平成18年第2回区議会定例会招集あいさつ

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 本日、ここに平成18年第2回豊島区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては、ご出席を賜りまして深く感謝申し上げます。また、さきの臨時会におきまして区議会の最高人事を含む新たな議会構成が決定され、区政の発展に向け、積極的に議会活動が展開されていることに対しまして、衷心より敬意を表する次第でございます。


 初めに、子どもの安全対策の強化について申し上げます。秋田県や滋賀県での事件、また今朝も報道されましたが、奈良県の母子3人の死亡火災事故等も含め、子どもが被害者となる痛ましい事件が後を絶ちません。携帯電話等に日々配信される豊島区安全安心情報でも、子どもに関連するものが大半を占めております。区では、今年2月に学校安全対策推進計画を策定し、学校施設への防犯カメラ等の設置、教職員の危機管理能力の向上、地域ボランティアとの協働による通学路のパトロールなど、あらゆる面から対策を進めているところでございますが、最近の痛ましい事件を受け、今、子どもを町ぐるみで守ろうという気運が急速に高まっております。登下校時の見守り体制を強化するため、既に4つの小学校において、教育委員会がコーディネーターとなって、学校とPTA、地元町会との連携による安全対策を進めているほか、体育協会や民生・児童委員、さらにはそのOB会の皆さんが、腕章をつけて自主的に地域の子どもたちに目配りする活動が広がっております。また、地域の見守りを効果的に実施するためには、不審者や事件に関する情報共有が重要となります。そのため、豊島区全域を対象とする安全安心情報に加え、学校単位でより詳しい情報を伝達する機能として、新たに子ども安全連絡システムのモデル実施を進めております。


 さて、先月、安全な環境を守るということに関連いたしまして、大変うれしい出来事がございました。それは、池袋のビックリガード付近に描かれたかるた絵のことであります。この壁面は長年落書きに悩まされ、景観上も治安上も環境悪化が懸念されていた場所でございますが、地元町会の皆さんが立ち上がり、鉄道事業者との協議を重ね、歴史を伝える雑司が谷いろはかるたの絵がお目見えいたしました。描いたのは、やはり地元のすいど一ばた美術学院の学生さんたちでございます。47枚の色鮮やかなかるた絵がずらっと並ぶ様はまさに壮観であり、ガード付近の雰囲気は一変いたしました。地域ぐるみで描いたものであればこそ、大切に見守られ、ビックリガード周辺の環境も改善に向かうと思います。区といたしましても、鉄道事業者と話し合い、夜間のライトアップを実現したいと考えております。また、3月には、大塚駅高架下の壁面をキャンバスに、西巣鴨中学校の生徒さんたちが素晴らしい作品を描いてくれました。私の「大切なモノ」をテーマとして、美術部の生徒が中心となり、延べ150名が5日間をかけて取り組んだものでございます。近くをお通りの際には、ぜひ色彩感覚あふれる子どもたちの絵をご覧いただきたいと思います。治安を守り、犯罪を未然に防ぐ上で最も効果を発揮するのは、こうしたコミュニティの力、地域の絆であります。区では、警察や消防との連携を強化しつつ、治安対策に取り組んでまいりましたが、今後とも、豊島区では絶対に子どもの痛ましい事件を起こさせないという決意の下、地域の自主的な見守り活動や防犯パトロール活動を支援いたしまして、地域を挙げて、子どもの安全、街の安全を守っていきたいと考えておりますので、議員各位におかれましても、より一層のご協力をお願い申し上げます。


