平成11年第1回区議会定例会招集あいさつ・所信表明

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 本日、ここに平成十一年第一回区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては何かとご多忙の中にもかかわりませず、ご出席を賜り深く感謝申し上げる次第でございます。


 この際、平成十一年度の予算、その他の案件をご提案申し上げるに当たりまして、所信の一端を申し述べたいと存じます。


 まず、都区制度改革について申し上げます。


 昨年四月三十日、地方自治法等の一部を改正する法律が国会で可決成立し、五月八日公布、明年平成十二年四月一日施行される運びと相なりました。半世紀にわたり東京都の内部的構成団体とされていた二十三特別区を地方自治法上、基礎的な地方公共団体として明確に位置づけること、財政自主権を強化すること、清掃事業をはじめ住民の身近な事務を特別区に移管することの三位一体の改革がようやく成就したのでございます。この都区制度改革につきましては、長く険しい道のりを区議会と一体となって立ち向かい進めてまいりましたが、この間、区民の皆様の長年にわたる多大なご協力に対しまして、ここに改めて衷心より感謝申し上げる次第でございます。


 都区制度改革の最大の目玉であります清掃事業の移管は、日々の区民生活に直結する過去に例を見ない大規模な移管でございまして、移管に当たって都区間で意見の相違のありました事業の運営形態は、昨年末、収集・運搬は二十三区それぞれが平成十二年四月から直接実施することとし、清掃工場での可燃ごみの中間処理、焼却については、ダイオキシン対策期間中の平成十七年度までの六年間は二十三区の共同処理とすることで決着いたしました。


 区内で発生したごみは区内で処理するという自区内処理の原則にのっとりまして、八年前、区議会ともども誘致を決断し、区民の皆様のご理解のもとに建設が進められてまいりました豊島地区清掃工場は、本年一月末姿完成し、試運転を経て本年七月から本格稼働いたします。また、合わせて建設を進めてまいりました還元施設もこの三月には竣工し、建物総称「健康プラザとしま」として、スポーツセンター、健康診査センター、高齢者在宅サービスセンター及びコミュニティ施設が七月以降順次オープンし、区民の皆様のご利用に供されます。


 都区制度改革、豊島地区清掃工場の竣工・本格稼働、還元施設の竣工・開設と、いずれも自治権の拡充運動から端を発し、二十一世紀を見据えた重要施策が一両年中に実現することになったわけでございまして、ここに至ります紆余曲折の長い道のりに思いを馳せ、うたた感慨無量なものがございます。


 次に、我が国経済の現況でございます。


 二年連続のマイナス成長という戦後最悪の経済環境の中、政府は、景気の低迷が長引き極めて厳しい状況にあるものの、一層の悪化を示す動きと幾分かの改善を示す動きとが入り交じり、変化の胎動も感じられるとしております。しかしながら、バブル経済崩壊後八年、この間の経済情勢の動きからも、にわかに景気回復につながる動きは感じられず、長期金利の上昇、円高の進行により経済の先行きに対する不透明感はますます増していると思うのでございます。


 昨年十二月に決定された平成十一年度の政府経済見通しでは、国内総生産GDPの実質成長率は、当初見込みとしては過去最低の〇・五%と見込んでおります。また、平成十一年度の政府予算案一般会計は、「景気回復最優先」を掲げ、対前年度比五・四%増と伸ばし、政策経費であります一般歳出の伸びも、財政構造改革法の凍結を受け、ここ十年で最大の五・三%増と、昨年度のマイナス予算から一転して大幅なプラスに転じております。このような大型予算が冷え込んだ消費者マインドを好転させ、確実に景気回復軌道につながりますことを期待してやみません。


 一方、東京都の平成十一年度予算案は、一般会計の予算規模が対前年度比五・六%減の超緊縮予算となっております。これは歳入の根幹をなす都税収入が前年度に比ベ一〇・八%落ち込んだことによるものでございまして、都民サービスなど一般施策に充当される一般歳出も四・一%のマイナスでありまして、四年連続して減少しております。また、平成十一年度の都区財政調整につきましては、基準財政需要額及び基準財政収入額ともにマイナスに転じまして、普通交付金は対前年度比で過去最大の七・七%減、六千四百四十四億円にまで落ち込んだのでございます。


