平成26年第4回区議会定例会招集あいさつ

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 本日、ここに平成26年第四回区議会定例会を招集申し上げましたところ、議員各位におかれましては、ご出席を賜わりまして深く感謝申し上げます。


 私は日ごろから、自治体の首長として国内外の動向には常に注視しているところでありますが、つい3日前の11月18日、安倍首相は、「消費税10%への引き上げを来年10月には行わず、18カ月延期すべきであるとの結論に至った」と、引き上げ先送りの方針を発表いたしました。


 あまりにも突然の発表でありましたが、消費税の引き上げは、持続的な社会保障制度の財源確保を目的としておりますので、この度の先送り決定は、財政面から申し上げれば、社会保障充実に向けた財源の拡充が先送りされる、ということであります。


 今、区が全力をあげて取り組んでいる、待機児童対策をはじめとする福祉施策の充実は、待ったなしの重要な課題でありますので、対策の遅れは決して許されないと考えております。


 区といたしましては、今後、先送りの影響を勘案しながら、区民生活への影響を最小限にとどめるよう、最大限の努力を払ってまいりたいと存じます。


 一方、先月、10月28日には、テレビ東京のニュース番組「ワールドビジネスサテライト」で明るい話題として池袋の街が取り上げられました。


 これまでもお話しておりますが、今年、リクルートの調査で池袋が吉祥寺、恵比寿に次いで、前回の13位から関東圏の住みたいまち3位に躍進しましたが、この池袋の人気上昇の秘密を探るため、メインキャスターの大江麻理子さんが取材にみえました。


 番組中で大江さんが示された人気上昇の理由は、「副都心線効果」、「女性の支持率アップ」、「多様性があり懐が深い」という3点であります。


 私は、番組を視聴しながら、現在の池袋に対する評価を実に端的に表現してくださったと感心いたしました。


 かつては「暗い、汚い、怖い」などと言われた池袋は、今や、便利で女性に人気があり、多様な魅力に富んだ懐の深い街として多くの方々に愛されているのであります。


 こうした評価に奢ることなく、誇りを持って本区の安全・安心で魅力に溢れるまちづくりを、今後とも進めてまいります。


1 新庁舎


 さて、新庁舎のオープンまであと167日、落成式までは122日となってまいりました。区民の皆さんに愛され、誇りにしていただける新庁舎の完成が、いよいよ目前に迫ってきております。来年3月の完成に向けて建設工事は着々と進み、高層部分の住宅はほぼ内装工事が終わり、来月からは住戸購入者の内覧会が実施されると伺っています。低層の新庁舎部分については、南側のエコヴェールパネルの取付けが終了し、緑化パネルの植栽も入り、外観はほぼ仕上がりつつありまして、内部では仕上げ工事が急ピッチで進められています。


 このように建築工事は順調に推移しておりますが、それと共に、新たな庁舎での行政サービスの向上についても、着々と準備が進んでおります。


 現在、全庁共通の「身だしなみルール」を定め、新庁舎では、男性職員は原則としてスーツ・ネクタイ着用で執務いたしまします。年明け以降は、準備の整った部署から新たな身だしなみルールを徹底してまいります。


 また、区民課では11月から、新庁舎での総合窓口を想定してレイアウトを変更し、第2・第4土曜日の休日窓口を新たに開始いたしました。わかりやすい窓口案内を行うとともに、引っ越し関連の手続きや各種証明発行などの広範な業務を取り扱い、区民の皆さんへのサービス向上を図っております。これらは新庁舎における345日土日開庁に向けた準備も兼ねておりまして、委託業者の業務内容の習熟、職員の勤務ローテーションの円滑化などに取り組んでまいります。


 なお、本日、ご提案申し上げる案件のなかには、新庁舎の保留床等購入に係る契約議案及び補正予算、新庁舎の初度調弁に関する契約議案など重要な議案が含まれておりますので、よろしくご審議のうえ、ご協賛賜わりますようお願い申し上げます。