 次に、学校教育について申し上げます。


 本区では、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度や能力を育成し、児童・生徒の国際感覚を養うことを目的として、小学校における英語教育を積極的に進めてまいりました。何にでも関心を持ち、好奇心旺盛な小学生の時期において、ネイティブ・スピーカーとの交流を通して英語に触れる機会をつくることは、異文化に触れるという意味からも、義務教育として大変意義ある取組みであります。そして、この度、昨年度から検討を進めておりました3年生以上を対象とする区独自の小学校英語活動カリキュラムが完成し、すべての小学校教員及び中学校の英語科教員に配付いたしました。カリキュラムは、歌やゲーム、クイズなど、子どもの主体性を引き出しながら、英語を話したり聞いたりする体験活動のプログラムから構成され、独自の評価基準も明確にしております。独自のカリキュラムであること、しかも外国語指導助手の派遣が年90時間にも及ぶことなど、23区の中で最も充実した内容となっております。さらに、来年度からは、小学校全学年を対象としたカリキュラムに進化させ、中学校の英語教育との円滑な接続を推進してまいります。


 また、立教大学との教育連携についても充実を図ってまいります。昨年度は、立教大学と協定を締結いたしまして、としま教育文化工房21を立ち上げ、理数教育を中心とした連携を行いました。今年度は、国語力や健康づくりなど、生きる力を育むプログラムの開発に取り組むとともに、教員の資質向上に関する研修プログラムの開発を進めてまいります。そして、この度、こうした連携の一環として、これまでお願いしてまいりました立教池袋高等学校における区立中学校推薦枠の創設が実現することになりました。これは、立教池袋中学校・高等学校がこれまで設定していなかった高校入学枠を設定することを機に、区立中学校を卒業する男子生徒を原則3名以上、来年度の入試から受け入れていただけるものであり、このようなことは23区でも初めてのことであります。これまで高校入学段階では開かれていなかった立教の門が、区立中学校の生徒に対しても開かれることになり、新たな希望が生まれることになりました。区内の大学との連携・協働を広げることは、私か提唱する「街全体をキャンパスに!」という考え方を実現するものでございます。今後も、区内の各大学との連携を強化しながら、考える力を高めるプログラムを開発し、教育内容の向上に努めてまいりたいと考えております。


 次に、文化政策について申し上げます。


 文化政策は、私が区長就任以来、強い思いを込めて推進してきた政策であります。3月に大きな成功を収めた新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館に続き、今年度も、区内各地域で未来へ向かう文化の風を起こしながら、参加と協働の輪を広げ、明日の文化を担う人材育成を進めてまいります。


 さて、豊島区の文化政策の先駆けとして平成16年5月にスタートしたとしま文化フォーラムですが、今期で通算7期目を迎えることになりました。豊島区芸術顧問である小田島雄志東京芸術劇場館長のご指導の下、区民の皆様と各分野の第一線で活躍する文化人とが交流する場として、昨年度末までに通算6期、30回の講演会等を開催し、その参加者は延べ4,600人を数えております。また、今年で2年目となる目白バ・ロック音楽祭が、豊島、新宿、文京の3区にまたがる目白の丘を会場として開催されております。地域の商店や企業、学習院、立教大学を巻き込みつつ、音楽祭を核として多彩なイベントが展開され、昨年以上の盛り上がりをみせております。区といたしましても、この音楽祭を目白ブランドを形づくる重要なアートイベントとして位置付け、地域ぐるみの活動をサポートしてまいりたいと考えております。


 そしてさらに、今年7月から8月にかけ、新たな文化交流が実現いたします。1つ目は、友好都市である山形県の遊佐町におけるオペラ「夕鶴」の公演であります。豊島区では、未来のアーティストを育てようと、東京音楽大学の全面的な協力により、としま未来文化財団が設立したジュニア・アーツ・アカデミーの子どもたちを中心に、オペラ「夕鶴」に取り組んでまいりました。今年2月、東京芸術劇場での公演を契機として、遊佐町からぜひ地元の子どもたちにもこうした素晴らしい体験をさせたいとのお話があり、豊島区が培ってきたノウハウを基に、遊佐町の子どもたちによる地元での「夕鶴」公演が7月に実現するものであります。2つ目は、昨年に引き続き、ドイツ・ライプチッヒバレエ団のプリンシパル木村規予香さんによるクラッシックバレエの公演であります。NPO法人ゼファー池袋まちづくり、池袋西口商店街連合会、立教大学、そしてとしま未来文化財団と区が連携・協力し、7月20日の立教大学タッカーホールを皮切りに、池袋西口公園野外ステージやにしすがも創造舎で開催されます。にしすかも創造舎では、小中学生を対象に、木村さんの特別指導による体験ワークショップも開催されます。そして3つ目は、池袋国際アートフェスティバル2006の開催であります。イギリスの文化芸術団体の仲介により、国際的なアートフェスティバルとして評価される新潟県十日町の越後妻有アートトリエンナーレと連携する形で、7月29日からの10日間、池袋で同時開催されるものであります。イギリスから多数のアーティストが訪れ、また日本のアーティストも参加し、池袋の街を舞台に様々なパフォーマンスや参加型イベントが開催されます。まさに文化の風が国境を越え、6,000マイル離れたイギリスとの文化交流が実現することになります。こうした文化による地域間交流、さらには国際交流の輪を広げながら、今後とも、文化創造都市宣言の街「としま」を発信してまいります。