 さて、本区の平成十一年度一般会計予算案でございます。


 まず、予算編成に当たり昨年六月に試算した財政収支見込みと比較いたしますと、歳入では試算額を十五億二千四百万円上回りましたが、一方歳出は見込みより四十一億四千九百万円の増となり、八十三億四千百万円の財源不足が生じたのでございます。この歳入歳出ギャップを解消するため、行財政改革推進本部を中心といたしまして、従来にも増した厳しいリストラを実施し、その結果を昨年十月、平成十一年度の行財政改革計画としてまとめ、区議会にご説明申し上げまして、ご理解とご指導を仰いでまいったところでございます。


 この行革計画に基づき、平成十一年度の予算編成におきましては、職員定数の削減や再雇用職員・非常勤職員等の見直しなど、徹底した内部努力によりまして二億五千万円、施設建設費等投資的経費の抑制により十六億五千二百万円、事務事業の廃止・休止・縮小や執行方法の見直し等によりまして十七億五千八百万円、合わせて歳出抑制で三十六億六千万円を捻出しております。一方歳入においては、徴税努力による税収の確保や道路占用料の改定で一億八千万円を確保するなど、歳入歳出合わせて三十八億八千四百万円に上る財政効果を生み出すことができたのでございます。


 しかしながら、さらに不足する四十五億百万円につきましては、庁舎等建設基金から十億円を運用し、残余につきましては財政調整基金からの繰り入れや繰越金の充当、運用金償還経費の計上見送り等により財源対策を講じざるを得なかったのでございます。


 その結果、平成十一年度一般会計予算の総額は九百八十四億千五百三十万千円で、対前年度比で四・五%減と二年ぶりにマイナスに転じまして、五年前の平成六年度の一二・〇%減に次ぐ大きなマイナス予算となりまして、財政規模も千億円を割り平成七年度と同水準に落ち込んでおります。


 予算を財源別で見ますと、一般財源は、対前年度比で〇・七%減と四年連続してマイナスとなり、特定財源も、いわゆる三大プロジェクトの建設竣工等による特別区債の大幅な減等によりまして、同一〇・二%減と二年ぶりにマイナスに転じております。


 また、性質別では、人件費は予算人員で四十三人を純減し、対前年度比〇・七%減と、当初予算では初めてマイナスとなっております。事業費は同六・〇%増で四年ぶりにプラスに転じておりますが、投資的経費は五三・四%減と二年ぶりにマイナスに転じております。


 次に、歳出予算に計上しました重点施策につきまして、主な新規・拡充事業を中心に概略ご説明申し上げます。


 第一は、介護保険実施に向けての取り組みでございます。


 都区制度改革と同じく平成十二年四月、介護保険制度がスタートいたします。介護保険制度は、医療、年金に次ぐ第三の社会保障制度として、国民の協同連帯の理念に基づき、介護を社会全体で支える社会保険方式によって、介護を必要とする方に対して必要な保健・医療・福祉サービスを総合的に提供する制度でございます。


 本区では、平成九年十二月に介護保険法が成立したことを受けまして、昨年四月、導入準備組織として介護保険準備室を設置し、精力的に準備作業に取り組んでまいりました。昨年七月には、制度の根幹を成す介護保険事業計画を策定するに当たり、幅広い多くの意見を反映させるため、学識者、関係団体代表者及び公募による区民の方々等で構成する豊島区介護保険事業計画策定委員会を発足させ、また一万五千人に及ぶ高齢者の実態調査、百名を対象とする要介護認定モデル事業等を実施してまいりました。本年十月には、豊島区介護認定審査会を設置し、平成十二年四月から要介護度に応じた保険給付サービスが円滑に利用できますよう、認定申請を順次受け付け、要支援・要介護高齢者の認定作業に入ってまいります。