 今回ご提案申し上げた補正予算のうち、新庁舎の保留床等購入経費の財源につきましては、全額を基金で賄うこととしており、特に財政調整基金は、110億円もの多額の取り崩しをいたします。その結果、現庁舎地の活用収入が入るまでの間は、一時的とは言え、財政調整基金は残高が少なくなり、今後しばらくの間は、慎重な財政運営が求められることになります。


 このため、現在、平成27年度当初予算の編成作業中でありますが、今年度当初予算と同様、財政調整基金に頼らない予算を編成できないか努力しているところであります。


2 国際アート・カルチャー都市


 次に、国際アート・カルチャー都市について申し上げます。


 先月6日、国際アート・カルチャー都市プロデューサー11人の方々を、記者会見でご紹介させていただきました。その後、プロデューサーの皆様と順次ヒアリングをさせていただいておりますが、第一線で活躍されている方々ならではの、豊かで自由な発想力を如何なく発揮され、非常に示唆に富んだアイディアをたくさんお聞かせいただいております。


 このアイディアを活かしながら、「国際アート・カルチャー都市構想」を今年度中に策定すべく、区職員を中心に渡邉副区長をリーダーとした「都市構想策定チーム」を結成し、学識経験者や区内で文化・芸術活動に取り組む方々のアドバイスを受けながら、鋭意作業中であります。


 他方で、10月22日から11月11日まで、3週間にわたりグリーン大通りにおいてオープンカフェの社会実験を行いました。今回は、グリーン大通りの沿道事業者8店舗にご参加いただき、店内で購入した食べ物、飲み物をオープンカフェに持ち出して楽しんでいただく「テイクアウト方式」で実施いたしました。


 緑豊かなグリーン大通りの特徴を生かしたこの試みは、利用者から好評を得ており、晴天の週末には多くの家族連れや若者たちに利用されました。期間中は、新聞などでも報道されましたが、ブログやフェイスブックなどで取り上げられ、オープンカフェの情報が自然に拡がっていったことは、非常にうれしい出来事でありました。


 街のあらゆる空間を活用し、四季の移り変わりやアート・カルチャーを楽しむ舞台へと変えていこうとする国際アート・カルチャー都市づくりの取り組みが今、まさに歩み出そうとしております。


 この一歩を、さらに大きく進め、グリーン大通りをオープンカフェや文化発信の舞台として本格活用するためには、国家戦略特区の活用が欠かせません。


 国家戦略特区を巡っては、去る10月1日、ようやく第1回目の“東京圏国家戦略特別区域会議”が開催されましたが、この会議の席上、東京都は国に対して、本区を含む9区、具体的には本区のほか台東、墨田、目黒、中野、北、荒川、板橋、練馬の各区でありますが、これらについて早期に追加指定することを提案いたしました。これにより、本区の追加指定が正式に検討の俎上に上ったものと受け止めております。


 追加指定の時期は未確定ですが、都内全域の追加指定も視野に入れて検討を進めることとされておりますので、本区の指定はほぼ確定的であると考えております。


 また、国際アート・カルチャー都市構想を実現するためには、開放的で安全な都市空間の形成が必須であります。そのため、本区は無電柱化の推進にいち早く取り組むことといたしました。


 先日、「11月10日無電柱化の日」記念日制定発表会において、方針を表明してまいりましたが、都市計画道路などの大きな道路だけでなく、生活に密着した道路についても順次無電柱化を進め、景観を損ねる電柱をまちなかから一掃し、安全・安心でしゃれた歩行者優先のまちづくりを進めてまいります。


 また、街は、ちょっとした小さな改善によっても、その表情を大きく変えます。


 池袋駅西口で、ルミネの改装が終了し、前面の歩道整備と合わせてしゃれたカフェがオープンいたしましたが、無味乾燥であったあの一画が、とても素敵で明るい空間に生まれ変わりました。


 これもアート・カルチャー都市に向けた大切な一歩であります。


 さらに、区内では、大勢の若者たちを惹きつける、様々なイベントが繰り広げられております。


 10月25日のニコニコ本社オープンに合わせて開催された“池袋ハロウィンコスプレフェス2014”には、びっくりするほど多くの若者たちが参加し、大変な盛り上がりとなりました。11月8日、9日にサンシャインシティをメイン会場として開催された“アニメイトガールズフェスティバル2014”も、会場を埋め尽くすほどの大盛況でありました。


