本日、ここに平成25年第四回区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては、ご出席を賜わりまして深く感謝申し上げます。
今年は、例年になく大雨や台風の被害が多い年でした。10月の1か月間に日本に接近した台風の数は6つで、観測史上最多となりました。中でも、関東に接近・上陸した台風としては、ここ10年で最強と言われた台風26号は、10月16日、伊豆大島で大規模な土石流を引き起こし、40人近い死者・行方不明者を出しました。残念ながら、犠牲者のお一人は大島を訪れていた豊島区民の方でありました。
犠牲になった方々に心からお悔やみ申し上げるとともに、被災者の皆様にお見舞い申し上げます。
16日当日、区は、職員75人の泊まり込み態勢で、有事に組織的に即応できるよう一晩中、警戒に当たっておりました。
その後、11月8日には、今年最大と言われる台風30号によって、フィリピンのレイテ島を中心として、死者・行方不明者5,500人を超える甚大な被害が発生しております。まさに災害はいつどこにやってくるか分かりません。今後もあらゆる災害に備え、緊急時の初動対応などに遺漏がないよう、体制等を再点検していかなければと気を引きしめているところであります。
1.新庁舎での区民サービス向上について
まず、新庁舎での区民サービス向上について申し上げます。
先月の議員協議会で新庁舎関連の課題の一つである、新庁舎における休日開庁の基本方針を発表いたしました。
基本方針は、新庁舎3階の住民記録や4階の福祉など、区民に身近なサービス業務については、現行の日曜窓口における取扱業務を大幅に拡大したうえで、区民の皆さんの分かりやすさにも配慮して、年末年始や祝日を除いて毎週土曜日日曜日に窓口を開き、年間345日間開庁するというもので、他の自治体においても類を見ない高いレベルのサービス提供を目指すものであります。
併せて、3階・4階はもとよりそれ以外のフロア、平日の窓口対応における、職員の公務意識・接客マナーをさらに向上させたいと考えておりまして、今年度から2か年をかけて、管理職も含めて、2,000人全員に改めて接遇の基本から学んでもらう「区民ファースト実現研修」を実施いたします。
また、新庁舎の大切な役割の一つは、区民のみなさんに防災をはじめとする安心感をお届けすることであると考えております。
新庁舎は、耐震性能が高く、土日開庁や防災体制の充実により、ほとんど休みなく開かれ、職員が来ておりますので、何かの時には区民や来庁者のみなさん、そして帰宅困難者への対応などを迅速に行うことができるようになります。
新庁舎は区民のために整備するものでありまして、区民の役に立つ区役所という原点を改めて追求してまいります。
さらに、新庁舎では区役所という建物のあり方を変えてまいります。
新庁舎という所は、区民の皆さんが用事のあるとき、手続きをしなければならない時だけ来る建物ではありません。
新庁舎が建つ地域は、昭和初期まで根津山と呼ばれ、武蔵野丘陵に連なる小高い丘を形成しておりました。グリーン大通りの自然樹とつながる新庁舎10階の屋上庭園「豊島の森」には、当時の武蔵野の面影を現出させ、雑木林や四季の変化を見て感じることができる植物を植えて、ふるさとの自然を感じ、命の大切さを学ぶ体験型・参加型の環境学習の場となるよう整備をいたします。次代を担う子ども達の声を反映させ、学校や親子で自然体験を楽しむことのできる画期的なプログラムをつくり上げてまいります。4階まで続く遊歩道、エコミューゼとともに、ぜひ多くの皆さんに四季折々の風景を楽しみに訪れていただきたいと思っております。
また、1階の区民ひろばセンターは、区が様々な行事を行い、時には文化活動などを行う区民にも開放される文化発信の拠点となります。1、2階の民間事業者スペースにはおしゃれな食事処等ができることも期待しておりますし、新庁舎が地下鉄の東池袋駅と直結されますので、曜日を問わず、家族やサークル仲間など多くの人が行き交う、文化と賑わい発信の拠点になってくると確信しております。
2.安全・安心について
次に、安全・安心について申し上げます。
まず、セーフコミュニティの取り組みについて申し上げます。
昨年セーフコミュニティ友好都市となった台湾の台北市文山区で11月1日から3日にかけて開催された「2013年台湾セーフコミュニティ推進国際会議」に、2名の職員を派遣いたしました。