 次に、放置自転車対策の新たな展開について申し上げます。


 4月の時点で、既に私としての考え方は表明させていただきましたが、放置自転車等対策推進税につきましては、今定例会において、その廃止条例をご提案しております。この新税は、狭小住戸集合住宅税とともに、平成12年度の地方分権一括法により強化された課税自主権を活用し、地域が抱える固有の行政課題の解決を目指して導入したものでございます。平成14年1月に新税構想を発表してから4年半、放置自転車問題の背景にある鉄道事業者の責務を広く全国に問い掛けた一連の取組みは、まさに分権社会における豊島区の挑戦であり、地域から全国へ、豊島区の姿勢を鮮明に発信することができました。そして、今年3月には、学識経験者、町会、商店会、警察、道路管理者、そして鉄道事業者が一堂に会した自転車等駐車対策協議会から、1年9カ月の議論を踏まえ、駐車対策に関する総合計画のあり方についての答申をいただきました。今回の答申は、これまで見出せなかった鉄道事業者からの具体的かつ大量の協力を含む画期的なものであると考えております。太田会長を初め、議論を尽くしていただいた皆様に対しまして、改めて心から御礼を申し上げたいと思います。


 既に今月14日には、答申を踏まえ、自転車等の利用と駐輪に関する総合計画を策定いたしました。これにより、今後10年間で目標とする駐輪場6,500台のうち、概ね4,000台となる鉄道事業者の協力内容には、自転車法に基づく義務が発生することになり、放置自転車等対策推進税の意図は、実効性ある総合計画として形を変えて確実に引き継がれることになります。一方、総合計画の策定は、放置自転車問題の解決に向けた新たなスタートとなるものでございます。鉄道事業者の協力内容を含めた放置自転車対策への取組みについては、これまで以上に行政の真価が問われることになります。平成17年の都内放置自転車台数ワーストランキングでは、3年連続して、池袋駅と大塚駅がワースト1位、2位という残念な結果が続いており、1日も早く、目に見える具体的な成果を出すため、総合計画を着実に推進してまいります。既に、池袋駅有楽町線の地下通路や大塚駅南口地下部分の駐輪場整備計画に着手しているほか、池袋駅のプラザ駐輪場は、区分所有者間の合意が得られ、近々、拡張工事に着手いたします。また、ウイロード隣接地でのJRによる建築工事は年内に竣工する予定であり、地下部分に確保する駐輪場が早期に実現できると考えております。なお、総合計画には、「適切な自転車利用と快適なまちづくりのために」というサブタイトルを付しております。自転車の安全利用やマナー向上など、自転車の特性を生かした快適なまちづくりに向け、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。


