずかながらも明るさが見えてきたとは申しながら、バブル景気崩壊以降の厳しい経済情勢は、本区の行財政にも長く暗い大きな影を落とし続けることとなりまして、一般財源の大宗をなす特別区税と財政調整交付金の四年連続の大きな落ち込みとなってあらわれているのでございます。


 このため平成八年度予算は、既定事務事業の廃止、休止、縮小などによる思い切った経費削減や七十六億円に上る基金の運用により編成してまいりましたが、平成九年度以降の財政収支の見通しは、ご案内のとおり大変厳しい状況にあるわけでございます。


 したがいまして、平成八年度を行財政改革元年と位置づけまして、区財政の危機的状況から早期に脱却するとともに、中長期的な展望のもとで強固な財政基盤を確立するため、この四月に、私を本部長とし、特別職及び部長職で構成する豊島区行財政改革推進本部を設置し、全庁を挙げて行財政改革に取り組んでいるところでございます。この夏には、財政面から平成九年度の予算編成に向けて、歳入の最大限の確保と歳出の抜本的な削減策を中心とした中間の取りまとめを行い、年内を目途に行財政改革計画を策定いたすべく作業を進めてまいる所存でございます。


 最後に、本日ご提案申し上げます案件は、朝日小学校外三校の耐震補強設計経費を計上した補正予算のほか、報告、条例等合わせて十一件でございます。各案件につきましては、後刻、日程に従いまして助役よりご説明申し上げますので、よろしくご審議の上ご協賛賜りますようお願い申し上げる次第でございます。


 以上をもちまして私の招集のあいさつといたします。