会議には、国内や台湾各地から、多くのセーフコミュニティ関係者が出席しましたが、豊島区は日本を代表して、大都市における取り組みを発表いたしました。
「地域区民ひろば」を中心としたセーフコミュニティと朋有小学校におけるセーフスクールに、同時に取り組んだ豊島区の活動には、台湾の関係者から多くの関心が寄せられ、活発な質疑が行われたと報告を受けております。
また、この機会を利用し、区民ひろば池袋本町を運営しているNPO法人「池本ひろば」と朋有小学校の児童からのビデオレターを文山区の区長さんに、お届けしました。これからも、文山区の皆さんとの交流を大切にしながら、互いにセーフコミュニティ活動を発展させていきたいと考えております。
昨年の認証取得から1年になりますが、今後は、平成29年度の再認証に向けて、毎年の活動状況をまとめた「年間レポート」をWHO協働センターに提出することになっております。12月に開催する「セーフコミュニティ推進協議会」において、今年のレポートについて報告し、議員の皆さまにもお届けしたいと考えております。
今年のレポートでは、特に、活動の効果を評価するための“成果指標”に重点を置き、10項目の対策委員会において、関係者の皆さんのご意見をいただきながら、持続性や具体性の観点から、指標の精査を行いました。
約70項目の“成果指標”は、「安全・安心創造都市づくり」の進捗を測るバロメーターでもあります。今後、これらの指標に基づき、目に見える形で効果を把握しながら、セーフコミュニティ活動を継続してまいります。
また、来年度に向けて、区内2校目となるセーフスクール実施校の選定にも着手いたしまして、着実にセーフスクールを広げていきたいと考えております。
次に、東日本大震災の被災地から区内に避難してきている方々への支援継続について申し上げます。
甚大な被害をもたらした東日本大震災から早くも2年8か月が過ぎましたが、被災地の復興は遅々として進まず、原発事故の処理も長引き、被災した県から区内に避難している方々は、8月末現在の数字ですが、いまだ180人に及んでおり、困難な避難生活に耐えておられます。
そのうち、本区が区民住宅等を応急仮設住宅として提供している方は、10月末現在で35戸82人となっておりますが、先般、被災県から、応急仮設住宅の供与期間を延長してほしいとの要請を受けました。そこで、本区は、入居日から3年間としていた入居期限を延長し、岩手県、宮城県からの避難者は入居日から4年間、福島県からの避難者については平成27年3月末までとすることを決定いたしました。
さらにこれにより、応急仮設住宅として提供している区民住宅には入居延長期間中に区の借り上げ期間が終了してしまう事例が生じることから、こうしたケースについて独自の対策を講じることといたしました。具体的には、区内にある賃貸住宅を新たに確保し、代替の応急仮設住宅として提供できるよう準備を進めております。このような対応は23区では例のないことでありますが、本区は、これからも被災者のみなさんのために、最大限の支援を行ってまいります。
次に、不燃化特区の動向について申し上げます。
不燃化先行実施地区の東池袋4・5丁目地区に続き、9月末には池袋本町・上池袋地区、長崎・千早などの補助26号・172号線沿道地区及び巣鴨・駒込の補助81号線沿道地区の3地区を不燃化特区として本申請いたしました。
特区指定は来年4月になる見込みですが、本年度中には3地区を対象にアンケート方式による防災まちづくりに関する地域の意向を調査し、新たなまちづくりのルールづくりを地域の方々と一緒に検討してまいります。
不燃化特区内の木密地域解消は、新たなまちづくりルールの策定、不燃化特区制度による建替え等の支援策、東京都施行の特定整備路線整備、この3本柱により2020年度までに進めてまいりますが、次にその特定整備路線について申し上げます。
補助26号、172号線については、10月に「事業及び測量説明会」を3回実施し、約690名の方々にご参加いただきました。
また、今月実施された補助81号線の説明会では3回で約480名の方々に参加していただいており、みなさんの関心の高さが伺えます。
説明会では、例えば、借家人の立ち退き交渉は大家が行うのか、商店街に大きな影響があるのではないか、道路だけでなく地域全体の不燃化を進めるべきだなどと、具体的で真剣なご質問やご意見をいただきました。