 巷間、保険あって介護なしと言われている介護保険制度でありますが、給付サービス基盤の整備推進は自治体に課せられた責任であります。このため本区では、これまで施設介護、通所介護及び居宅介護の基盤整備に努めてまいりましたが、平成十一年度は、本年五月、施設介護の中心施設として西巣鴨二丁目地区に区立第四番目の特別養護老人ホーム菊かおる園を開設いたします。定員は九十名で、四施設合わせて三百名となり、民間の特別養護老人ホームで確保しているベッド数を加えますと、平成十二年四月には四百七十二名分のベッド数となるのでございます。また、通所介護の拠点施設となる高齢者在宅サービスセンターは、西巣鴨二丁目地区の菊かおる園、上池袋二丁目地区の上池袋豊寿園が五月、七月と相次いでオープンいたし、区内十二カ所となります。さらに、自炊ができない程度の身体機能の低下が認められ、家族による援助が困難な高齢者を対象とする区内で初のケアハウス菊かおる園もまた五月に開設いたします。また、居宅介護の重点事業として平成八年度から実施してまいりました二十四時間巡回型ホームヘルプサービスにつきましては、十一年度、西部地域まで拡大し、これで区内全域で実施することとなり、定員もこれまでの四十名から七十名に拡大いたします。


 一方、要援護高齢者の方々への支援業務並びに介護保険制度におけるサービス利用のコーディネート拠点として、区内十三カ所に在宅介護支援センターを整備することとし、既設の保健福祉センター三カ所のほか、平成十一年度は八カ所、十二年度には二カ所を整備することといたしております。


 制度スタートまで一年、限られた期間ではございますが、万全の体制を整え、介護を必要とする高齢者の方々が被保険者の権利として必要なサービスを総合的にご利用いただき、住みなれた地域やご自宅等で安心して生活が送れますよう、より充実した介護保険制度の確立に全力で取り組んでまいる所存でございます。


 第二は、健康づくりの支援でございます。


 本区の高齢者人口比率は、本年一月一日現在で一七・七%となり、ここ十年間で四・八ポイントも上昇するなど、ますます高齢化が進んでおります。健康であることは世代を超えて人々が豊かに充実した日々を送るための基本的な条件でありまして、生涯を通じて生き生きとした生活を送るためにも、また活力ある地域社会を維持・発展させるためにも健康の持つ意義はますます大きくなっておりまして、健康づくりが区政の大きな課題となっております。


 生涯を通して健康を保持増進するためには、区民一人一人が「自らの健康は自ら守り、つくる」という自覚を持って積極的に健康づくりに取り組むことができますように、身近な所で健康づくりが行える環境を整備しますとともに、生活習慣病の予防から健康増進も含めた幅広い健康づくり対策の充実が求められております。


 こうした観点から、清掃工場の還元施設として整備を進めてまいりました健康プラザとしまは、豊島健康診査センター、池袋スポーツセンター及び上池袋コミュニティセンターを擁する区民の健康づくりの拠点となる施設でございます。健康診査センターは、区と医師会が共同設立します医療法人財団が運営するもので、MRI、ヘリカルCT等最新の高度医療機器を配備した高度の検査体制を備え、生活習慣病の予防、がんの早期発見、寝たきりの予防等を促進するため、区民の各種健康診査を実施いたしますとともに、地域の医療機関が共同利用することにより、地域医療の充実を図る拠点施設となるものでありまして、本年九月の開設を予定しております。また、スポーツセンターは、これまでにない健康づくりを中心とする運営を目指す施設でございまして、スポーツドクター、健康運動指導士などの専門スタッフを配置しまして、利用者一人一人の体力や健康状態に合わせた運動プログラムを作成するなど、区民の健康づくりを積極的に支援する健康増進施設でございまして、清掃工場の余熱を利用した温水プール、トレーニングルーム、武道場等を配置いたし、オープンは本年七月を予定しております。