 このように、魅力的なスポットを拠点としたイベントが活発に展開されておりますが、今後も、12月13日、14日には南長崎の豊島区トキワ荘通りお休み処の1周年記念事業を行い、翌週の19日~23日には第2回目となる「東京マンガ・アニメカーニバルinとしま2014」を開催いたします。


 そして、年明けの1月17日には、親子を対象としたコンサートの開催を予定しておりまして、子育て相談窓口の充実、豊島の森、丸ごとミュージアムなど、“親子にやさしく楽しい新庁舎”をご紹介するとともに、0歳児からの親子を対象として、一緒に楽しいひと時を過ごしていただけるコンサートを企画してまいります。


 これらは、全て国際アート・カルチャー都市づくりに向けた取り組みと位置づけているものでありまして、日本国中あるいは世界の皆様に向けて豊島区の魅力をこれまで以上に積極的に発信してまいります。


3 持続発展都市


 次に持続発展都市について申し上げます。


 まず、いよいよ来月、最終報告を受けることとなっている「としまF1会議」について申し上げます。


 早いものでありまして、7月19日のキックオフイベント「としま100人女子会」を経て、8月9日に発足した「としまF1会議」は、来月12月11日には持続発展都市推進本部において、最終報告をしていただくこととなっております。


 現在、委員の皆さんは、多忙な時間を割いて、テーマごとに6チームに分かれて区の担当部局への取材、先進事例の視察など、最終報告の取りまとめを精力的に進めてくださっています。検討テーマは、子育て支援にとどまらず、ワークライフバランスの推進、コミュニティのあり方、豊島区ブランド刷新戦略など多岐にわたっておりまして、区民目線、当事者目線での提案に大いに期待しており、来月のプレゼンを今から楽しみにしております。


 いただいた提案は、実現可能なものから確実に採り入れ、27年度の新規拡充事業に最大限盛り込んで事業化する方針であります。


 また、つい先日、11月15日、16日の2日間にわたって、リノベーションまちづくりの第一歩となる「まちのトレジャーハンティング@豊島区」を開催いたしました。リノベーションまちづくりに豊富な経験と実績を持つ著名な講師陣が集結するとあって、豊島区民以外にも各地から住宅関連業界、まちづくりを学ぶ方々など、ワークショップに39名の参加者がありました。その中には“女性が住み続けたいまちづくり”というテーマ設定のもと、子育てしながら働く母親7人も含まれていました。


 1日目の15日には、7チームに分かれた参加者が講師と共に、区内の7地域で地図を片手に「まち歩き」し、空き家などの物件を探すとともに、魅力的な路地など地域の隠れた資源の発掘に取り組みました。


 2日目には、各チームによるリノベーションプランの発表が行われました。周囲を観客が取り巻き、まるでボクシングのリングのように中心に設けられた舞台上に、チームの代表2人が登場し、検討内容を面白おかしく発表し、約200人が参加した会場内は笑いの渦に包まれました。続いて行われた講師陣による「豊島区で新しい東京のライフスタイルを作れるか」と題したトークライブでは、このまちの課題、思い、そして未来のビジョンについて活発なトークが行われました。


 空き家を再生して魅力的な住宅を提供するリノベーションは、本区の持続的な発展に大きく貢献すると考えておりまして、今後、オーナーを対象とする“リノベーションまちづくり塾”を開催して普及を図り、来年3月、都内で初めて開催するリノベーションスクールを必ず大成功させてまいります。