これで、豊島区内の特定整備路線である5路線7区間、約6キロメートルの説明会が終了いたしました。延べ10日間にわたる説明会には、全体で2,050名という大変多くの方々にご参加をいただきました。
今後は、東京都が各計画路線沿道の測量作業を行い、地権者の方々による現場立会いも行われると伺っております。
区といたしましても、広報としまなどを通じ、不燃化特区や特定整備路線に関して、さらなる情報提供を図るとともに、区職員による相談体制の充実、個別訪問などを実施し、地域のみなさんと共に課題解決に取り組んでまいりたいと考えております。
3.文化について
次に、文化について申し上げます。
11月には、文化・芸術の秋にふさわしい、様々なイベントが区内各所で開催され、また12月にも引き続いて行われます。
11月6日から14日にかけては、巣鴨の秋の風物詩「すがも中山道菊まつり」が行われました。今年は、旧中山道が江戸と京都を結ぶ街道であったことを偲んで、源氏物語絵巻をテーマとして仰高小学校・清和小学校の児童達も参加して、お地蔵様と曼荼羅にちなんだ「おじそうさまんだら」が作成、展示されました。また、今年から、都電の線路を越えて、大正大学も菊まつりの会場に含まれることになり、巣鴨から西巣鴨まで広がりのあるイベントに生まれ変わりました。
豊島区ブランドのソメイヨシノを巡っては、11月10日に駒込の染井吉野桜記念公園をメイン会場として「染井よしの桜のふる里 秋祭り」が開催されました。これは、ソメイヨシノ・プロジェクトのキックオフイベントとして位置づけたもので、駒込中学校吹奏楽部の演奏などに加えて、石巻市、魚沼市、所沢市、東松山市、川越市、高知市、宇都宮市による物産展も行われ、大変な賑わいでした。今後も、あらゆる機会を通じてソメイヨシノ発祥の地をアピールしてまいります。
11月9日からは、池袋から世界に発信する日本最大の舞台芸術の祭典、「フェスティバル/トーキョー13」が東京芸術劇場を中心に、池袋西口公園、あうるすぽっと、にしすがも創造舎などを舞台として、始まっております。
6回目となる今回は「物語を旅する」というテーマのもとに、時代と空間を飛び越えて様々な物語との出会いを演出しております。
また、次世代を担う若手アーティスト等をサポートする公募プログラムでは、アジア全域から137件の応募があり、このうちインド、日本、台湾、韓国、シンガポール、中国の6か国から9団体が参加し、年々国際色豊かな祭典に育っております。
フェスティバル・トーキョーには、期間中に首都圏で開催される公演の中で強いオリジナリティを持つ6作品が“連携プログラム”として参加しておりますが、その一つが、昨日から豊島公会堂で上演されている『無頼漢』です。
これは、豊島区と、としま未来文化財団、流山児事務所が協力して、故寺山 修司氏の作品を3年にわたり連続上演する企画「テラヤマプロジェクト」の第2弾であり、没後30年を迎えた現代演劇の革新者寺山 修司氏が、河竹黙阿弥の歌舞伎を映画化したシナリオをもとにした作品です。
公演は、公会堂の目の前の中池袋公園から始まり、「世界の何処にもない」破天荒な集団活劇を創りあげると聞いております。まさに創造的文化のまち豊島区ならではのプログラムだと思いますが、今後も池袋の地の利を生かした、池袋でないとできないようなものを公演していただき、“文化・演劇のまち池袋”を全国に発信したいと考えております。
4.福祉について
次に、福祉について申し上げます。
まず、待機児童対策について申し上げます。
待機児童の解消は、緊急性が高い一方で、その解決が非常に困難な課題であります。ここ数年、区内の新生児数は増加傾向にあり、精力的・計画的に保育定数の拡大を図っておりますが、新たな需要に追い付くのは、正直に申し上げて並大抵のことではありません。
こうした中、本区は、策定した緊急プランの早期達成を目指し、毎月、着々と対策を強化しておりますので、その最新動向について申し上げます。
10月には、巣鴨らるスマート保育所の開設により13人、私立目白幼稚園での預かり保育開始により20人の受け入れ枠を拡大いたしました。
11月には、西巣鴨すくすくルームを開設して9人、東池袋早樹保育園の開設によって14人分の枠を拡大しております。
また、10月には保育計画に掲げた巣鴨第一保育園分園を開設し、34人の定員増を実現し、10月・11月の2か月で合わせて90名の受け入れ枠の拡大を図りました。