 また、障害をお持ちの方の健康づくり、疾病予防の一環としまして、心身障害者福祉センターでは、「余暇よか広場」と銘打ち、外出が困難な在宅の障害者の方々をバスで送迎し、音楽や創作活動等さまざまなデイサービス事業へご参加をいただき、心身のリフレッシュをしていただきますとともに、新池袋保健所内のあぜりあ歯科診療所では、一般の歯科診療所では十分な歯科診療を受けることが困難な障害をお持ちの方々の歯科診療を実施してまいります。また、本年は国際高齢者年でございますことから、国連総会において採択された高齢者のための国連原則、すなわち「自立・参加・ケア・自己実現・尊厳」を促進するため、記念講演会とシンポジウムを開催いたします。さらに、これを機に、定年退職後の年齢層を対象に、生き生きとしたシニアライフを送るための入門講座を設けまして、今後は継続して実施してまいりたいと考えております。


 第三は、子育てのための環境づくりでございます。


 少子・高齢社会が進む中、少子化は、近隣での遊び相手を見つけにくくなり、仲間との触れ合いを通じた人格形成や社会生活体験の機会を奪い、親にとっても子育て相談・情報交換の減少とともに、近年の地域コミュニティの希薄化、親族付き合いの疎遠化と相まって、子育て家庭を社会から孤立させる要因となっているのが現状かと存じます。また、女性の社会進出に伴いまして、母親の就業率も上昇し、加えて就労形態の多様化から、従来の保育サービスの枠におさまらない保育ニーズが生じてきております。現代の児童福祉行政には、子供とその家庭が地域社会の中で生き生きと暮らせるよう、多様化する保育ニーズへの対応をはじめ、在宅を基盤とした子育て支援体制づくりなど、子供の権利を守り、地域の中できめ細やかで幅広い選択可能なサービスメニューを提供していくことが強く求められていると考えております。


 こうした需要に応えるため、昨年十月に事務局を設置し、十二月よりサービスを開始しましたファミリーサポートセンター事業は、地域住民を会員組織として子育ての相互援助活動を行うものでございますが、予定数を超える会員の登録がありまして、順調にスタートいたしました。平成十一年度はさらに会員数の拡大を図りますとともに、会員の子育て支援技能の質的向上を図るための講習会を開催するなど、事業の拡充に努めてまいります。また、産休明け保育に対する民間サービスの地域的な偏在を解消するため、家庭福祉員、いわゆる保育ママ制度を復活し、地域の保育サービス需要に応えてまいりますとともに、多様な保育需要に対応するため、認可外保育施設である保育室への運営助成を強化し、定員増を行うなど、認可保育園在園児との公平化を図ってまいります。さらには、長時間保育ニーズに対応するため、区立保育園の保育時間を三十分延長し十一時間とするとともに、同じく私立保育園の時間延長に要する経費を助成してまいります。


 また、地域の問題は地域で解決するという視点から、行政がコーディネーターとして、地区青少年育成委員、青少年委員、保護司、児童委員、PTAなど地域の子育て支援組織の連携を深められるよう、新たに子育てネットワーク支援事業を実施してまいります。


 さらに、地域における児童館の機能の強化を図るため、第一に、二十四館中五館において、開館時間を一時間シフトし、平日午前十時から午後六時にするとともに、学童保育時間については、二十七クラブ中九クラブで午後六時まで一時間延長を開始し、児童の放課後の遊び場の充実と放課後児童健全育成施策の拡充を図ります。第二は、中高生の居場所を確保し、健全育成を促進するため、二カ所の児童館において、中高生が利用できる防音設備・楽器等を備えた音楽室を整備してまいりたいと考えております。


 第四は、不況対策でございます。


 民間信用調査機関がまとめました全国企業倒産集計では、昨年の倒産件数は一万九千件を超え、昭和五十九年に次いで戦後二番目の高い水準となり、負債総額も昨年に引き続き戦後最悪の記録を塗り替えております。豊島区内の倒産件数も百三十四件、対前年比で六・三%増と二年連続増加し、また負債総額は千六十四億円と千億円を超えるなど、戦後最悪の経済状況の中で、中小企業を取り巻く経営環境は依然として厳寒状況にありまして、生活弱者と言われる低所得者層の暮らしもまた不況の波にさらされております。したがいまして、新年度におきましては、中小商工業者及び区民生活の自立支援を目指しまして、区としてできる限りの不況対策を講ずることといたしました。