4 主要計画の改定


 次に、今年度は本区にとって重要な計画の改定作業が、複数の分野にわたって行われておりますので、その状況について申し上げます。


 まず、豊島区基本構想・基本計画の見直しについて申し上げます。


 豊島区基本構想は平成15年3月に区議会の議決をいただいて策定した、平成37年(2025年)までの区政推進の指針であります。今や設定した期間の半ばを過ぎ、残り10年を迎えようとしているところでありまして、この間には、全国的な人口減少・超高齢化の進展、東京オリンピック・パラリンピックの招致決定、セーフコミュニティの国際認証取得、国際アート・カルチャー都市づくりへの挑戦など、社会動向や区政の大きな変化がありました。これらの動きを踏まえつつ、審議会で見直し作業を行っていただいているところであります。


 基本構想は、議決を経て定めた大方針でありますので、大幅な改定をすることは想定しておりませんが、審議会から改正すべしとの諮問をいただいた場合には、次回、第1回定例会においてご審議いただくことになろうかと考えております。


 また、現在の豊島区基本計画は来年度、平成27年度をもって計画期間を終了するため、その改定に向けた基本方針について基本構想審議会においてご審議いただいております。来年度には、新基本計画の策定作業が本格化してまいります。議員の皆様の中にも基本構想審議会にご参画いただいている方々がおりますが、ご多用のところではありますが、来年度は集中的な審議にご協力いただきたいと思います。


 このほか、10月には、現在の都市計画マスタープランの次期計画となる「豊島区都市づくりビジョン」についてパブリックコメントを行いました。


 また、今後、豊島区地域保健福祉計画、豊島区子どもプランなど、各分野の基幹的な計画の改定に向けたパブリックコメントが予定されております。


 いずれも区民の皆さんの暮らしに直結する重要な計画でありまして、それぞれの計画について学識経験者、議会代表、区民代表の皆様にご参画いただいて慎重に審議していただいております。


 豊島区が、将来的にも住みたいまちとして高い評価をいただけるよう、これら重要な計画の改定作業にしっかり取り組んでまいります。


5 安全・安心まちづくり


 次に、安全・安心まちづくりについて申し上げます。


 今年6月24日、池袋西口駅前で発生した危険ドラッグの吸引が原因となる死傷事故は、大変ショッキングな出来事でありましたが、その後の本区の迅速・果断な対応は、世論を巻き込み、大きなうねりとなって、国や都を動かすきっかけとなりました。


 その後、区では、警察や町会、商店街と一体となってパトロールを実施し、区内の販売店「ゼロ」に向け対策を強化しているところであります。


 10月6日、豊島公会堂で800人のご参加をいただいて「地域安全運動豊島区民大会」を開催して危険ドラッグ撲滅を呼び掛けたほか、同月20日には、危険ドラッグ対策の強化について不動産業界、警察との間で覚書を締結するなど、あらゆる手段を総動員して、危険ドラッグの販売店舗を追い詰めているところです。


 その結果、区内の危険ドラッグ販売店は、事件発生当時10店舗あったものが先週までに2店舗までに減少し、さらに残りのうち1店舗の店長がつい先日の18日に逮捕され実質的な廃業状態であると、たった今、今朝のことでありますが、報告を受けました。いよいよ区内店舗ゼロまで残り1店舗となりました。


 今回上程しております「豊島区危険ドラッグその他の危険薬物撲滅条例」は、全国で初めて、危険ドラッグを販売した店舗等の契約を解除する規定を、不動産契約に特約として盛り込むことをビルオーナーの努力義務とする画期的な条例でありまして、危険ドラッグの販売を企む者に対して、極めて予防効果の高いものとなると考えております。


 豊島区は、多様な人や文化を受け容れる懐の深い街でありますが、街の安全・安心を脅かす危険ドラッグとは、断固として戦う街であります。


 条例制定を契機として、更に地域の力を結集し、必ずや年度内にも販売店「ゼロ」を達成いたしたいと決意しております。


6 福祉


 次に、福祉について申し上げます。


 ますます進む高齢化への備えについては、住み慣れた地域での生活を可能な限り継続できるよう、地域包括ケアシステムの構築に取り組んでおります。24時間定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスなど、在宅福祉の推進に取り組むほか、在宅医療相談窓口、歯科相談窓口の設置、池袋あうる薬局での365日対応の調剤受付など、関係する専門分野の方々と連携しながら、鋭意、在宅生活を支援する仕組みの充実を図っているところです。