11月1日からは、認可保育所の来年度4月入所の受付けを開始いたしました。窓口では、4月から入所ができるのかどうか不安である、といった保護者の声もいただいております。担当者は、認証保育所や小規模保育所、保育ママなどの保育施設も丁寧に説明し、保護者のニーズを踏まえた施設の紹介も行っているところです。
保護者の不安を解消するためにも、今後も、多様な手法を活用し、短期間で効果をあげられるよう、積極的に待機児童対策を推進してまいります。
次に、サービス付き高齢者向け住宅について申し上げます。
高齢者が可能な限り自立して暮らしていくことができる機能やサービスを備えたケア付き住宅の必要性が高まっていることから、国や都は供給促進を図る目的で助成制度を設けておりますが、東京都においては、さらに平成26年度までの供給目標を6千戸から1万戸に引き上げたところであります。
こうした中、本区においても高齢者向けケア付き住宅の供給促進を図るため、区独自の補助要綱を定めました。
この補助要綱では、高齢者向けケア付き住宅を建設する際に必要な地元自治体との同意基準について、木密対策に伴う従前居住者の優先入居、低廉な家賃の住戸の設置といった基準に本区の独自性を出しており、今後、地域特性に合う高齢者の住宅対策を推進してまいります。
また、池袋4丁目には、小規模保育・一時保育との併設による認知症グループホームの整備が順調に進んでおります。事業者との検討の中では「異世代間交流」について大学の協力を得ながら大変意欲的に取り組みをしたいと聞いており、区といたしましても新たな取り組みに期待しているところであります。
このように、さまざまな取り組みが重層的に進められており、区としても事業者と連携しながら、地域包括ケアシステムの促進に向けまい進してまいります。
5.教育について
次に、教育について申し上げます。
まず、学力向上施策の一貫として取り組んでいる能代市との教育連携について申し上げます。
本年8月の教育フォーラムに続いて、11月2日から4日にかけて、豊島区立中学校7校から、それぞれ2年生2名を代表に選び、合計14名の生徒たちが能代市を訪問しました。能代市の生徒たちとの交流、ロケット実験等地域の特色を生かした体験プログラムなど、学校、地域、行政が一体となり、迎えてくれた対応に接し、日本のトップの学力を誇る能代市の強さの一端を感じ取ってくれたものと思っております。
さらに、11月14日から15日にかけて、三田教育長はじめ総勢14名からなる派遣団が能代市を訪れました。優れた能代の研究授業に触れるだけでなく、先に、能代市に研修派遣していた本区の3名の教員による能代市の学校での授業実践を参観し、授業改善や家庭教育など、さらに、密度濃い訪問成果を得ることができました。
能代市を訪れた生徒、教員は、優れた能代の実情に直接触れた体験を、自身の成長の糧とするだけでなく、それぞれ在籍校を通じ、その成果を区内に広める活躍をしてくれることを大いに期待しております。
次に、学校改築について申し上げます。
現在推進する学校改築計画の進捗状況でありますが、平成24年7月に西池袋中学校が竣工し、目白小学校は駆体工事が進行中であります。また、改築が予定されている池袋本町小学校と池袋中学校の小中連携校と池袋第三小学校の基本設計が完了し、10月には、それぞれ地域説明会を無事終了したと報告を聞いております。
池袋本町地区小中連携校は、小中学校の互いの独立性を担保しつつ、共有できる施設をシェアリングできる一体感のある校舎を目指しております。また、中学校の1万平方メートルの広いグランドには、豊島区では初めての公式のサッカー場を整備します。さらに、校舎の北側には、ソメイヨシノの並木道を整備し、四季を感じられる景観を形成してまいります。災害時に備えて、体育館の冷暖房化、災害用マンホールトイレ、防災井戸、非常用電源装置、太陽光パネルなど充実した防災設備を設置いたします。地域説明会では、緑が多く大変良い計画である、完成が待ち望まれるなど、期待の声が寄せられたとの報告を受けております。