 まず、地域商業の活性化と消費拡大を目的として、平成十一年度、商店街連合会が初めて発行する区内共通商品券に対しまして一五%相当のプレミアム経費及び印刷等運営経費に対する助成を実施してまいります。また、多くの来街者を集客する秋の輸入品フェアに対抗する春の商業祭りの新規実施に対しましても、地域商業の一層の活性化推進のため支援してまいりたいと考えております。


 また、事業運営に苦慮されております中小商工業、自営業者の方々に対しまして、資金難の解消と経営の安定に資するため、一企業当たりの融資限度額をこれまでの三千万円から五千万円へと引き上げまして、小規模企業資金については、借換融資制度を設けるとともに、限度額、据置期間及び返済期間をそれぞれ緩和してまいります。また、平成四年度に創設しました緊急特別資金融資制度をさらに一年延長いたしまして、資金繰りの不安に対処してまいります。さらに、起業資金及び運転資金利用事業者の経営診断も実施することとし、事業経営の助言・指導を行うことといたしております。これらの制度融資の充実を担保するため、金融機関への預託金は三十五億円から四十億円へと増額しております。


 一方、経済的に困窮している生活保護等低所得者向けの私立高等学校等入学資金、生業資金及び女性自立援助資金については、保証条件、対象経費、貸付限度額、貸付利率、据置期間等、それぞれ実態に合わせて貸付条件を緩和することによりまして、生活の自立を経済面から支援してまいります。また、高齢者等の居住の確保の観点から、福祉住宅の供給を進めることはもとより、安心住まいにつきましても新たに一棟八戸を借り上げることといたしました。また、自己居住用の住宅リフォームに当たりましては、限度額十五万円、工事費用の五%を助成する新規事業を創設し、合わせて街づくり公社が実施する住宅リフォーム支援事業と連携しまして、区内業者の受注機会の拡大を図ってまいります。さらに、区の公共工事受注者の資金繰りを緩和するため、工事費前払いの要件である請負金額、工期及び最高限度額についてそれぞれ要件緩和を行い、前払い金支払い対象の拡大を図ることといたしております。


 第五は、「資源循環型社会をめざして」でございます。


 本区のリサイクル事業につきましては、区議会のご指導はもとより、区民の皆様の温かいご支援、ご協力によりまして、リサイクル先進自治体として全国的に高い評価をいただいているところでございます。平成十一年度は、都区制度改革による十二年四月の清掃事業の移管を控え、清掃事業とリサイクルを担う主体として清掃事業の円滑な移管準備の体制整備はもとより、資源リサイクル施策の充実・強化の取り組みを行いまして、資源循環型社会の構築に向けての歩みをさらに進めてまいりたいと考えております。


 まず、清掃事業の移管に伴い実施主体となります本区では、一般廃棄物の発生量や処理量の見込み、排出抑制のための方策に関する事項等を内容とする一般廃棄物の処理計画を策定しますとともに、容器包装廃棄物の分別収集計画を定めまして、清掃事業及び容器包装リサイクル事業の総合的、計画的な取り組み内容を明らかにしてまいります。同時に、学識者、各種団体及び事業者代表等で構成しますリサイクル懇話会を設置し、十二年四月の容器包装リサイクル法の完全施行、清掃事業の移管に備えたリサイクル施策等の検証を行ってまいります。


 また、平成七年度から計画的に推進してまいりました資源分別回収パイロットプランは、新年度十八町会のエリア拡大を図ることによりまして、区内全域の六五%をカバーすることとなります。合わせまして、回収品目も、紙類の分別に箱・包装紙等を加え、七品目九分別から七品目十一分別として質量を高めますとともに、各地域でご活躍いただいております地域リサイクル推進員につきましても、区域拡大に合わせ増員してまいります。さらに、平成十二年度の容器包装リサイクル法の品目拡大を踏まえまして、トレー・ペットボトル以外のプラスチック製容器を一部地区でモデル回収実施や、ご要望の多い生ごみのリサイクルにつきましても、本年度から開始しました区有施設生ごみリサイクルの成果をもとに、事業系、家庭系の生ごみリサイクルモデル事業の実施を予定しております。


