平成9年第3回区議会定例会招集あいさつ

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 本日、ここに平成九年第三回区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位には何かとご多忙の中にもかかわりませず、ご出席を賜りまして深く感謝を申し上げる次第でございます。


 さて、我が国の経済動向でございますが、先般、経済企画庁が発表しました国民所得統計速報によりますと、本年四月から六月までの第二・四半期の国内総生産GDPは、実質で前期比二・九%減、年率換算では一一・九%のマイナス成長となっております。この記録的なマイナスについて、四月の消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動が予想以上に大きかったことが最大の要因と分析されておりますが、経済企画庁では、景気が緩やかに回復しているとの基本的な認識は変わらないとしておりますものの、政府の今年度経済成長見通しGDP一・九%成長の達成についてはかなり厳しいと認めており、景気の先行きは依然として不透明な暗澹たる状況にありまして、区民生活はもとより区財政への影響が懸念されるところでございます。


 次に、去る七月十五日の都区協議会において決定されました平成九年度の都区財政調整区別算定結果でございますが、前年度に引き続き二十三区全区が交付区となっております。


 都区双方とも依然として厳しい財政環境が続いておりますが、フレームでは、基準財政収入額・基準財政需要額とも、前年度にマイナスになったものが、特別減税の廃止等により今年度は若干プラスに転じております。


 一方、本区の普通交付金の額は、当初予算計上額と比較しますと、およそ十一億七千八百万円下回りましたが、これにつきましては、今後再調整を含め、他財源の確保等によって対処してまいりたいと考えております。


 こうした厳しい財政状況のもとで、現在平成十年度予算編成に向け、全庁一丸となり行財政改革に取り組んでいるところでございまして、この夏には全事務事業を対象とした行革集中ヒアリングを一通り終えたところでございます。今後、組織・定数その他の課題に取り組みまして、十一月前半を目途に、豊島区行財政改革計画の平成十年度実施案をまとめてまいる所存でございます。


 次に、都区制度改革について申し上げます。


 平成十二年四月の都区制度改革実現のための関係法案の改正スケジュールはいよいよ大きな山場を迎え、ここに至り難しい状況を呈してきております。


 殊に、東京都において、六月二十五日の東京都清掃審議会最終答申の中で示された今後の中間処理施設整備のあり方に基づいた新たな施設整備の考え方を巡りまして、法改正の前提である関係者間の条件整備の確認作業が難航しているのが実情でございます。


 区長会におきましては、この時期に改めて全区民の方々に対しまして、自治権の抜本的な拡充を目指す都区制度改革の意義と現状について周知を図る必要性を認識いたしまして、去る九月十四日、六大新聞にPRチラシを折り込み、二十三区内の全戸に配付したところでございます。


 いずれにいたしましても、都区制度改革の成否が胸突き八丁の段階を迎えているところでございまして、今後の事態の推移を注視いたし、区議会と一体となって努力してまいる所存でございます。


 次に、豊島地区清掃工場のダイオキシン対策についてでございます。


 廃棄物の焼却に伴い排出されるダイオキシンの問題は、厚生省の調査結果が公表されたこともありまして、毎日のように新聞、テレビ等での報道が続き全国的な問題となっております。


 豊島区におきましても、豊島地区清掃工場の建設が進む中で、改めてこのことに対する区民の皆様の関心が高まってきているところでございます。


 豊島地区清掃工場のダイオキシン対策につきましては、計画の当初から、最大限の対策をとるよう、繰り返し東京都清掃局に対し要望してまいりました。今年一月、厚生省はダイオキシンのガイドラインの見直しを行い、これから建設される清掃工場に対しまして、さらに厳しい排出濃度基準を設定いたしました。


 豊島地区清掃工場は平成六年度に計画が具体化されましたが、ダイオキシン対策は、その当時のガイドラインに基づいて行われておりました。このため、区議会におかれましても新ガイドラインでの対応につきまして多くのご意見をちょうだいしてまいった次第でございます。