池袋第三小学校は、狭い敷地を有効に活用し、現在よりも広いグランドを整備するとともに、地域との調和を図り、豊かな緑に囲まれた「森のような学校」を目指します。そこで、校舎の2階に広いテラスを設け、運動会やイベントの際には観覧席として利用できる設計といたしました。また、立教大学の煉瓦を地域色ととらえ、校舎を煉瓦調とし、緑の蔦が壁面を覆うようになります。さらに、既存樹木の慣れ親しんだ緑を継承するとともに、周辺にソメイヨシノを新植します。地域説明会では、学校施設の中で地域が利用できる開放ゾーンに対する関心の声が多く寄せられたと報告を受けております。
これからの学校改築は、21世紀を担う子供たちの教育の場に相応しい教育環境を実現するとともに、地域の特色あるまちづくり、防災の取組みともしっかり連動し、50年、100年先まで見通して計画的に推進してまいります。
次に「豊島区歯と口腔の健康づくり推進条例」の施行に伴う、教育プログラム策定について申し上げます。
本条例の施行に伴い、区は、口腔保健事業をより効果的に推進するため、「豊島区歯と口腔の健康づくり推進計画」の策定に取組んでおります。
教育委員会では、将来の8020運動の担い手を育成する観点から、健康担当部、保健所と連携し、推進計画策定にあたり学齢期における虫歯、歯周疾患予防に重点的に取り組むため、独自の教育プログラムを策定中であります。この教育プログラムは、「歯みがきの意味の理解と習慣化」、「歯みがきに関する技能の習得」、「食育との関連その他」を三本柱として、各学校の教育課程に位置づけ実践するものです。
教育委員会での策定会議の委員には、これまで熱心に取組んでこられた学校歯科校医の先生、養護教諭の先生方も加わっており、活発な議論を期待しております。
時は今、今なさずしていつできる
我なさずしてだれがやる
という言葉があります。
先日、「街が変わる 街を変える~豊島区大改造プロジェクト~」という小冊子をまとめました。これまで、申し上げてきた、新庁舎整備を起爆剤として、豊島区の津々浦々で、同時進行で進んでいる主要なプロジェクトについて、ビジュアルにまとめた冊子です。
この冊子をご覧いただければ、まさに今、豊島区全域で大きなうねりのように街の姿が変わり行く様子を、手に取るようにご理解いただけるだろうと思っております。
ここでご紹介しているプロジェクトは、絵に描いた餅ではありません。すべて、動き出している具体的な事業であり、奇しくも2020年のオリンピック開催までに多くの事業が終了いたします。
これらの大きな事業を着実に進めるためには、これまで進めてきた財政再建、いわば守りの行財政運営だけではとても足りません。思いきって、未来のための投資を進めることも必要であり、一時的に起債残高が増えるといったことも覚悟しなければなりません。
私は、未来に向けて、今、この時にこそやらなければならないことに、新たな挑戦に果敢にチャレンジし、豊島区の輝かしい明日を切り拓いていく不退転の決意を固めております。
議員各位におかれましては、今後も最大のご理解ご協力を賜りますようお願いいたします。
本日、ご提案申し上げる案件は、条例18件、補正予算1件、その他6件、合わせて25件であります。
各案件につきましては、後ほど、日程に従いまして、副区長よりご説明申し上げますので、よろしくご審議の上、ご協賛賜わりますようお願い申し上げます。
最後に、改めて申し上げます。
(仮称)西部地域複合施設の建築工事等につきましては、一度入札が不調となり、先の第三回定例会において債務負担限度額の変更の議決をいただき、再度入札を行わせていただいたところであります。しかし、残念ながら2回目の入札も不調となり、契約者を決めることができませんでした。
西部地域複合施設は、東の新庁舎、西の分庁舎機能を持つ西部複合と申してまいりましたとおり、西部地域の行政サービス、コミュニティ、文化振興の拠点となる重要な施設であります。しかし、建築工事につきましては、全国的に現在もなお資材などが高騰し、また、職人の方々も不足している状況が続いていると聞いております。
本件につきましては、不調となった要因を改めて詳細に分析し、区民の皆様に対して十分なご説明をしていく所存であります。すでに、11月20日には地元の第8地区の町会長の皆様にお集まりいただき、今回の経過をご説明申し上げたところであります。近隣住民、関係者の皆様への説明会も、間を空けることなく実施してまいります。
今後の方向性につきましては、設計変更をするのか、建設時期を変更するのか、計画を凍結するのか、など重要な判断をしなければならないと考えております。しばしの猶予をいただき、改めて議会の皆様、区民の皆様に私の考えをお伝えさせていただきます。