 第六は、安全・快適な街づくりでございます。


 木造密集地域を抱える本区では、逃げないですむ防災街づくりを基本として、地区レベルでの修復型の街づくりを中心に整備を進める一方、街路整備を積極的に推進しますとともに、地区計画の活用に取り組んでまいりました。また、多くの来街者、歩行者の安全性と快適性を目指し、駅周辺の拠点整備に取り組んでいるところでございます。平成十一年度の取り組みといたしましては、まず池袋本町地区で展開している防災生活圏促進事業では、懸案となっておりました旧国鉄清算事業団用地の二団地を買収いたします。およそ二千平方メートルの敷地は、地区防災センター用地として今後三カ年で分割買収いたします。もう一つのおよそ四千平方メートルの敷地は、防災広場公園建設用地として一括買収いたします。これら用地の具体的な整備内容につきましては、今後、街づくり協議会等地元関係者のご意見等を十分踏まえまして計画づくりを進めてまいりたいと考えております。


 次に、駅周辺の整備でございます。まず、大塚駅周辺整備は、南北自由通路の設置について、これまで東日本鉄道株式会社等関係機関とその実現に向け努力してまいりましたが、莫大な事業費を要するとともに、事業手法等の調整がつかず、現在に至っているのが実情でございます。こうした状況を打開するため、周辺整備マスタープランに示されました歩行者ネットワークづくりに先行的に着手することといたしました。新年度は、昨年オープンしたホテルの前面道路、駅街路一号線について、地元協議会等と意見調整を行いつつ、歩道拡幅のための基本設計に着手いたします。一方、目白駅周辺整備につきましては、閑静で緑豊かな目白の玄関口にふさわしい整備を目指したプロジェクトがそれぞれ事業者により同時並行で進んでおります。こうした中で、本区では駅前地下横断施設の詳細設計に取り組んでまいります。


 また、区施行の都市計画道路補助百七十三号線につきましては、現況測量、用地測量、地元住民説明会等を開催してまいりますが、合わせて、沿道周辺を含みます池袋二・三丁目地区の街づくりを進めるため、地区計画立案のための現況調査等基礎調査を行ってまいります。


 また、豊島地区清掃工場周辺整備の一環と位置づけました緑のプロムナード整備は、平成十一年度、堀之内橋から清掃工場へ向かう区道の整備を行いますとともに、池袋駅前公園を全面改修いたします。また、池袋駅東口から川越街道に至る公園横の道路につきましては、平成十二年度から十三年度の整備を予定しておりますが、その基本設計に着手いたしたいと考えております。


 次に、駅周辺の放置自転車の解消のため、池袋駅東自転車駐車場を平成十二年四月のオープンを目指して整備しますとともに、西巣鴨駅自転車駐車場は平成十二年五月開設に向け内装工事に着手し、巣鴨駅北自転車駐車場につきましても平成十二年度中のオープンを目途に実施設計に取り組んでまいります。


 また、橋梁の架け替えにつきましては、山の手線にかかる江戸橋の拡幅工事と染井橋の基本設計を行いますとともに、神田川にかかる高塚橋の下部工事に取りかかることといたしております。


 また、西武鉄道の地下を通す千川立体横断施設の整備につきましては、工事も順調に進んでおり、平成十二年度には歩行者の利用に供せられるものと考えております。


 以上ご説明申し上げました一般会計予算に国民健康保険事業会計、老人保健医療会計及び従前居住者対策会計の三特別会計予算を加えますと、本区の平成十一年度予算の総額は千三百八十億千八百四十八万四千円、対前年度比マイナス三・四%と相なる次第でございます。


 本日ご提案申し上げます案件は、予算七件、条例二十九件、合わせて三十六件でございます。各案件につきましては、後刻助役より説明いたさせますので、よろしくご審議の上ご協賛を賜りますようお願い申し上げまして、私の招集あいさつ並びに所信表明を終わります。