 また、介護分野では、平成27年の春には、本区で三つ目となります小規模多機能型居宅介護の事業所が駒込地区に開設される見込みです。特別養護老人ホーム2か所の整備も進んでおり、千川小学校跡地の特別養護老人ホーム「千川の杜」は平成27年4月1日の開設に向け、大詰めの作業が進んでおります。旧中央図書館跡地に加え、南長崎六丁目の「風かおる里」も12床の増床となり、平成27年度にはショートステイ24人を含めて228人分の特別養護老人ホームの整備が進む予定であります。


 さらには、去る11月12日、南池袋四丁目における老人保健施設の開設に向けた地域での説明会が開催され、平成29年度の開設に向け、本格的に動き出しております。


 在宅生活を可能な限り支援するとともに、施設での支援が必要な方への対応も、さまざまな手法を活用して着実に進めてまいります。


7 子ども、教育


 次に、子ども・教育について申し上げます。


 まず、待機児童対策についてでありますが、区は、平成20年度以降、待機児童対策に重点的に取り組んでまいりました。


 平成27年度当初までに保育の受入枠を440名増やす「豊島区保育計画」の平成26年度当初時点での進捗率は95%に達し、保育計画に加えて約220名分の受入枠を増やす「豊島区待機児童対策緊急プラン」は、実施後1年間で全体の進捗率が93%と、すこぶる順調であります。


 さらに、現在、新たな待機児童対策を含む「子ども・子育て支援事業計画」を作成中でありますが、平成29年度までに、新たに約1,000名分の受入枠を用意し、定員60名規模の認可保育所を10園程度、定員15名規模の小規模保育所を18園程度の誘致に取り組むことを想定しております。


 現在も多くの事業者から誘致に関する提案を受けておりまして、既に認可保育所2園、小規模保育所2園の誘致が決定し、その他に認可保育所2園、小規模保育所1園の誘致が有望な状況であります。


 1日でも早い待機児童問題の解消に向けて、今後来年度前半にかけて、さらに多くの認可保育所、小規模保育所の整備に取り組んでまいります。


 また、11月12日には、子どもスキップと放課後子ども教室事業の視察のため、文部科学省と厚生労働省が有識者を伴って、高南小学校を訪れました。これは、国の補助事業を外部の有識者が点検・評価して、改善策等を議論する「行政事業レビュー」の一環で行われたものでありますが、本区の事業運営は大変高く評価されました。


 このほか、11月16日、「豊島こども大学」に参加している40名の区内小学生の皆さんと「区長とティータイム」と称して交流する機会を得ました。


 としま子ども大学は、平成19年度に立教大学文学部100周年記念事業として開始された事業で、立教大学のほか、豊島区、豊島区教育委員会、東京芸術劇場と協働して実施しているものです。「豊島区を知る、創る、楽しむ」をテーマとして、7月の開校式から12月の閉校式まで約6カ月間、立教大学文学部の学生スタッフが企画運営を担ってくださっています。


 ティータイムでは、本橋弘隆区議会議長、永野裕子子ども文教委員長、立教大学の先生方にもご参加いただきました。お子さんたちからは、豊島区がより良いまちになるためのまちづくり政策について、消滅可能性都市への対策など、鋭い質問も出され、私を含め丁寧に答弁させていただきました。


 将来の豊島区を担う子どもたちとの交流は、真剣な中にも笑顔と夢が溢れる心温まるひと時となりました。


 次に、教育について申し上げます。


 11月1日から3日間、本区中学生16名が、「いなか体験・子ども交流事業」として、本区と教育連携、災害協定を結んでいる秋田県能代市を訪問しました。


 豊島区の中学生は、能代市特産の白神ネギの収穫や、きりたんぽ鍋作りなど、区内ではできない体験を通して、能代市の中学生や地元の農家の方々との交流を深めてきました。平成24年から始まった能代市との教育連携は、子どもたちにも深く浸透してきており、中学生からは、「宿泊先となった家族の方々や能代の中学生が温かく迎え入れていただき、うれしかった。学校に戻ったら、この体験で学んだことを友だちに伝えたい。」との感想が寄せられていました。