 私といたしましては、新ガイドラインを踏まえたなお一層の対応策をとるよう、文書をもって清掃局に要望したところでございます。これに対しまして、今年四月、清掃局から「新ガイドラインの趣旨に沿って可能な限りの対応をする」旨の回答がございました。さらに、清掃局の新たな清掃工場整備計画におきましても、豊島地区清掃工場等建設中の工場につきましては「排ガス一立方メートル当たり〇・一ナノグラム以下となるよう対策を図る」と明記されたところでございます。


 また、区民の皆様との協議の場であります豊島地区清掃工場建設協議会におきましても、直接清掃局から同様の説明がございました。


 以上のような経緯を踏まえますと、私は豊島地区清掃工場のダイオキシン対策は、現段階での最善の技術が導入されるものと考えておりまして、今後、新ガイドラインに基づいて建設される清掃工場と同等の対策がとられるため、新しい基準に十分に対応できる施設が完成するものと確信しているところでございます。


 次に、さきの定例会で議決いただきました空き缶等の投げ捨て防止に関する条例、いわゆるポイ捨て条例の目指すさわやかな街づくりへの取り組み状況について申し上げます。


 地域の環境美化を促進し、さわやかな街づくりを推進することを目的といたしまして、池袋駅周辺の町会、商店会をはじめ多くの関係団体のご協力をいただきまして、豊島区さわやかな街づくり実行委員会を設置し、第一回目の会議を九月三日に開催したところでございます。


 この会議におきまして、重点地区、豊島区さわやかな街づくり計画等についてのご協議をいただきまして、これらのご意見を踏まえまして、具体的な啓発活動等を積極的に展開してまいりたいと考えております。


 まず、その具体的な啓発キャンペーン活動の第一弾として、今月二十六日には、実行委員会主催によりますさわやかキャンペーンを池袋駅周辺で実施いたしまして、空き缶、吸い殼等の投げ捨て禁止を広く来街者に呼びかけますとともに、清掃活動、放置自転車・違法立て看板の整理・撤去等を一体的に実施する予定でございます。


 また、区といたしましても、率先垂範の姿勢を示すため、約五十名に上る区役所職員が街に出て、さわやかミニキャンペーンを今月十六日より毎月二回、定期的に実施してまいります。


 今後とも、啓発標語であります「ポイ捨てをなくしてさわやか人と街」の実現を目指しまして、区民運動としての環境美化施策の充実に努めてまいる所存でございます。


 次に、都市型ケーブルテレビについてでございます。


 本格的なマルチメディア時代の到来を迎え、情報通信の高度化がグローバルな潮流として急速に進んでおります中、来る十月一日、豊島区に都市型ケーブルテレビが開局する運びとなりました。


 今年は第一期区域での開局でございますが、現在、第一期区域における施設設置工事もほぼ終了し、今月下旬に郵政省の検査を受ける予定になっていると伺っております。今後、第二期、第三期と、平成十一年十月までに順次、区内全域に開局してまいります。


 この都市型ケーブルテレビの事業会社であります豊島ケーブルネットワーク株式会社は、区内産業界を中心に区民の皆様の多大なご努力のもと、昨年一月に設立され、第三セクターとして運営がなされておりますが、今後とも、区議会はもとより区民の皆様のご支援をいただき、さらなる発展を期待するものでございます。


 区では、この都市型ケーブルテレビのコミュニティチャンネルを活用いたしまして、区民の皆様の日常生活に役立つお知らせのほか、区政に関するテーマや豊島区ゆかりの風物、歴史など地域情報を提供してまいります。コミュニティチャンネルの活用につきましては、区議会議員にもご参画をいただいております豊島区地域情報化推進協議会におきまして、積極的かつ幅広いご協議を重ねてこられまして、そのご報告をもとに活力ある快適な地域社会の形成を目指しまして、今後一層の活用を図ってまいりたいと考えております。


 本日ご提案申し上げます案件は、条例五件、一般会計補正予算及び報告二件、合わせて八件でございます。各案件につきましては、後刻、日程に従いまして助役よりご説明申し上げますので、よろしくご審議の上ご協賛賜りますようお願い申し上げる次第でございます。


 以上をもちまして私の招集のあいさつといたします。