 次に、新庁舎の整備方針について申し上げます。


 新庁舎の整備については、昨年5月以降、区議会の施設用地特別委員会等におきまして、新たな整備の考え方についてご説明し、ご意見をいただきながら検討を進めてまいりました。この1年間に、新庁舎の整備位置としては、現庁舎地区と南池袋二丁目の旧日出小地区の2カ所に絞込みを行うとともに、それぞれの地区について、整備に関する資金計画のフレームについても精査を行ってまいりました。そしてこの度、これまでの検討結果を踏まえ、「新庁舎整備の検討のまとめ 整備方針(素案)」を作成いたしました。この素案については、既に6月5日号の広報としまにおいて概要をお知らせするとともに、区政連絡会での説明を終え、12地区のうち4地区において区民説明会を開催しております。新庁舎の整備を検討する必要性を初め、防災、IT、環境をコンセプトとする基本方針、そして2つの地区における整備手法や資金計画、跡地活用の考え方について、わかりやすく区民の皆様にご説明するとともに、幅広くご意見を伺い、7月中には素案から案へと必要な修正を加えてまいります。なお、旧日出小地区では、本年3月に南池袋二丁目地区市街地再開発準備組合が設立され、先月5月23日には、区も地権者として準備組合に加入いたしました。新庁舎の検討を含め、25万区民の財産である区有地の有効活用を図りつつ、市街地再開発事業が円滑に進展するよう、関係権利者との協議を積極的に進めてまいります。


 私は、今回の新庁舎整備の検討を起点といたしまして、3つの効果を確実に導かなければならないと考えております。その1つは長期的な財政の安定であり、2つ目は区民サービスの向上、そして3つ目が副都心の再生であります。老朽化が著しい庁舎の更新問題が、今後の10年において、非常に大きな財政負担となって顕在化することは確実であり、この問題を先送りしては、将来に向けて真の財政の安定はあり得ません。そのためにも、現時点から、実行可能な整備方針を固めておく必要があります。また、2番目の区民サービスの向上については、今回の検討を契機として、本格的なIT社会の到来に対応した行政サービスのあり方そのものを議論し、庁舎を訪れる区民の方々へのサービスの向上はもちろんのこと、区内のどこからでも行政サービスを便利に利用できるシステムの姿を描いてまいります。そして、3つ目として、2つの整備位置のいずれにいたしましても、現庁舎地の民間活用と副都心の再生をいかに結び付けていくか、それが最大の焦点であると考えております。念願の環状5の1号線地下通過道路の実現による駅前からの通過交通の排除を視野に入れ、駅前広場から現庁舎までの空間を面で捉えつつ、現庁舎地に集客力の高い商業業務施設を誘致・整備することで、これまでにない魅力的な街並みを創造する可能性が広がります。夢として描いてきた東西デッキにも新たな道を開くことができれば、西口方面への波及効果も飛躍的に拡大していきます。


 副都心周辺の都市計画道路や市街地再開発事業の進展等により、今、池袋副都心は、着実に再生の道を歩み始めております。また、来年度には、地下鉄13号線が開通いたします。しかし、その一方で、新宿・渋谷方面へ直通する13号線の開通が池袋を通過駅としてしまう可能性も危惧されております。私は、新庁舎整備と現庁舎地の跡地活用を単発の事業に終わらせることなく、この機会を千載一遇のチャンスとして捉え、西口地区を含めた副都心全体の再生に向けた起爆剤として最大限に活用し、まちづくりの大きなうねりを起こしていく必要があると考えております。今回の新庁舎整備の検討が将来を見据えた豊島区全体の価値と魅力を高めるものとなるよう、全庁を挙げて精力的に取り組んでまいりますので、議員各位におかれましても、大所高所からのご意見・ご指導をいただきますようお願い申し上げます。


 最後に、これまでの改革の総仕上げに向けた決意について申し上げます。


 早いもので、今年度は、私が平成11年に区長に就任してから、2期8年目となります。さきの第1回定例会においても申し上げましたが、私は、平成18年度は、これまでの区政改革の取組みを踏まえ、新たな挑戦の10年に向け、揺るぎない足場を固める節目の年であると考えております。これまでの7年間、目前の危機的な財政状況を克服するために、一心不乱に改革を進めてまいりましたが、やっとその成果が現れ始めております。基金や借入金の残高、経常収支比率といった財政指標はもちろん、職員定数や総人件費の抑制も確実に進んでおります。地域区民ひろばや子どもスキップを初めとする施設再構築により、施設関連経費も着実に改善しつつあります。