 8月には能代市の中学生20人が豊島区を訪れ、大学連携による英語づくしの「イングリッシュキャンプ」を体験し、海外留学生との温かい交流を通して得た経験が、参加した両区市の中学生と自治体の未来に、必ず生かされてくるものと大いに期待しています。


 また、11月13日から2日間、本区の小・中学校の教員交流団15人が能代市に赴き、能代市教員と授業改善を促進する情報を交換し、先進的な教育実践を共有しました。この教育連携の成果は、それぞれの学校で広く実践され、「教育都市としま」の実現に寄与するものと期待しております。


 次に、区立小・中学校における今年度の教育研究の成果について申し上げます。区立の各幼稚園、小・中学校は、タブレットパソコンを活用した教科研究会など、今日的な教育課題の解決に向けた研究を行い、授業と教育活動の改善・充実を図っています。10月30日には、研究推進校として西巣鴨小学校が「問題解決を生かした理科の指導」について、11月7日には、明豊中学校が9教科すべてで「問題解決的な学習」の研究発表を行いました。2年間の研究の成果を区内外の多くの先生方に発信し、活発な協議が行われました。本区の子どもたちの学力向上に向けた、各園、各学校の教育内容・方法の充実、教員の授業力向上を今後も期待しています。


 次に、学校改築について申し上げます。池袋第三小学校の改築工事は、11月6日の入札で、落札業者が決まり、今定例会に契約議案を上程しております。私は、これまでも西池袋中学校をはじめ、10月11日に竣工した目白小学校に続き、池袋本町地区小中連携校、そしてこのたびの池袋第三小学校と、最優先課題と位置づけて、豊島区の未来を担う子どもたちのために、計画どおり学校改築を推進してまいりました。


 今後も学校改築計画を着実に推進し、21世紀を担う子どもたちにふさわしい、学ばせたい、通わせたい、魅力ある学校を建設してまいります。


 人間にとって、最大の幸福とは何か。それは、新しい発展に参加することだ。


 これは、人類初の宇宙飛行士となったユーリイ・ガガーリンの言葉であります。


 私にとって最大の幸福とは何でありましょうか。それは、もちろん、豊島区の輝かしい未来を切り開き、次代の子どもたちに誇りを持って引き継いでいく、そうした豊島区の大いなる発展に参加することであります。


 今、豊島区は、これまで培ってきた「文化創造都市」「安全・安心創造都市」をさらに発展させ、世界の中の日本、日本の首都東京に位置する豊島区の大きな使命を、真正面から受け止めて「国際アート・カルチャー都市」づくりに挑戦しております。


 当面、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの文化プログラムを大きな目標として、アート・カルチャーを切り口とした都市再生、ブランド戦略を積極的に展開してまいります。ことにオリンピック文化プログラムは、豊島区が日本全体を牽引するという強い決意をもって、オール豊島で取り組んでまいりたいと存じます。


 また、持続発展都市に向けて、F1会議の提言を最大限に活かしながら、女性や子育て世帯にやさしいまちづくりを進めてまいります。さらに、豊島区からリノベーションまちづくりを日本全国に発信し、地方との共生を進め、日本の人口問題をリードしながら誰もが「住みたい、訪れたい」まちづくりを進めてまいります。


 私は、こうした取り組みの先頭に立って全力を振り絞って邁進してまいります。


 そして、必ずや未来の子どもたちが、誇りと愛着を抱き、世界から注目を集める魅力的な都市づくりを実現し、豊島区の大いなる発展を導いてまいる覚悟であります。


 議会の皆様におかれましても、最大限のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。


 本日、ご提案申し上げる案件は、条例16件、補正予算2件、その他12件、合わせて30件であります。


 各案件につきましては、後ほど、日程に従いまして、水島副区長よりご説明申し上げますので、よろしくご審議の上、ご協賛賜わりますようお願い申し上げます。


 以上をもちまして、私の招集あいさつといたします。