 また、都市再生の進展に伴う良質なマンションの供給により、人口も大きく増加に転じております。住民基本台帳人口は、今年1月から5カ月間で3,235人増加し、平成9年に人口減少が底を打って以降、最大の増加率を記録しました。23区の中でも、港区と中央区に次ぐ3番目の増加率となっております。さらに、今年の増加は、0歳から14歳の人口約350人の増加を伴っております。過去40年以上にわたり一貫して減少傾向にあった子どもの数が増加に転じることは、ほぼ確実であります。区立小学校の児童数についても、昨年度と比べ153名の増加となっております。しかし、こうした状況はファミリー世帯向けのマンション供給が一時的に集中したことによるものであり、日本全体が人口減少社会へと転じる中で、いかにして定住するファミリー世帯を増やしていくことができるか、今後10年間の取組みが将来を大きく左右するものと考えております。


 危機的な財政状況を脱しつつある今こそ、改めて初心に立ち返り、明確な将来ビジョンを描きつつ、改革の総仕上げに向けた道筋を再確認する必要があります。行政改革と財政改革により、スリムで変化に強い体質を身につけることにとどまらず、価値ある街として、豊島区が持続可能な発展を遂げていく政策を生み出していくことが重要であり、これからは、行政経営を含む都市経営という視点が必要であると考えております。行政経営としては、目指すべき行政の姿を明確に描きつつ、2度と同じ危機を招くことのないよう、体質改善を図り、右肩上がりの時代の拡大・拡張路線に代わる、持続可能な行財政運営の仕組みを確立することが急務であります、そして、都市経営としては、「住みたいまち」「訪れたいまち」「健康に暮らせるまち」を目指し、福祉と教育を基本としつつ、文化、健康、都市再生、環境の4本柱を中心として、地域の持てる力を発揮させながら、都市の持続的成長を可能とする政策を創造していくことが重要でございます。こうした考え方を全職員が共有しながら、負の遺産を克服するための改革から、未来を開くための改革へと軸足を移し、プラス思考で改革のエンジンを熱く回し続けていくことが未来を創出する政策形成につながると確信しております。そこで、新たな基本計画の策定を機に、平成8年4月から10年間にわたって財政健全化を主要課題として担ってきた行財政改革推進本部を改め、新たに未来戦略創出会議を設置いたしました。日本経済は着実に回復を続けておりますが、社会保障や医療制度の改革、そして地方と国の財源配分など、今後も大きな環境の変化が予想されます。今、区政に必要なのは、本格的な分権社会を見据えながら、厳しく自らを律し、改革を進めていくことであります。区政の課題を先送りすることなく、次の世代に活力ある豊島区を引き継ぐことこそ、私の使命であると認識しております。こうした認識の下、未来戦略創出会議では、行財政の体質改善を進める改革路線をしっかりと堅持しつつ、豊島区の新たな成長の芽となる政策形成を図ってまいります。


 中国の宋の詩人、陸游の詩に「柳暗花明」という言葉がございます。いつしか道を見失い、暗い柳の木陰を辿るうちに、春の花咲く村の景色が開ける、紆余曲折を経て初めて新たな局面を見出すことができるという意味であります。区長就任以来7年間、至上命題として財政健全化を掲げ、改革を進めてまいりましたが、振り返ればその道のりは決して平坦なものではありませんでした。様々な曲折を経て、やっと今、成果が現れ、将来への光が見えてきた、そんな思いであります。こうした改革の手応えをさらに確実なものとし、豊島区の未来をつくり上げていくため、決意を新たに、全力で改革の総仕上げに取り組んでまいります。


 本日ご提案申し上げます案件は、条例10件、予算1件、その他l件、合わせて12件でございます。各案件につきましては、後程、日程に従いまして、助役よりご説明申し上げます。よろしくご審議の上、ご協賛賜りますようお願い申し上げます。


 以上をもちまして、私の招集あいさつといたします。